東京オリンピックが終わり、各階級のシード選手の成績を調べてみると、第1シードで優勝した選手は「5人」。2016年リオデジャネイロ大会は、第1シードの優勝選手が「7人」、ランキング1位の優勝選手が「7人」だったので(注=同大会は、前年の世界選手権1,2位選手が第1,2シードで、それとは別にランキングが制定されていた)、本命の優勝確率は下がったことになる。
1年の延期によって、ピークだった選手が力を落とすなど、日程変更が何らかの影響を及ぼしたことが予想されるが、勝負は過去の成績では決まらないということだろう。
ちなみに、シード選手72人のうち、メダルを取った選手は半分に満たない「35人」。第1~4シードの4人がメダルを取ったのは男子グレコローマン97kg級の1階級のみ。ノーシードの選手が優勝したのは7階級あった。さすがに、シード選手が1人もメダルに手が届かない階級はなかった。
世界レスリング連盟(UWW)のランキング・システムは、世界選手権、大陸選手権、指定した4大会の国際大会に対して、各順位にポイントが定められ、その合計によって決まる。今大会は、ランキングの順位でシードが決まった。
国際大会は欧州の大会に偏っていたので、2024年パリ大会に向けては、欧州2大会、アジア1大会、パンアメリカン1大会で実施されることになっている。
各階級のシード選手の成績は下記の通り。
シード順 | 50kg級 | 53kg級 | 57kg級 | 62kg級 | 68kg級 | 76kg級 |
第1シード | 3位 | 9位 | 優勝 | 2位 | 優勝 | 2位 |
第2シード | 14位 | 優勝 | 13位 | 3位 | 2位 | 優勝 |
第3シード | 5位 | 8位 | 2位 | 優勝 | 13位 | 5位 |
第4シード | 11位 | 2位 | 10位 | 12位 | 9位 | 13位 |
シード順 | 57kg級 | 65kg級 | 74kg級 | 86kg級 | 97kg級 | 125kg級 |
第1シード | 14位 | 3位 | 5位 | 2位 | 優勝 | 2位 |
第2シード | 優勝 | 3位 | 5位 | 5位 | 2位 | 12位 |
第3シード | 11位 | 5位 | 優勝 | 3位 | 7位 | 3位 |
第4シード | 2位 | 5位 | 15位 | 3位 | 9位 | 15位 |
シード順 | 60kg級 | 67kg級 | 77kg級 | 87kg級 | 97kg級 | 130kg級 |
第1シード | 2位 | 11位 | 優勝 | 2位 | 優勝 | 3位 |
第2シード | 3位 | 3位 | 11位 | 優勝 | 2位 | 9位 |
第3シード | 12位 | 5位 | 5位 | 8位 | 3位 | 7位 |
第4シード | 10位 | 13位 | 5位 | 9位 | 3位 | 9位 |