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2021.07.29

2021年東京オリンピック/女子50kg級展望(8月6・7日実施)

 

《エントリー選手》

《第1シード》マリア・スタドニク(アゼルバイジャン=元ウクライナ)、《第2シード》アリナ・エミリア・ブク(ルーマニア)、《第3シード》オクサナ・リバチ(ウクライナ)、《第4シード》バレンティナ・イスラモワ・ブリク(カザフスタン=元ロシア)


2年9ヶ月ぶりの再戦となるか、マリア・スタドニク(アゼルバイジャン)と須﨑優衣=2018年世界選手権

 2019年世界チャンピオンのマリア・スタドニク(アゼルバイジャン=元ウクライナ)は、2012年ロンドン大会決勝は小原日登美に、2016年リオデジャネイロ大会決勝は登坂絵莉に、それぞれ逆転負けして金メダルを逃している。3度目の正直での金メダル獲得なるか。

 2014年世界選手権でポーランド選手に敗れた後、日本選手以外には負けておらず、打倒日本が悲願のかぎとなる。コロナ禍のあとは、今年4月の欧州選手権と6月の「ポーランド女子オープン」で優勝と好調。

 アジア予選1位で出場する須﨑優衣は、外国選手相手には無敗で、スタドニクには2戦2勝。初対戦(2018年2月)は2-2の接戦の末の勝利だったが、同年世界選手権ではテクニカルフォール勝ちしており、かなりの自信を持って臨めそう。ノーシードなので、決勝以前に対戦ということもありうる。

2019年ワールドカップで須﨑と接戦を展開したスン・ヤナン(中国)。東京での対戦はあるか?

 2019年11月のワールドカップ(千葉・成田市)で、須﨑と接戦を展開したのが、2019年世界選手権5位のスン・ヤナン(孫亜楠=中国)。2016年アジア選手権で登坂絵莉を、2019年世界選手権で入江ゆきを、それぞれ破るなど、時に日本選手を破る強さを持っている。ノーシードの選手だが、スタドニクを除くシード選手より強敵と言えるかもしれない。

 ノーシードの強豪と言えば、53kg級で2018年世界選手権2位の実績を持つサラ・ヒルデブラント(米国)を忘れてはなるまい。50kg級への階級ダウンをしっかりこなしてオリンピック代表枠を取り、米国代表も手中にした。コロナ禍明け後は今年1月の「アンナ・デグラナ国際大会」(フランス)と5月のパンアメリカン選手権で優勝。

 オリンピック女王(ヘレン・マルーリス=57kg級)と2人の世界女王(タミラ・メンサストック=68kg級、アデライン・グレイ=76kg級)を擁するチームの中で、勢いを持つ可能性は十分。

 第2シードのアリナ・エミリア・ブク(ルーマニア=2019年世界選手権2位、第3シードのオクサナ・リバチ(ウクライナ=2020年欧州選手権2位)、第4シードのバレンティナ・イスラモワ・ブリク(カザフスタン=元ロシア、2019年世界選手権3位)、階級を下げて代表を勝ち取ったスタルビラ・オルシュシュ(ロシア)が、優勝争いに加わることができるか。


須﨑優衣と主な強豪選手の対戦成績

Stadnik, Mariya(アゼルバイジャン)
2018年 世界選手権 Tフォール、4:50=10-0 Stadnik, Mariya
2018年 クリッパン女子国際大会 2L-2 Stadnik, Mariya
Sun, Yanan(孫亜楠=中国)
2019年 ワールドカップ 3-2 Sun, Yanan(孫亜楠)
2017年 ワールドカップ 4-2 Sun, Yanan(孫亜楠)
2017年 アジア選手権 9-4 Sun, Yanan(孫亜楠)
Livach, Oksana(ウクライナ)
2018年 世界選手権 Tフォール、1:31=10-0 Livach, Oksana
Vuc, Alina Emilia(ルーマニア)
2018年 世界選手権 フォール、1:29=6-0 Vuc, Alina Emilia
2017年 世界選手権 Tフォール、3:42=14-4 Vuc, Alina Emilia






2023年世界選手権/激戦の跡
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