11月27~28日に行われた2021年西日本学生秋季リーグ戦は、チャレンジ(ビデオチェック要求)におけるビデオチェックを、双方向から撮影した動画の再生で実施。判定の正確さを目指した。
チャレンジは、世界レスリング連盟(UWW)のルールにより、2009年から実施されている制度。当初は各マットに設置されている1台のビデオによって技術展開を検証し、最終判定を下していた。しかし、一方向からだけだと重要な部分が死角になってしまうケースもあったのも事実。
ルール上、ビデオカメラの設置台数の規定はないものの、現在、世界選手権などの主要大会は複数台のビデオで、大会によっては真上からを含めて、いろんな角度から試合展開を検証。より正確な判定を目指している。その場合、経費もかかるわけで、日本では全日本選手権を含めて複数ビデオによるチェックは実施されていなかった。
今回使われたのは、ポータブルのタブレット。ジャッジ席の隣(従来の撮影と反対側)で撮影し、チャレンジが出されると協議の場へ持っていくという形で実施。
通常、セコンド席がジャッジ側にあるのに対し(注=チェアマン側の場合もある)、ビデオはチェアマン席側から撮っており、セコンドの見たシーンとビデオに映っているシーンが“真逆から”ということが多い。当然、最終判定への不満がくすぶることもあった。その問題が少なからず解消した。
いったんタブレットを購入すれば、以後の経費はかからないわけで、機器の軽量化や技術革新があればこその改革。長らく国際特級審判員を務めた福田耕治・全日本学生連盟会長は「違う角度からもチェックすることで、ポイントが正確になるのはいいこと」と話し、“画期的なチャレンジ(挑戦)”と、西日本学生連盟の活動を評価した。