《第1シード》ガジムラド・ラシドフ(ロシア)、《第2シード》バジラン・プニア(インド)、《第3シード》ダウレット・ニヤズベコフ(カザフスタン)、《第4シード》イスマイル・ムスカエフ(ハンガリー=元ロシア)
2018年世界選手権優勝の乙黒拓斗、2019年世界選手権優勝のガジムラド・ラシドフ(ロシア)に、61kg級で3度世界一になっているハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)がどうからむか。
2018年に日本男子史上最年少で世界王者になった乙黒は、2019年世界選手権は5位に終わったものの、その後は2度のアジア選手権で勝つなど立て直した。この間、欧州勢との闘いがないが、2019年世界選手権で見つかった課題を克服すれば乗り越えられるだろう。
ラシドフは昨年12月の個人戦ワールドカップのアリエフとの試合中に右ひざを負傷。一時は重傷も伝えられた。3月のロシア選手権には無事に復帰して優勝し、同国の代表を手に入れた。負傷は完治しているのか。
アリエフは、2019年世界選手権では乙黒に敗れるなどして上位を逃したが、欧州予選を勝ち上がって東京のマットに立つ。2019年には65kg級で欧州選手権と欧州大会を制覇しており、階級アップはしっかりとこなしている。6月の「ジオルコウスキ国際大会」(ポーランド)では、最後の実戦練習として70kg級に出場。2017年65kg級世界王者のジョージア選手(今大会には不出場)を破るなど実力を見せている。
61kg級で3度世界王者になっているハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)。階級が違うとはいえ、世界V3の実力はあなどれまい=2019年世界選手権
欧州予選決勝でアリエフを9-0で破ったのがバズゲン・テバニャン(アルメニア)。2019年にU23欧州選手権で優勝し、2020年個人戦ワールドカップも制した21歳の成長株。優勝戦線にからむ可能性も十分と言えよう。
2018年アジア大会王者のバジラン・プニア(インド)は、インド初のオリンピック王者の期待がかかっている。2018年世界選手権は決勝を乙黒と争い、2019年世界選手権は3位と、2年連続の世界選手権メダリスト。東京でもメダル争いにからむか。
2019年世界選手権2位のダウレット・ニヤズベコフ(カザフスタン)、同3位のイスマイル・ムスカエフ(ハンガリー=元ロシア)、2018年世界選手権3位のアレヤンドロ・バルデス・トビエル(キューバ)、2020年個人戦ワールドカップ70kg級優勝のマゴメドムラド・ガジエフ(ポーランド=元ロシア)らが、優勝予想を覆す結果を生み出すか。
Rashidov, Gadzhimurad(ロシア) | |||||
2019年 | 世界選手権 | ● | 1-8 | ○ | Rashidov, Gadzhimurad |
Niyazbekov, Daulet(カザフスタン) | |||||
2020年 | アジア選手権 | ○ | 10-3 | ● | Niyazbekov, Daulet |
Punia, Bajrang(インド) | |||||
2021年 | アジア選手権 | ○ | 不戦勝 | ● | Punia, Bajrang |
2020年 | アジア選手権 | ○ | 10-2 | ● | Punia, Bajrang |
2018年 | 世界選手権 | ○ | 16-9 | ● | Punia, Bajrang |
Muszukajev, Iszmail(ハンガリー=元ロシア) | |||||
2019年 | 世界選手権 | ● | 3-5 | ○ | Muszukajev, Iszmail |
Aliev, Haji(アゼルバイジャン) | |||||
2019年 | 世界選手権 | ○ | 11-9 | ● | Aliev, Haji |
Tevanyan, Vazgen(アルメニア) | |||||
2019年 | 世界選手権 | ○ | 6-0 | ● | Tevanyan, Vazgen |
Ghiasi Cheka, Morteza Hassanali(イラン) | |||||
2021年 | アジア選手権 | ○ | 8-2 | ● | Ghiasi Cheka, Morteza Hassanali |