世界レスリング連盟(UWW)は、4月9日(金)~11日(日)にカザフスタン・アルマトイで行われる東京オリンピック・アジア予選のエントリーを発表。24ヶ国から200人を超える選手が、各階級2選手に与えられるオリンピックへの切符を目指して争うことになった。
現段階で、軽量級を中心に出場枠獲得の上積みを目指すと思われた北朝鮮がエントリーしていない。国際慣習で、最終エントリーまで門戸を開けておくこともあるので、出てくるかどうかは最後まで分からないが、新型コロナウィルスのパンデミック下、出入国の問題を考えると、不参加の可能性が強まったと言える。
北朝鮮は2019年世界選手権(カザフスタン)で女子2階級(53・62kg級)のみ出場枠を獲得。ここに、男子フリースタイル57kg級で2019年アジア選手権(中国)2位のカン・クムスン、女子50kg級で2018年世界選手権(ハンガリー)5位のキム・ソンヒャン、同57kg級で2019年アジア選手権で伊調馨を破ったヨン・ミョンスク、男子グレコローマン60kg級で、やはり2019年アジア選手権で文田健一郎を破ったリ・セウンなどが出場枠獲得の有力候補とされていた。
北朝鮮が不参加となった場合、日本が出場する階級としては、男子フリースタイル57kg級と女子50kg級で追い風となるが、樋口黎(日体大助手)が出場する男子フリースタイル57kg級は、北朝鮮不参加であっても、従来とは別の“新顔”との闘いを余儀なくされそう。
モンゴル代表は2018年アジア大会(インドネシア)優勝・2019年の世界選手権7位のベクバヤール・エルデネバトではなく、2018年世界選手権61kg級3位のツブシンツルガ・ツメンビレグが階級を下げてエントリー。ウズベキスタン代表も、2018・19年アジア選手権2位のマクムジョン・シャブカトフではなく、2018年アジア・ジュニア選手権(インド)優勝のグロミョン・アブデュラエフが出てくる。
キルギス代表は、昨年のアジア選手権(インド)3位のベクボロト・ミルザナザルウルと同61kg級優勝のウルクベク・ジョルドシュベコフのWエントリー。世界での実績は2019年U23世界選手権(ハンガリー)61kg級優勝でもあるジョルドシュベコフが上。階級を下げて出てくる可能性は十分。
女子50kg級は、須﨑優衣(早大)を含めて5選手のみのエントリーで、このままの人数なら総当たりリーグ戦となる。北朝鮮がいない場合、躍進著しいインド代表のシーマ・シーマ(2019年世界選手権代表)、2020年ヤリギン国際大会(ロシア)を制したナムウンチェチェグ・チョグトチール(モンゴル)が敵となろう。
男子グレコローマンでは、67kg級にリュ・ハンス(柳漢壽)、77kg級にキム・ヒョンウ(金炫雨)の韓国の元世界王者2人がエントリー。2019年世界選手権で3スタイルで1階級も出場枠を取れなかった成績の挽回に挑む。
(注)本文でもふれましたが、国際慣習により、エントリーは変更・追加される場合があります。