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2021.02.22

【特集】85年の歴史に新たな1ページ! 東日本学生連盟に初の女性委員長が誕生…宮内美里さん(東洋大)

 

東日本学生連盟初の女性委員長に就任した宮内美里さん=2020年12月の全日本選手権(撮影・矢吹建夫)

 国際社会をも巻き込んだ舌禍騒動をきっかけに、スポーツ界での女性役員の積極登用がいっそう叫ばれるようになった中、創立85年目を迎える東日本学生レスリング連盟に、初めて女性の学生委員長が誕生した。4月から東洋大4年生となる宮内美里さん。2月20日の同連盟理事会で正式に決まった(関連記事)。「男女で比べられるのは昔から嫌でした。女だから駄目、という風潮も」と話し、時代の流れに即した発想での大会運営を目指す。

 連盟の仕事は1年生の時からやっている。時流に合わせたようにも見える女性委員長誕生だが、委員長就任は昨年12月、連盟委員としての3年近い活動が評価されて内定していた。同連盟の朝倉利夫会長(国士舘大部長)は「3年間、裏方の仕事を率先してやってくれました。だれもが、その功績を認めています」と話し、異論なく決まった女性委員長誕生だ。

 学連委員は審判員を兼ねていることが多いが、審判の資格は持っておらず、運営一筋の活動をしてきた。それだけに、「審判員を兼ねていたこれまでの委員長では目が届かなかったところにも気を配り、いい大会運営を目指したい」と言う。

「選手が力を発揮でき、思い出になる大会をつくりあげていきたい」

 「男女の区別をしないこと」は現代の必須条件だが、女性ならではの視点・目線は存在する。レスリング選手が男子だけだった時代には、観客席で着替えをする選手もいて、それが珍しくもなく、会場にいた女性は目のやり場に困ったこともあった。さすがに、そうした光景は稀有になったが、宮内・新委員長がこれまでに感じた一番大きな問題はゴミに対する意識。「汚いと、目につくんですよ」と振り返る。これは平均して女性の方が敏感なことだろう。

2019年2月の連盟幹部交代式(左端が宮内・新委員長)=本人提供

 「トイレもそうですが、公共の施設を借りてやっている以上、汚くしないことは最低限度のエチケットです」と話し、会場の美化に取り組むことを優先課題として挙げた。それがレスリングのステータスを上げることにつながる。サッカーのワールドカップで称賛された日本人のゴミに対する意識の高さを、学生レスリング界でも浸透させたいところだ。

 大会では、スケジュール調整と運営、記録データの管理、開閉会式の進行などの仕事をこなしてきた。3年間で感じたことを還元し、「選手が力を発揮でき、思い出になる大会をつくりあげていきたい」と希望を話した。

 また、来年度だけでできることではないが、女子審判員育成の道筋もつけたいと言う。各大会では、女子マネジャーや負傷のため練習を休んでいる女子選手が補助員として参加し、運営に携わる女子の比率は多くなっているが、審判は圧倒的に男子が多い。すべての分野で男女の格差を是正することは、スポーツの健全な発展のために必要なことだ。

 3年間の委員活動で、女性だからといって差別を受けたことはなかったものの、大会を手伝う男子の補助員に対して男子委員ほどきつく言えないケースがあったのは確か。「そのときは、周りがサポートしてくれました」と周囲が助けてくれた。今後は委員長として厳しく言わねばならないときもあるだろう。ケースバイケースで男子委員の力も借りながら、連盟一体となっての活動を目指す。

高校時代に培われたリーダーシップ、“女性初”にも緊張はなし

 5歳から「BEAT-FANK」(福原邦子代表)でレスリングに取り組み、「AACC」(阿部裕幸代表)に移っての2011年全国少年少女選抜選手権で優勝している。埼玉・埼玉栄高校へ進み、3年生になったとき、男女を通じた主将に推されチームを引っ張った。中高一貫での練習なので部員は約30人。「性別で縛られたくはない」という意識で、強豪男子選手をもまとめるリーダーシップを発揮した。

2016年ジュニアクイーンズカップ・カデット49kg級で3位入賞(右端が宮内・新委員長。左から2人目の優勝は須﨑優衣選手)

 ただ、ひざを手術して練習もままならず、マットの上で後輩の見本となって汗を流すことはできなかった。その分、マネジメント的な仕事をしっかりこなし、チームをまとめた自負がある。ひざの状態が思わしくなく、選手活動は大学2年生の夏でストップ。兄・滉平さん(埼玉栄高~東洋大卒=2015年のインターハイ団体優勝のメンバー)の「自分に何ができるかを考えて行動しろ」という言葉もあり、学連委員としての活動に専念することになった。

 「キャプテンをやってきた経験が今に生きています」。男女平等の旗印の下で強引に祭り上げられた委員長ではなく、組織をけん引してきた実績を持つ委員長だけに、“お飾り”ではない活動が期待される。「女子初の学生連盟委員長」という大役も、埼玉栄高校レスリング部で史上初の女子キャプテンだったこともあって意に介さず、「緊張はありません」と言う。

 朝倉会長は「自分の意見をきちんと言える。人なつこさがあり、理事の先生方とも積極的にコミュニケーションをとる能力がある」と評し、来年度の大会運営に期待する。これを機に、「女性審判や女性の補助員を増やし、大会運営に関わる女子学生委員の人材輩出につなげたい」と続け、連盟改革へ向けての起爆剤としての活躍を望んだ。







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