2021.08.05

【出場選手の声】川井梨紗子、高橋侑希、高谷惣亮…2021年東京オリンピック・第4日

（2021年8月4日、千葉・幕張メッセ）

　■女子57kg級・川井梨紗子（サントリーグループ・ジャパンビバレッジ＝オリンピック2連覇を目指す同士の対戦となった準決勝に勝利）「1、２回戦に比べて接戦で、テクニカルポイントはなかったのですが、きょうの3試合の中で、自分の気持ちの中では一番の試合だったと思います。

　リオデジャネイロで（吉田）沙保里さんが（相手のヘレン・マル―リスは）『組んだ瞬間、強いと思った』と話していて、そのつもりで臨みました。でも、組んだ瞬間、いつもの練習相手の方が圧力が強いと思い、6分間、押し続けるつもりで闘いました。組み手は絶対に負けない自信があったので、真っ向勝負しようと思いました。

　女子でオリンピック連覇を達成しているのが、沙保里さんと（伊調）馨さんだけで、私がそれに挑む立場になりましたけど、沙保里さんからは『意識しすぎないように。結果は後からついてくるから』というアドバイスをもらいました。

（観客席にいた友香子の姿は）すぐに分かって、ハーフタイムのときは目線に見えるところに来てくれました。無観客だからとか、オリンピックだからとかで、いつもと違う大会かな、と思ったけど、友香子の姿を見て、いつもと一緒だ、と思えました」

　■男子フリースタイル57kg級・高橋侑希（山梨学院大職＝2020年2月に勝ったカザフスタン選手権に惜敗）「悔しい、という気持ちしかないです、リオの落選の悔しさから、一歩一歩苦しみながら、もがきながら、駆け上がった結果がオリンピックでした、小さい頃からの目標だった金メダルに挑みましたが、夢がついえてしまって悔しい気持ちでいっぱいです。

　試合の後半、リードされ、シングレットを何度も引っ張られ、そこで冷静になれば結果は違ったのかな、と思います、それまでに点を取っていればとも思いますが、たら、れば、でしかない。この結果が僕の実力です。こうしておけば、という気持ちはありますが、どうしようもない。

　僕はオリンピックに出場できましたけど、僕に敗れた選手はこの舞台に立てないわけで、その選手のためにも頑張ろう、という気持ちもありました。敗れた選手に対して申し訳ない。日本軽量級は世界のトップを証明できずに悔しいです。

　この舞台に立ったことが、うれしくもあるし、またひとつ試練を与えてくれたのかな、と思います。オリンピックまでの１日１日の道のりが、人生のかけがえのない一部として残ってくれたのが。本当にうれしく思います。

　会場のボランティアの人たちは、あたたかく日本選手団を迎え入れてくれ、試合に臨むときは『がんばってください』という声援と拍手をいただきました。これが自国開催のすばらしいところだと、かみしめながら試合に臨めたことが本当にありがたく思います。ありがとうございました、と伝えたい」

　■男子フリースタイル86kg級・高谷惣亮（ALSOK＝3度目のオリンピックも、上位進出ならず）「これまでの2大会とは大きく違ったオリンピックになりました。開催までに多くの賛否両論があって、でも、こうして開催していただいたことに感謝したい。大会ボランティアの方や、コロナに対しての医療従事者の方々の努力に本当に感謝したい。2日前に右あばらをけがしましたが、影響はなかったです。タックルもあそこまでできました。攻めていたと思うので、2－2で、何で負けるの、と思う人もいるでしょうが、それがルールです。

　１試合で終わりましたが、正直言って寂しくはないです。ついてくれたコーチや、支えてくれた人や家族がいましたので…。一番感動したことは、会場に来たとき、ボランティアの人たち、ボクのことを知らない人であっても『頑張ってください』と声をかけてくれたことです。ジーンときましたね（涙声）。コロナで大変な中であっても（ボランティアで）集まってくれ、開催に協力してくれたわけです。協力し、支援してくれた人への感謝の気持ちでいっぱいです。