国内外のメディアによると、北朝鮮体育省が運営するウェブサイト「朝鮮体育」は4月6日、同国オリンピック委員会が3月25日に開いた2021年総会で、世界的に流行する新型コロナウイルス感染症から選手を保護するため、東京オリンピックへの不参加を決めたことを報じた。
日本政府や大会組織委員会は不参加の意思を確認するとともに、対応策を検討するという。東京オリンピックに正式に不参加を表明した国は初めて。北朝鮮は、4月9日からカザフスタン・アルマトイで行われるレスリングのアジア予選にエントリーしていなかった。
レスリングでは、北朝鮮は2019年世界選手権(東京オリンピック第1次予選)で女子53kg級と62kg級で出場枠を獲得。アジア予選と世界最終予選で、男女とも軽量級を中心に数階級の上積みが予想されていた(関連記事)。
これまでのオリンピックで、出場枠を獲得しながらドーピング違反で失格となり、オリンピックに出場できなかったケースはあり、その場合は予選の下位選手が繰り上がるなど早々と代替出場選手が決まった。出場資格を得て、出場の意思表示をした国(2019年世界選手権で出場枠獲得をした国は同年10月9日まで)が、その後、出場を辞退したケースはないため、代替の選手がどう選ばれるかは不明。
いずれにせよ、北朝鮮の不参加問題を含め、5月6日からの世界最終予選(ブルガリア)までに結論は出ないものと思われる。東京オリンピックの最終エントリーは7月5日となっている。