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2021.06.08

【2021年明治杯全日本選抜選手権・特集】兄のアシストに徹した2ヶ月、その経験をこれから生かす”…男子フリースタイル74kg級・高谷大地(自衛隊)

 

(文=東京スポーツ新聞社・中村亜希子 / 撮影=矢吹建夫)

3位を死守。今後の闘いにつなげた高谷大地(自衛隊)

 世界一の“孝行弟”が、兄の東京オリンピック金メダル取りをアシストし、さらなる高みを目指す-。全日本選抜選手権の男子フリースタイル74kg級3位決定戦、高谷大地(自衛隊)志賀晃次郎(警視庁)を9―6で破り、表彰台を死守した。

 同86kg級で東京オリンピック出場を目指す兄・惣亮(ALSOK)の練習パートナーとして、4月のアジア予選(9~11日、カザフスタン)と5月の世界最終予選(6~9日、ブルガリア)に同行した。自分の練習はすき間時間のみで、黒子に徹した2ヶ月間。新型コロナウイルス感染防止のための隔離を余儀なくされ、ブルガリアから帰国後は、2週間まったく練習ができなかった。

 体重も3kg減。初戦で今大会優勝の佐藤匡記(山梨学院大)に惜敗した。「自分なりには仕上げてきたつもりだが、試合になると体が思うように動かなかった」と反省。それでも敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦で勝利。「取って取られて、僕らしいといえば僕らしい試合。最後の最後にやっと自分らしく楽しくできたので、そこはよかったのかなと思います」と笑顔を見せた。

まず兄の金メダル獲得のサポート、「お母さんにもなります」

 世界の猛者が集まるオリンピック予選の殺ばつとした空気を味わい、勝つために必要なことだけを考え、実戦した2ヶ月間。2024年パリ・オリンピックを目指す大地にとっても、これ以上ない刺激になった。

試合をするたびに動きがよくなり、3位決定戦は9-6で勝利

 兄のライバルの選手の動きを真似、納得いくまでマットの上でつき合った。外部との接触はできず、家族や仲間の助けを借りるわけにもいかない。海外遠征では兄のためにトランクいっぱいに食料を持ち込み、洗濯は2ヶ月間ずっと担当。隔離期間中も、朝のコーヒーから食事作りまでサポートした。「まるで奥さんとか栄養士ですよ」

 時には“名コーチ”にもなった。アジア予選でオリンピック切符を逃し、珍しく取り乱す兄を励まし、どうやったらアドバイスを聞いてもらえるか、冷静に考えた。「オレたち、気持ちがシンクロするんですよ。どっちかが上がれば、相手も上がる」。苦闘を乗り越え、兄は世界最終予選で3度目のオリンピック切符を獲得。真っ先に口から出た「弟に感謝したい」という言葉が、大地の働きの大きさを物語っている。

 「本当は今大会で優勝して、兄貴の日本一のパートナーになりたかったですけどね」と話す大地。このあと、日本一の座を奪還し、パリ・オリンピックに出場する計画だが、今年、もう一度、兄のために汗をかくつもりだ。「東京で金を取らせるために、何をやらせようか。パートナー、トレーナー、お母さん、何にでもなります。自分にも還元して、年末の全日本選手権で自分のレスリングをする。楽しいと言えるように」。

 高谷兄弟の本当の戦いはここから始まる。







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