イランやロシアからの報道によると、2016年リオデジャネイロ・オリンピックの男子フリースタイル57kg級銅メダルのハッサン・ラヒミ(イラン=31歳)が現役復帰を決め、イランがオリンピック出場枠を取っていない65kg級で挑戦するもよう。3月の「マテオ・ペリコネ国際大会」(イタリア)が復帰戦と予想されているが、正確には不明。
同選手は2013年世界選手権(ハンガリー)55kg級を制し、2014年世界選手権(ウズベキスタン)57kg級では高橋侑希に勝って銅メダル。2015年世界選手権(米国)は銀メダルを取り、リオデジャネイロ大会は準決勝で樋口黎に5-10で敗れながらも銅メダルを獲得した。2017年ワールドカップ(イラン)を最後にマットから退いた。
イランの中量級は、2011年世界選手権(トルコ)66kg級でメフディ・タガビーが米満達弘を破って優勝。その後、サイェド・モハマディが2014年世界選手権で銀メダル(以後65kg級級)、2015年に銅メダルを取り、世界トップレベルだったが、2017~19年の3度の世界選手権では上位入賞を果たしていない。こうした状況に業を煮やしての復帰か?
この階級は、アジアから日本(乙黒拓斗)のほか、インド、カザフスタン、モンゴルがオリンピック出場枠を獲得済み。アジア予選と世界予選では、ロシアから国籍を移したウズベキスタンとバーレーンなどが有力候補と見られているが、さらにイランが加わるか。
なお、125kg級でもリオデジャネイロ大会銀メダリストのコメイル・ガセミ(33歳)も復帰するという。ガセミは2012年ロンドン大会で3位。その後、上位2選手のドーピング違反が確定し、3位の2選手の金メダルへの繰り上げが報じられた(注=IOCホームページで、当初は2選手が金メダルだったが、現在、同級の順位は消え「最終確定していない」との但し書きが加えられている。現在も係争中と思われる)。
2019年世界選手権(カザフスタン)に出場するための国内予選で敗れた後、選手生活をからの引退を発表していた。この階級のイランは出場枠を取っているので、国内で代表枠を争うことになる。