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2021.12.22

【2021全日本選手権・特集】世界選手権出場を逃して半年、パリへ向けて再スタート…女子76㎏級・鏡優翔(東洋大)

 

(文=渋谷淳/撮影=矢吹建夫)

世界選手権は逃したが、鏡優翔(東洋大)は2年連続で全日本選手権を制した

 2021年全日本選手権の女子76㎏級は鏡優翔(東洋大)が優勝。昨年に続いて女子最重量級の頂点に立った。世界選手権出場を逃す失意から半年あまり。2024年パリ・オリンピック出場に向けて決意を新たにした。

 決勝の相手は、世界選手権代表の座を争ったライバルの松雪泰葉(至学館大)ではなく、松雪を下して勝ち上がってきた山本和佳(至学館大)。実績では、この階級2年連続、他階級と合わせて3度目の優勝を目指す鏡が上回るが、初優勝を狙う山本は簡単に勝たせてはくれなかった。

 「自分から攻めることを意識した」という鏡は、アグレッシブに仕掛けるもののポイントを奪えない。逆に、攻めたところを山本にうまくかわされ、2ポイントを先制されて第1ピリオドを折り返した。しかし、ここから「(攻めてポイントを取られたのだから)自信をなくすことなく、自分のレスリングを貫いた」。

 第2ピリオドで追いつき、ラストポイントでの勝利に「あきらめずにやった結果」と納得の表情を見せた。

刺激を受ける一方、悔しさを感じた東京オリンピック

 昨年のこの大会で優勝。今年5月の全日本選抜選手権に勝てば初の世界選手権出場が決まるはずだった。ところが、大会直前に右足首のじん帯を損傷。痛み止めを打って出場したものの、決勝で松雪に黒星。続けて行われた世界選手権代表決定プレーオフでも再びライバルの軍門に降り、目標としていた大舞台を逃すことになってしまった。

 「5月に本当に悔しい思いをした。苦しくて、悔しくて。それでも練習をしなければ1位を取ることができないので、その思いを力に変えて、ずっと練習してきました」。

優勝を決め、小さくガッツポーズ!

 悔しさに打ちひしがれながら、まずは右足首を治すことに集中した。リハビリを経て実戦練習ができるようになったのは8月を迎えるころ。折しも東京オリンピックが開催されており、鏡は「日本人選手の活躍を見てすごく力になった部分がある一方、自分がその場にいなかった悔しさをかみしめながら見ていました」と複雑な心境だったという。

 この日はJOCエリートアカデミーの2年先輩、東京オリンピック女子50㎏級で金メダルを獲得した須﨑優衣(早大)が応援に駆けつけた。「優衣さんの声は届いていたので、試合中もちょくちょく顔を見て、うなずきながら、その声を力に変えて頑張ることができました」。オリンピック金メダリストの声援を受けて、負けるわけにはいかなかった。

 その須﨑からは、オリンピックのあと金メダルを見せてもらっていた。「触らせていただいて、本当に重いし、輝いていた。私もほしい、という気持ちになりました」と大いに刺激を受けた。

 同時に気持ちを高めながら、「フィジカルも、スピードも、体力も、タックルもまだまだ」と厳しく自分を分析。最重量級で世界の強豪と闘う厳しさは、常日頃から認識している。それでも、鏡の志が揺らぐことはない。

 「パリ・オリンピックには必ず私が出場して、最重量級初の金メダルを獲得できるように今から練習を積んでいきたいと思います」。

 世界選手権に出場できず、屈辱を味わった鏡が、パリに向けて力強くアクセルを踏み込もうとしている。







2023年世界選手権/激戦の跡
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