(文=布施鋼治、撮影=保高幸子)
昨年まで大会4連覇を達成していた強豪校が準々決勝で敗北。全国高校選抜大会第2日。日体大柏(千葉)は秋田商(秋田)に2-5で敗れ、ベスト8に終った。同校が学校対抗戦で敗れたのは、2016年のこの大会の準決勝、飛龍(静岡)戦以来。
敗退後、同校の大澤友博監督は「大会前から今回は厳しいんじゃないかと予想していた」と肩を落した。「ウチのチームカラーは最後まで諦めず、図太くしつこく闘い続けること。残念ながら今回のチームには図太さもしつこさも欠けていた」
確かに初戦となった2回戦の鹿屋中央(鹿児島)戦から、日体大柏には“常勝軍団”だった昨年までとは違ったムードが漂っていた。序盤から楽に勝たせてもらえない。最終的に5-2で勝利を収めたが、スコア以上に苦戦しているという印象を受けた。
大澤監督は連帯感が欠けたチームになってしまったことを悔やんだ。「個人戦は、たとえ負けても自分で出した結果なので、他の選手には迷惑がかからない。対照的に、団体戦になると全体に責任がのしかかってくる。私は(いつも)連帯感を重視したチーム作りを目指していたんですけどね」
続く3回戦の志賀(石川)戦では50㎏級から4連勝を飾り、早々チームの勝利を決めてベスト8進出を決めたが、71㎏級の伊藤拳将、80㎏級の本原晴来が連敗を喫し一抹の不安を残した。
案の定、その不安は翌日行なわれた準々決勝で現実のものとなってしまう。第1日からチーム全体で元気の良かった秋田商(秋田)を相手に、チームのポイントゲッターを務める51㎏級の松村祥太郎が3-1のスコアで幸先いいスタートを切ったが、常勝軍団の活躍はここまで。続く55㎏級の高木晟至、60㎏級の佐藤大夢、65㎏級の山下凌弥が3タテを食らい、一気に“リーチ”をかけられてしまった。
「高木はせっかく7-7まで追い上げたのに、その後、初歩的なミスをおかして勝てる試合を落としてしまった。ウチの勝負の要は51㎏と55㎏と60㎏。この3階級で勝利をおさめないと、ちょっと厳しい」(大澤監督)
大澤監督の厳しい目は、キャプテンを務めた佐藤のチーム作りにも向けられた。「キャプテンがもっとみんなを引っ張ってチーム作りをしなければいけない。彼には我々指導者と同じようなプレッシャーを持ってチームを作っていってほしかった」
3年生が卒業したことで、現在のチームは7階級のうち5人が1年生(4月から2年生)という構成。大澤監督は「よその学校もそうかもしれないけど」と前置きしながら、持論を展開した。
「中学時代から試合でもまれて結果を残している選手がいたらいいけど、ウチの1年生はそこまで行っていない選手が多い。ちびっこ(キッズ)から活躍して高校生になった選手にはなかなか追いつけない」
団体戦ではベストウエートではない階級に配置された選手が多かったことも、マイナスに働いた。「佐藤は本来55㎏級なんですが、この階級には二人いるので、上げざるをえなかった。80㎏級の本原も70㎏程度しかない」
今年7月に予定されているインターハイに向け、大澤監督は「まずはチームとしての気持ちを作り直さないといけない」と訴える。「『現戦力で頑張れるか』と問われたら、正直厳しい。連帯感を持てないチームだったら、続ける必要もない。新1年生を積極的に起用すれば、いまのチームの子も奮起してくれるんじゃないかと願っています」
名将の熱き思いは現代っ子に通用するか。