ロシアのメディアは10月20日、ロシア・レスリング協会が、東京オリンピックでメダルを1個も取れなかった女子で、シメオン・ステレフ監督(ブルガリア)との契約を更新しないことを報じた。「不満足なパフォーマンスを考慮して」との記述があることから、成績不振による更迭の可能性が高い。
後任は、グレコローマンの選手だったマゴメドラスル・バタロフ氏の名が挙がっている。同氏はロシアでレスリングの強豪を多く輩出しているダゲスタン共和国で女子の指導をやっており、選手として国際的な実績はないが、ソ連内の大会での入賞はあるという。兄のアブドゥル・バシール・バタロフ氏は1985年にグレコローマン82kg級で世界2位の選手。
ステレフ氏は、母国ブルガリアで女子最重量級で世界V4のスタンカ・ズラテバらを育て、2017年9月から中国、2019年3月からロシアを指導。2019年世界選手権(カザフスタン)では、ともに非オリンピック階級だが2階級で優勝させ、国別対抗得点では日本に続く2位の好成績をマーク。東京オリンピックでは2016年リオデジャネイロ大会の5階級を上回る全6階級で出場枠を取らせた。
しかし、本番では5位が最高で、リオデジャネイロ大会の「銀2・銅1」に及ばず、3スタイルで唯一メダルなしに終わった。ノルウェーでの世界選手権でも「銀1・銅1」で、国別対抗得点は7位に後退した。