6月13日(日)に世界レスリング連盟(UWW)のランキング大会「ピトラシンスキ国際大会」(ポーランド)に出場する男子グレコローマン60kg級の文田健一郎(ミキハウス)が6月7日、報道陣に対してリモートで会見に応じ、「調整はうまくできている。作り上げてきたものを試してみたい」と話した。
文田は昨年12月の全日本選手権に出場して優勝したが、国際大会出場は昨年2月のアジア選手権(インド)以来、約1年4ヶ月ぶり。「外国選手と肌を合わせることのなかった期間に作り上げてきたものが通用するのかどうか、楽しみ」と言う。得意のそり投げ以外にも取り組んできた技があるので、それらを披露する腹積もりだ。
オリンピックまで2ヶ月を切った段階での実戦練習となるが、世界一に輝いた2017年は1ヶ月半前にポーランドとスペインの大会、2019年は2ヶ月前にベラルーシの大会に出ている。文田にとっては、試合勘を確かめるための“いつものやり方”。ずっと前から、2ヶ月くらい前に実戦をこなす予定にしていた。
他国から研究される懸念もあるが、世界王者としてすでにマークされている立場。「強烈な投げ技を見せ、スタンドの強さを見せ、他国の選手に『フミタは怖いぞ』と思わせたい。スタンドを警戒させれば、本番のオリンピックではグラウンドの攻撃も生きてくる」と前向き。試合に出ることで自分のリズムをつくりたい気持ちの方が強い。
発表されたエントリー選手を見る限り、オリンピックの優勝争いにからめそうなトップ選手はいないが、それでも外国選手との闘いは日本選手との練習では味わえないものがあると言う。
帰国後、規定で2週間の隔離を余儀なくされ、コンディションづくりに影響すると思われるが、「試合を振り返って反省したり、メンタル面のコンディション作りの期間、とプラスに考えています」と、どこまでも前向きに話した。