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2021.11.09

「グレコローマンを取り入れ、日本レスリングを支えていくべきでしょう」…勇退した全国少年少女連盟・今泉雄策会長

 

 2009年3月から全国少年少女連盟を率いた今泉雄策会長が、2021年全国少年少女選手権を最後に勇退した。新型コロナウィルス感染拡大のため開催も危ぶまれたが、2年ぶりに開催された全国大会に参加した今泉氏に、大会および少年少女レスリングの今後などを総括してもらった。(聞き手・撮影=保高幸子)


キッズ・レスリングの立ち上げと発展に貢献した今泉雄策氏

 ――開催も危ぶまれた大会。終わってみて

 「無事に終わることが一番の目標でした。この大会を実現するために、スタッフには新型コロナウィルス対策に大変な思いをしてやってもらった。無事に終わってよかった、というのが正直な気持ち。努力に感謝したい。試合は、女子のレベルアップが顕著だと感じた。女子選手は平均して粘りを持っている。すでに(シニアの)チャンピオンに近づいているような選手もいた」

 ――40年の全国少年少女連盟での活動を振り返って

 「キッズ・レスリングが日本のレスリングを支えるようになったと思う。東京オリンピックの金メダリストは、全員がキッズ・レスリングの経験者です。多くの人に支えられました、に尽きます。クラブも300を超えるまでになりました。プロレスラーやプロ格闘家もクラブを運営して、商業ベースでできるクラブもできるなど発展してきました。その中で、連盟を支えてきた平野信昭さん木口宣昭さんが相次いで亡くなられ、残念です」。

 ――会長職を引き継いだあとの連盟に望むこと

 「中学ではレスリング部のある学校が少なく、環境が整っていないので、今以上に中学との連携を強めてほしい。中学選手に出場機会をつくってほしいので、中学1年生も全国少年少女連盟主催の大会に含めてもいいのではないかと思っている。世界では『13歳以下』などといった年齢別が普通。秋入学の欧米と日本とは違ってくるので、小学生、中学生といった学校区分ではなく、年齢区分の連盟ができても、いいのではないか。日本協会の富山英明・新政権の課題でしょう。

 ルールでは、シニアにある場外逃避がないことに対し、キッズもこのルールの採用していくことも期待したい。「場外逃避は1失点」は、今後も世界で変わらない共通ルールだと思う。逃げることのない試合を臨みたい。

今泉氏、菅芳松氏(連盟・副会長)、福田富昭氏(連盟・最高顧問=富山英明会長が代理で受領)の功労者に記念の刺繡画が贈られた

 あと、YouTubeを見ると、世界のキッズ選手はグレコローマンをやっている。グレコローマンからレスリングに入る国も多いし、以前参加してもらったロシア・サハリンのチームはグレコローマンしかやっていなかった。オランダでは少年の全国大会が30年くらい続いているが、全部グレコローマンだ。

 以前、WRESTLE-WIN(東京)の永田克彦代表(2000年シドニー・オリンピック・グレコローマン69kg級銀)から『少年でグレコローマンを』という話があった。個人レベルでやるのは制限しなかったが、連盟ではやっていないので却下した。今は、少年のうちからグレコローマンをやった方がいいように思っている。確かに、首からマットに落ちる不安もあり、簡単に取り入れようという気持ちにはなれないと思う。YouTubeを見る限り、世界の少年グレコローマンはすごいレベルに達している。

 国内でやることの最大のネックは指導者の問題だ。少年にグレコローマンをしっかり教えられる指導者が少ない。それでは、すぐに全国大会で実施することはできない。まず、永田代表が中心になって少年グレコローマンのエキシビションを全国大会で見せるなどし、徐々に広めていく方法もある。グレコローマンを取り入れることで、日本レスリングを支えていくべきでしょう」

▼YouTubeに掲載されている世界の少年のグレコローマン

 







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