2021年世界選手権(10月2~10日、ノルウェー・オスロ)に出場する女子代表チームが9月30日、羽田空港発の日本航空で出発した。ヘルシンキ経由で現地へ向かう。
24日からの合宿を見てきた笹山秀雄・女子強化委員長(自衛隊)は「けがもなく、全員がいい調子。思い切ってやってほしい。結果が出るにこしたことはないが、そうでなくとも次につながる闘いをしてほしい」と望む。
カデットやジュニアで世界チャンピオンになっている選手も多いせいか、特別な緊張感は感じられないようだが、「実際に会場に行き、マットに立ったら、また違った感覚になるはず。慌てることなく、平常心で闘えるよう全力でサポートしたい」と話した。
オスロは1987年に行われた第1回世界女子選手権の開催地。吉村祥子コーチ(エステティックTBC)は、そのときに選手として出場している。34年ぶりとなる思い出の地での世界選手権に「コーチになってから行くことができるとは幸せです」と感慨深そう。
その大会では銅メダルの成績。女子に取り組んで2年半の日本は優勝がなく、北欧やフランスを中心とした先進国の層の厚さを知った大会。そこからはい上がって世界最強国をつくりあげた。「選手達に女子レスリングの歴史も伝えたいと思います。関心を持ってもらえるかどうか、分かりませんが…」と言う。
今回のメンバーは、多くが東京オリンピックの前に練習相手として代表選手をサポートし、切磋琢磨した選手。「今度は自分の番だ!」という意識を感じると言う。「実力を惜しみなく出し尽くしてほしい。対戦相手の戦績などに惑わされず、思う存分、闘い抜いてほしい」とリクエスト。合宿でのスパーリングでは、どの選手も足がよく動いて積極果敢に攻める姿勢が前面に出ており、「挑戦する心が強い」と感じたそうだ。
外国選手の腕取りなどパワーでくる技や返し技に慌てずに対応できれば、「全員メダルが手に届く位置にいる」ときっぱり。東京オリンピックのメダリストなど強豪と闘うときは、「勇気を持って、臆することなく闘い抜いてほしい。この舞台で自分も闘えるんだ、という気持ちで挑んでほしい」と話す。「金メダルがほしいですね!」とつけ加えることも忘れなかった。
女子は10月4日(月)~7日(木)に行われる。