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2021.07.07

2021年東京オリンピック/女子76kg級展望(8月1・2日実施)

 

《エントリー選手》 ※最終エントリーが判明次第、修正します。

《第1シード》アデライン・グレイ(米国) / 《第2シード》アライン・フォッケン(ドイツ) / 《第3シード》皆川博恵 / 《第4シード》エルミラ・シズディコワ(カザフスタン)


2018年、負傷を乗り越え、前年の世界チャンピオンを破って世界一に返り咲いたアデライン・グレイ(米国)

 2018・19年世界選手権優勝のアデライン・グレイ(米国)が優勝候補の最右翼と言えよう。2012年67kg級と2014・15年75kg級の世界選手権を制して臨んだ2016年リオデジャネイロ・オリンピックは、肩の負傷もあって無念の3回戦敗退(7位)。その後、手術を経て復帰し、強さを取り戻して世界一にカムバックした。

 復帰後、国際大会で負けたのは2017年12月の「ロシア・カップ」でのエップ・マエ(エストニア)と2018年7月の「スペイン・グランプリ」でのエリカ・ウィーブ(カナダ=リオデジャネイロ大会優勝)の2試合(国内では68kg級代表のタミラ・エンサストックに敗れている)。今年5月にはパンアメリカン選手権を制し、コロナ禍によるブランクを埋めた。

 オリンピック・チャンピオンとして臨むのが、ナタリア・ボロビエワ(ロシア)エリカ・ウィーブ(カナダ)。2012年ロンドン大会72kg級優勝のボロビエワは、2016年リオデジャネイロでは69kg級に出場し、決勝で土性沙羅に敗れた。休養と負傷箇所の治療で約2年間半、完全にマットを離れ、2019年2月に復帰。

2019年に72kg級で世界を制し、2大会ぶりのオリンピック・チャンピオンを目指すナタリア・ボリビエワ(ロシア)

 同年世界選手権と翌年の欧州選手権の72kg級を制し、今年3月の欧州予選で勝って3度目のオリンピック出場を決めた。4月の欧州選手権ではエップ・マエ(前述)に敗れ2位、6月の「ポーランド女子国際大会」でもマエに敗れて3位に終わった。巻き返しなるか。

 ウィーブは、リオデジャネイロでの栄冠から半年後にはマットに復帰し、2018年世界選手権3位などの成績を残した。2019年世界選手権ではエップ・マエ(前述)に不覚を喫してオリンピック出場枠獲得を逃したが、翌年3月のパンアメリカン予選で順調で優勝して出場枠を獲得。コロナ禍後は、3月の「マテオ・ペリコネ国際大会」(イタリア)で優勝し、実力を見せた。

 前記の3選手に土をつけているエップ・マエ(前述=エストニア)は、2017~19年世界選手権で5位、5位、3位とコンスタントに上位へ進出(17年は75kg級)。今年4月の欧州選手権を制している。世界一の経験はないが、あなどれない存在と言える。

この階級の動向を左右しそうなアライン・フォッケン(ドイツ=右)とエップ・マエ(エストニア)=今年6月の「ポーランド女子オープン」(提供=UWW/撮影=Kadir Caliskan)

 6月の「ポーランド女子オープン」を制し、皆川博恵と入れ替わって第2シードを獲得したアライン・フォッケン(ドイツ)は、2014年世界選手権69kg級の覇者。2018年から76kg級で闘い、2019年世界選手権3位、2020年個人戦ワールドカップ優勝と1階級アップをこなしてきた。勢いを持ち込めるか。皆川とは、お互いに勝ち上がれば準決勝での対戦。初顔合わせとなる。

 2015年世界選手権で2位になりながら、リオデジャネイロ・オリンピック出場を逃したジョウ・チエン(周倩=中国)は、2018年にアジア選手権とアジア大会で優勝と実力を見せた。2020年1月の「マテオ・ペリコネ国際大会」(イタリア)で2位になったあと、試合をこなしていないことがどう影響するか。

 2017年世界選手権75kg級優勝のヤセミン・アダー(トルコ)、2019年世界選手権5位で今年のアジア選手権を制したエルミラ・シズディコワ(カザフスタン)、2016年リオデジャネイロ大会でアデライン・グレイ(米国)を破り、2019年欧州大会優勝のバシリサ・マルザリュク(ベラルーシ)、今年の欧州選手権72kg級を制し、世界予選優勝で出場権を獲得したアラ・ベリンスカ(ウクライナ)らが、上位に進出できるか。

 アジア予選を2位で勝ち抜いたブルマー・オチルバト(モンゴル)は、2004年アテネ大会と2012年ロンドン大会に続く3度目の出場。2016年リオデジャネイロ大会出場を逃した後、出産を経て2019年に復帰していた。正確な統計はできていないが、女子で39歳の出場は女子最年長と思われる。

 皆川博恵は、対戦成績では強豪選手相手には分が悪いのは確か。だが、2019年世界選手権で、それまで4連敗していたジョウ・チエン(周倩=中国)を破るなど、過去の対戦成績で勝敗が決まるわけではない。経験をどういかして闘うか。


皆川博恵と主な強豪選手の対戦成績

※フォールのスコアは皆川から見たスコア。2013年途中まではピリオド制

Gray, Adeline Maria(米国)
2019年 ワールドカップ フォール、5:04=1-3 Gray, Adeline Maria
2019年 世界選手権 2-4 Gray, Adeline Maria
2018年 ワールドカップ 1-6 Gray, Adeline Maria
2015年 ワールドカップ 1-4 Gray, Adeline Maria
2014年 世界選手権 1-2 Gray, Adeline Maria
2014年 ゴールデンGP決勝大会 1-1 Gray, Adeline Maria
2013年 NYACホリデー国際大会 3-1 Gray, Adeline Maria
2012年 NYACホリデー国際大会 2-1(1-0,1-1) Gray, Adeline Maria
Natalya, Vorobieva(ロシア)
2013年 ゴールデンGP決勝大会 0-4 Vorobieva, Natalya
2013年 世界選手権 フォール、0:53=0-3 Vorobieva, Natalya
2013年 ヤリギン国際大会 フォール、1P(F0-4) Vorobieva, Natalya
2011年 ゴールデンGP決勝大会 0-2(2-5,0-3) Vorobieva, Natalya
Wiebe, Erica Elizabeth(カナダ)
2013年 NYACホリデー国際大会 5-4 Wiebe, Erica Elizabeth
Mae, Epp(エストニア)
2019年 世界選手権 7-0 Mae, Epp
2017年 世界選手権 6-0 Mae, Epp
2011年 ゴールデンGP決勝大会 2-0(6-1,1-0) Mae, Epp
Zhou, Qian(周倩=中国)
2019年 ワールドカップ 0-7 Zhou, Qian(周倩)
2019年 世界選手権 3-1 Zhou, Qian(周倩)
2018年 アジア大会 0-8 Zhou, Qian(周倩)
2018年 ワールドカップ 1-7 Zhou, Qian(周倩)
2018年 アジア選手権 2-7 Zhou, Qian(周倩)
2014年 世界選手権 Tフォール、3:59=0-11 Zhou, Qian(周倩)
Syzdykova, Elmira(カザフスタン)
2019年 ヤリギン国際大会 4-1 Syzdykova, Elmira
2013年 ゴールデンGP決勝大会 Tフォール、8-0 Syzdykova, Elmira
2013年 アジア選手権 2-0(1-0,1-0) Syzdykova, Elmira
2013年 ヤリギン国際大会 2-0(1-0,1-0) Syzdykova, Elmira
Adar, Yasemin(トルコ)
2018年 世界選手権 0-7 Adar, Yasemin
2017年 世界選手権 1-6 Adar, Yasemin






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