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2021.03.14

【特集】アジア選手権でリオ3位の孫亜楠(中国)にリベンジする! 急成長の女子最軽量級期待の星…吉元玲美那(至学館大)

 

吉元玲美那(至学館大)

 女子がオリンピック種目になって以来、伊調千春小原日登美登坂絵莉と伝統を築いた女子最軽量級。今夏の東京オリンピックは、すでに2度の世界選手権優勝を達成している須﨑優衣(早大)が出場枠獲得を目指し、オリンピックでの栄冠に挑む。

 その須﨑も、3年後、いや来年の日本代表を勝ち取ることも予想できない層の厚さを持つのが、この階級だ。追い上げる一番手に躍り出たのが、昨年12月の全日本選手権を制した吉元玲美那(れみな=至学館大2年)。埼玉・埼玉栄高校時代の2017・18年インターハイ2連覇や2017年世界カデット選手権優勝の実績をもって女子最強チームの門をたたいた。

3試合で30得点の攻撃能力で日本一へ

 2019年には1年生学生チャンピオンに輝いたりもしたが、全日本の2大会では表彰台はなかった。しかし昨年の大会で、中学と高校の先輩でその背中を追った中村未優(Sports Design Lab)を初戦で破り、決勝はアジア女王(五十嵐未帆)を破って勝ち上がった伊藤海(京都・網野高)にテクニカルフォールで圧勝。3試合で30点を取る攻撃力を見せて初優勝した。

アンクルホールドの連続で全日本選手権決勝を制した=撮影・矢吹建夫

 吉元は「表彰台では実感が湧かなかったです。多くの人から『おめでとう』と言われ、1日くらいしてから、やっと優勝したんだな、と思いました」と、初の日本一を振り返る。一方、前年1・2位の須﨑優衣入江ゆきが出ていなかったので、「本当の優勝と思っていいのか…」と話し、100%の達成感でないことも強調した。

 決勝の相手の伊藤海は、キッズ時代から全国に名をとどろかせていた選手。昨年1月のクリッパン女子国際大会(スウェーデン)を全試合テクニカルフォール勝ちで制し、早くもシニアの国際舞台で結果を出した新進気鋭の18歳だ。

 「やりにくかった?」との問いに、「その気持ちは確かにありました。でも、チャンスをものにする、という気持ちの方が強かったので、絶対に勝つ、という気持ちで臨めました」ときっぱり。

3歳から始め、高校2年生の頃から急成長

 レスリングは3歳くらいのとき、青森クラブ・ジュニアで始めた。「兄がやっていて、遊び感覚でした」というが、全国少年少女選手権で2度優勝。親の転勤で東京に移り、AACC~埼玉栄中・高と続けた。安定したのは高校2年生の頃で、ジュニアクイーンズカップ、JOC杯、インターハイ、世界カデット選手権と優勝を重ねた。

2019年ジュニアクイーンズカップで世界V2の須﨑優衣と対戦。このシーンまで攻めながらもポイントを取れず、攻撃力に難があった=撮影・矢吹建夫

 進学先として至学館大を選んだのは、世界を目指す気持ちが芽生えたからだろうが、それよりも、「ここまでやってきて、今まで勝った選手に(大学に進んでから)負けたくはなかった。それには練習環境がいいチーム」という理由の方が大きかったと言う。

 埼玉栄高から至学館大へ進んだ選手はいなかった。先輩が一人もいないチームに行くのは不安が伴うだろう。当時の至学館大は騒動で揺れていて、監督が不在の状況。「考え直した方がいい」という声も耳に入ってきた。

 だが、「最高の環境で練習したい」という気持ちが揺らぐことはなかった。最強チームに入って練習したことで、技量のみならず気持ちも急速に上がっていった。そのうちに栄和人監督が外部コーチを経て指揮官に正式復帰。「はっきり言って、どんな指導する人か知らなかったんです(笑)。指導を受けてみると、基本の技術指導の連続で、今の自分に必要なことばかりです。しっかりとやっていきたい」と言う。

 栄和人監督は入学したときの吉元を見て、「受けが強いので、(相手にとっては)やりづらい選手という印象を持った」と言う。2019年ジュニアクイーンズカップ決勝で、世界女王に2度輝いた須﨑優衣に1-2で惜敗している事実が、それを物語っている。

栄和人監督の指導で攻撃力がアップ、日本一に上り詰めた

 しかし、強豪相手に攻撃ができない。「これでは国内や世界のジュニアレベルで勝つことはあっても、シニアの世界トップレベルでは勝てない」と分析。スパーリングで30秒に1回は必ず攻撃することを課すなど、“攻撃型選手”への改造に着手。徹底した練習に「泣きながらでもついてきた」そうで、それによって得点能力とスタミナがつき、その成果が「日本一奪取だった」と振り返る。

 また、2016年リオデジャネイロ・オリンピックのとき(高校1年生)は、あこがれでしかなかった登坂絵莉に接することができたのは大きかった。「練習に取り組む姿勢がすごかった。登坂さんから学ぶことができたから、ここまで来られた。至学館大に来て本当によかった」と振り返る。

 昨秋コーチに就任した栄希和コーチの存在も大きく、女性コーチならではの選手への“近さ”もある。練習環境、指導陣とも最高の環境に身を置けたと実感している。

アジア選手権で世界3位の孫亜楠(中国)にリベンジする!

 4月のアジア選手権(カザフスタン)は、オリンピック代表内定選手に混ざって出場する。2016年リオデジャネイロ・オリンピック48kg級3位で東京オリンピックの出場権を手にしているスン・ヤナン(孫亜楠=中国)の出場が予想されることも、大きな発奮材料。初めてのシニアの国際大会となった2019年クリッパン女子国際大会(スウェーデン)の決勝で対戦し、第1ピリオドを4-0とリードしながら、ラスト45秒に4-4とされ、ラストポイントで敗れた苦い思い出がある相手だ。

南條早映(左)ら上の階級のチャンピオンとも積極的にスパーリング

 スン・ヤナンは同年の世界選手権で入江ゆきに豪快なバック投げを決め、強さを見せつけた。その動画を見て「怖い、と思いました」と苦笑いするが、「そう思ったら負けですね。勝つ対策を考えて臨みます。リベンジを目指します」と言う。

 栄和人監督は「練習のあと、学んだことを日記帳につけている姿が毎日ある。記憶の残っているうちに書きとどめているんだよ」と説明する。4月15日、カザフスタンの会場で書く日記には、「オリンピック3位の中国選手を破った」と記されるのではないか。







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