《エントリー選手》 ※最終エントリーが判明次第、修正します。
《第1シード》アデライン・グレイ(米国) / 《第2シード》アライン・フォッケン(ドイツ) / 《第3シード》皆川博恵 / 《第4シード》エルミラ・シズディコワ(カザフスタン)
2018・19年世界選手権優勝のアデライン・グレイ(米国)が優勝候補の最右翼と言えよう。2012年67kg級と2014・15年75kg級の世界選手権を制して臨んだ2016年リオデジャネイロ・オリンピックは、肩の負傷もあって無念の3回戦敗退(7位)。その後、手術を経て復帰し、強さを取り戻して世界一にカムバックした。
復帰後、国際大会で負けたのは2017年12月の「ロシア・カップ」でのエップ・マエ(エストニア)と2018年7月の「スペイン・グランプリ」でのエリカ・ウィーブ(カナダ=リオデジャネイロ大会優勝)の2試合(国内では68kg級代表のタミラ・エンサストックに敗れている)。今年5月にはパンアメリカン選手権を制し、コロナ禍によるブランクを埋めた。
オリンピック・チャンピオンとして臨むのが、ナタリア・ボロビエワ(ロシア)とエリカ・ウィーブ(カナダ)。2012年ロンドン大会72kg級優勝のボロビエワは、2016年リオデジャネイロでは69kg級に出場し、決勝で土性沙羅に敗れた。休養と負傷箇所の治療で約2年間半、完全にマットを離れ、2019年2月に復帰。
同年世界選手権と翌年の欧州選手権の72kg級を制し、今年3月の欧州予選で勝って3度目のオリンピック出場を決めた。4月の欧州選手権ではエップ・マエ(前述)に敗れ2位、6月の「ポーランド女子国際大会」でもマエに敗れて3位に終わった。巻き返しなるか。
ウィーブは、リオデジャネイロでの栄冠から半年後にはマットに復帰し、2018年世界選手権3位などの成績を残した。2019年世界選手権ではエップ・マエ(前述)に不覚を喫してオリンピック出場枠獲得を逃したが、翌年3月のパンアメリカン予選で順調で優勝して出場枠を獲得。コロナ禍後は、3月の「マテオ・ペリコネ国際大会」(イタリア)で優勝し、実力を見せた。
前記の3選手に土をつけているエップ・マエ(前述=エストニア)は、2017~19年世界選手権で5位、5位、3位とコンスタントに上位へ進出(17年は75kg級)。今年4月の欧州選手権を制している。世界一の経験はないが、あなどれない存在と言える。
6月の「ポーランド女子オープン」を制し、皆川博恵と入れ替わって第2シードを獲得したアライン・フォッケン(ドイツ)は、2014年世界選手権69kg級の覇者。2018年から76kg級で闘い、2019年世界選手権3位、2020年個人戦ワールドカップ優勝と1階級アップをこなしてきた。勢いを持ち込めるか。皆川とは、お互いに勝ち上がれば準決勝での対戦。初顔合わせとなる。
2015年世界選手権で2位になりながら、リオデジャネイロ・オリンピック出場を逃したジョウ・チエン(周倩=中国)は、2018年にアジア選手権とアジア大会で優勝と実力を見せた。2020年1月の「マテオ・ペリコネ国際大会」(イタリア)で2位になったあと、試合をこなしていないことがどう影響するか。
2017年世界選手権75kg級優勝のヤセミン・アダー(トルコ)、2019年世界選手権5位で今年のアジア選手権を制したエルミラ・シズディコワ(カザフスタン)、2016年リオデジャネイロ大会でアデライン・グレイ(米国)を破り、2019年欧州大会優勝のバシリサ・マルザリュク(ベラルーシ)、今年の欧州選手権72kg級を制し、世界予選優勝で出場権を獲得したアラ・ベリンスカ(ウクライナ)らが、上位に進出できるか。
アジア予選を2位で勝ち抜いたブルマー・オチルバト(モンゴル)は、2004年アテネ大会と2012年ロンドン大会に続く3度目の出場。2016年リオデジャネイロ大会出場を逃した後、出産を経て2019年に復帰していた。正確な統計はできていないが、女子で39歳の出場は女子最年長と思われる。
皆川博恵は、対戦成績では強豪選手相手には分が悪いのは確か。だが、2019年世界選手権で、それまで4連敗していたジョウ・チエン(周倩=中国)を破るなど、過去の対戦成績で勝敗が決まるわけではない。経験をどういかして闘うか。
※フォールのスコアは皆川から見たスコア。2013年途中まではピリオド制
Gray, Adeline Maria(米国) | ||||
2019年 | ワールドカップ | ● | フォール、5:04=1-3 | Gray, Adeline Maria |
2019年 | 世界選手権 | ● | 2-4 | Gray, Adeline Maria |
2018年 | ワールドカップ | ● | 1-6 | Gray, Adeline Maria |
2015年 | ワールドカップ | ● | 1-4 | Gray, Adeline Maria |
2014年 | 世界選手権 | ● | 1-2 | Gray, Adeline Maria |
2014年 | ゴールデンGP決勝大会 | ○ | 1-1 | Gray, Adeline Maria |
2013年 | NYACホリデー国際大会 | ○ | 3-1 | Gray, Adeline Maria |
2012年 | NYACホリデー国際大会 | ○ | 2-1(1-0,1-1) | Gray, Adeline Maria |
Natalya, Vorobieva(ロシア) | ||||
2013年 | ゴールデンGP決勝大会 | ● | 0-4 | Vorobieva, Natalya |
2013年 | 世界選手権 | ● | フォール、0:53=0-3 | Vorobieva, Natalya |
2013年 | ヤリギン国際大会 | ● | フォール、1P(F0-4) | Vorobieva, Natalya |
2011年 | ゴールデンGP決勝大会 | ● | 0-2(2-5,0-3) | Vorobieva, Natalya |
Wiebe, Erica Elizabeth(カナダ) | ||||
2013年 | NYACホリデー国際大会 | ○ | 5-4 | Wiebe, Erica Elizabeth |
Mae, Epp(エストニア) | ||||
2019年 | 世界選手権 | ○ | 7-0 | Mae, Epp |
2017年 | 世界選手権 | ○ | 6-0 | Mae, Epp |
2011年 | ゴールデンGP決勝大会 | ○ | 2-0(6-1,1-0) | Mae, Epp |
Zhou, Qian(周倩=中国) | ||||
2019年 | ワールドカップ | ● | 0-7 | Zhou, Qian(周倩) |
2019年 | 世界選手権 | ○ | 3-1 | Zhou, Qian(周倩) |
2018年 | アジア大会 | ● | 0-8 | Zhou, Qian(周倩) |
2018年 | ワールドカップ | ● | 1-7 | Zhou, Qian(周倩) |
2018年 | アジア選手権 | ● | 2-7 | Zhou, Qian(周倩) |
2014年 | 世界選手権 | ● | Tフォール、3:59=0-11 | Zhou, Qian(周倩) |
Syzdykova, Elmira(カザフスタン) | ||||
2019年 | ヤリギン国際大会 | ○ | 4-1 | Syzdykova, Elmira |
2013年 | ゴールデンGP決勝大会 | ○ | Tフォール、8-0 | Syzdykova, Elmira |
2013年 | アジア選手権 | ○ | 2-0(1-0,1-0) | Syzdykova, Elmira |
2013年 | ヤリギン国際大会 | ○ | 2-0(1-0,1-0) | Syzdykova, Elmira |
Adar, Yasemin(トルコ) | ||||
2018年 | 世界選手権 | ● | 0-7 | Adar, Yasemin |
2017年 | 世界選手権 | ● | 1-6 | Adar, Yasemin |