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2022.02.17

2024年パリ・オリンピックまでの道…赤石光生・強化本部長に聞く(下)

 

《中から続く》


―― 2024年パリ大会までの長期計画をお聞きしたい。普通なら4年というスパンでの計画になりますが、今回は3年間。今からなら、2年半後がオリンピックです。その期間の短さは?

赤石 余裕がない、という感じです。今年の世界選手権が終わると、もう予選会(2023年世界選手権)へ向けての強化、選考が始まります。ただ、去年12月の全日本選手権を見た限り、若手の成長がすごい。東京オリンピックの代表選手であっても勝ち抜くのは厳しい、と思える階級もあります。東京オリンピックは1年延期されましたが、その間に若手はきちんと伸びているので、楽しみではあります。

東京オリンピックまで西口茂樹本部長(右端)を補佐した赤石副本部長(右から2人目=いずれも当時)。パリへ向けては陣頭指揮をとる

―― オリンピック階級ではありませんが、男子グレコローマン55kg級でアジアと世界のチャンピオンが生まれ、確実に底上げができているとは思います。その一方で、グレコローマンは2大会連続で2階級のオリンピック出場でした。ひと頃、外国人コーチの招聘も考えられていましたが…。

赤石 一昨年あたりに、そういう話が出て、多くのオリンピック選手を育てているセルビアのコーチに条件などを聞いたことがあります。要求してきた金額を聞いて、すぐに無理となりました。呼ぶ以上、外国人ならだれでもいい、というわけにはいきません。

―― 日本選手の特徴や日本の強化システムなどを、どれだけ理解できるかもかかわってきますね。

赤石 体型や体力が欧州選手と日本選手では違います。欧州はパワー型で、日本はスタミナ型。欧州流の指導がそのまま日本選手に通じるか、という問題もあります。外国人コーチを呼べば強くなる、というものではない。国内でしっかり鍛え、海外遠征で足りない部分を補う、ということになると思います。

―― 男子フリースタイルを含めて、重量級のオリンピック出場は重要課題ですね。

赤石 ひと頃、重量級の派遣を見送ったことがありました(2006年ドーハ・アジア大会)。刺激を与える意味もあって派遣なしにしたのだと思いますが、そのとき、重量級の選手のモチベーションが下がっていたのは事実です。確かに危機感は持たなければならず、日本で勝って満足してもらっては困りますが、重量級は派遣しない、となったら選手の士気にかかわります。重量級もしっかりチャンスを与え、強化したい。

―― 2019年冬に園田新選手(ALSOK)が欧州に3ヶ月間の長期遠征に行って鍛えましたが、協会として、そうした強化に取り組むことは?

赤石 本当にやる気を持って取り組んでいる選手なら、そうした強化もあるでしょう。形だけの強化なら意味がない。強化費を無駄にするだけです。

選手数を増やすことで強化につなげたい重量級

―― 女子も東京オリンピックの68、76kg級でメダル獲得を逃しました。世界のレベルが上がっていけば、この2階級で勝つことは、男子の重量級同様、厳しくなることも予想されます。

赤石 国内で選手数が少ないですからね。柔道のように重量級にも多くの選手がいて、一番手がけがしても、代わる選手が何人もいるという状況でなければ、世界で通じる階級にはなりません。チャンピオンになった選手を鍛え、勝てるようにして世界に派遣する努力はしますが、協会全体として選手層を厚くすることを考えていただかないとなりません。

―― 重量級の選手を発掘することが必要ですね。

赤石 柔道は、小学生や中学生から有望選手を「強化指定選手」などに指定し、柔道に引きつけ続けるようなシステムがある。そうしたやり方も一案だと思う。二番手や三番手以下の選手が一番手を突き上げてこそ、本当の強化ができるので、とにかく選手数が増えてほしい。

以前とは比べものにならない注目度のレスリング。マスコミとの共存共栄の構築も目指す

―― 最後にマスコミとの接し方についてお聞きしたい。プロ野球の中日や楽天で監督を務め、「闘将」と呼ばれた故・星野仙一監督は、「マスコミも戦力」としてマスコミを大事にし、記事の力によって選手を刺激しました。マスコミとの接し方は?

赤石 私が現役だった頃は世間からの注目が少なく、取材はいつでも歓迎でした。それによってレスリングの存在を世間にアピールする必要がありました。今は、お陰様で金メダルを取れる種目として多くのマスコミから注目を持たれています。広報とも連携し、マスコミの皆さんと協力し合って良い取材を行ってもらえるようにしていきたい。

―― 富山英明会長が強化委員長だった時代(2001~2008年)は、担当記者と選手・コーチが一緒に菅平の根子岳に登るなど、連携や結束がすばらしかった。担当記者も感情移入し、金メダル獲得を心底から喜んでくれました。東京オリンピックのときは、コロナで対面取材や懇親会ができず、そうした交流ができなかったのは残念でした。

赤石 コロナが終息してくれることを願い、より交流を深めて担当記者とも一枚岩となる関係を築きたい。

《完》







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