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2021.09.23

【特集】世界選手権の金メダル獲得で有終の美!?…男子グレコローマン67kg級・下山田培(警視庁)

 

(文=布施鋼治)

下山田培(警視庁

 今年4月のアジア選手権決勝で勝ち、初優勝を決めた男子グレコローマン67㎏級の下山田培(警視庁)が世界選手権(10月2~10日、ノルウェー)に出場する。

 目標は、もちろん優勝だ。「世界ランキング1位になって、UWWから表彰されたい」

 男子グレコローマンの松本慎吾・強化委員長(日体大監督)は「グレコローマン10階級の中で、メダルを獲得する可能性が高い選手のひとり」と期待を寄せる。アジア選手権決勝では、3年前の同選手権決勝で辛酸を舐めさせられたアルマト・ケビスパエフ(カザフスタン)を相手に一時は0-7という絶体絶命の大ピンチに陥りながら、そこから大逆転という離れ業をやってのけた。

 「型にはまれば、高い得点能力が発揮される試合展開を作ることができる」(松本監督)

 当の下山田は「自分にはグラウンドの俵返しという大きな切り札がある」と振り返る。「しっかり取れたら逆転できる、と思っていた。今回も、リードされる状況になっても、落ち着いて自分の形に持っていければ、逆転の目は十分にあると思います」

東京オリンピックを見て選手生活を終わるつもりだったが…

 当初は「東京オリンピックを見て現役生活は終わりにしよう」という青写真を描いていた。アジア選手権で優勝し、世界最終予選で自分の出番が回ってくると期待していたが、かなわぬ夢と終わってしまったからだ。

世界選手権へ向け、母校・日体大で練習する下山田=筆者撮影

 待ったをかけたのは松本委員長。「世界選手権までやってみたらどうだ?」

 その言葉に下山田の心は動いた。「アジア選手権で結果を残すことができた。世界選手権でしっかりと勝って終わりたい」。すべて仮定の話であるが、現時点ではそのつもりで調整に励んでいる。

 「東京オリンピックでの文田(健一郎=60kg級)のように、いろいろマークされると思う。それでも、しっかり勝ち切れるようにしたい」

 東京オリンピックのグレコローマンには、文田と屋比久翔平(77kg級)の日体大の後輩と同期の2人が出場した。テレビで観戦しながら、下山田は「これがオリンピックなのか」と心を震わせた。「絶対勝てるだろうと思っていた選手が途中で負けてしまったり、逆に全然マークされていなかった選手が勝ち上がったり…。翔平の試合を見ていても、最後まで何が起こるか分からなかった」

2018年大会出場の経験をいかして闘う

 「たら、れば」の話になってしまうが、「もし自分が出ていたら」という仮説も立てた。「もしかしたらメダルを取っていたかもしれない。逆に、2018年のアジア大会のように、イチコケ(初戦敗退=11位)だったかもしれない」

2018年世界選手権に出場、2試合を勝ち抜いた下山田

 世界選手権には2018年に一度出場していることが(9位)、大きな強みととらえている。「一回経験しているから分かるけど、気持ちが結構高まる大会でした。空気感は分かっているので、(これから試合が近づくにつれ)気持ちは勝手に高まっていくんじゃないかと思っています」

 9月初めに日体大で行われた合宿では、連日、松本監督の胸を借りた。下山田は「もう27歳になるのに、泣きながら練習している」と打ち明けた。

 「苦しい。本当に苦しい。ここまでの苦しみは、たぶん生きているうちに絶対ないと断言できます。松本監督とのスパーリングを考えたら、何でも余裕で対処できる」 

 苦しい練習の先には、栄光が待っていると信じたい。







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