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2021.07.10

【2021年東京オリンピックにかける(2)】「姉妹で金メダル」の気持ちは変わらない!…女子57㎏級・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)

 

(文=布施鋼治)

Zoomでインタビューを受ける女子57kg級代表の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)

 川井梨紗子にとって、2回目のオリンピックが近づいてきた。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックに続き、東京オリンピックにも出場する女子の日本代表は、川井と土性沙羅(女子68㎏級)のみ。吉田沙保里が引退し、伊調馨が川井との代表争いに敗れたことで、新旧交代は一気に進んだ格好だ。

 5年前のリオデジャネイロを迎えるときと比べると、川井は自分の立場の変化を痛感せざるをえない。

 「リオのときは、本当にプレッシャーがなかったと思います。あのときはあのときで、緊張もあったと感じていたけど、いまにして思えば伸び伸びとやっていたと思います」

 前回は女子チームの中で最年少。まだ大学生だった。川井は「何も知らないがゆえの勢いがあった」と振り返る。「代表メンバーの中には(吉田)沙保里さんも(伊調)馨さんもいた。自分は一緒に行って頑張れば何とかなるみたいな感じだった」

リオから5年、チームを引っ張る立場へ

 リオデジャネイロでは63㎏級に出場した。本来ならば58㎏級で出場したかったが、そこには絶対王者として伊調馨が君臨していた。川井にとって63㎏級での出場は、正直なところ不本意な部分もあったが、オリンピックに出場することを最優先するならば、仕方のないことだった。

両親(観客席最前列)の見守る中、オリンピック・チャンピオンに輝く!

 「リオでは海外の選手からマークされているわけでもなかった。仮に途中で負けたとしても、『あっ、初出場だったんだ』という見られ方をしていたと思う」

 それから5年、川井は女子のキャプテンとしてチームを引っ張る存在になった。本人は「整列するときに声をかけるだけ」と謙遜するが、第三者から見ると、卓越したリーダーシップを発揮するキャプテンに映る。

 「周りの雰囲気がなるべく悪くならないように。何かを聞かれたら返事はするようにしています。代表合宿には(練習パートナーなどで)代表ではない大学生や高校生も来ている。彼女たちに勢いや声では負けないように努めたい」

偉大な先輩には追いつけないが、伝統を次の世代へつなげたい

 背中で何かを語るタイプなのか、と水を向けると、川井は「本当は自分のことで、いっぱい、いっぱい」と吐露した。「ただ、私は沙保里さんや馨さん(の背中)を見ながらレスリングをやってきた。私の振る舞いを見ている子もいると思う。自分の先輩たちが偉大すぎて、同じことができているとは到底思えない。ただ、精いっぱいやっていれば、次の世代にもつながるのかなと信じています」

東京でも見られるか、姉妹そろっての金メダル=2020年アジア選手権

 今回は、女子62㎏級の友香子と姉妹そろっての出場となる。オリンピックでの姉妹同時出場は2004年アテネ・2008年北京両オリンピックに連続出場した千春と馨と伊調姉妹以来、通算3度目。今回は圭祐と拓斗の乙黒兄弟も出場する。二組の兄弟・姉妹が代表に選ばれたケースは史上初の快挙だ。

 友香子とは毎日のように顔を合わせ、一緒に汗を流す。姉妹とはいえ、どちらかの調子がよく、もう一方はそうでない日もある。仮に友香子の調子がいまひとつだったら、姉は諭す。「今日は調子が悪くても、明日も続くわけではない」

 姉妹そろっての東京オリンピック出場が決まった時点で、川井は「姉妹で金メダル」と宣言した。その想いはいまも変わらない。いや、変わらないどころか強くなる一方だ。







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