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2022.03.15

【特集】日体大&日大の“強力タッグ”誕生! 強豪2チームの融合で世界を目指す…長谷川敏裕・吉田ケイワン(三恵海運)-(上)

 

 2016年リオデジャネイロ・オリンピックに井上智裕(男子グレコローマン66kg級)を送り、5位入賞を後押しした三恵(さんえ)海運株式会社(兵庫・神戸市)。

 昨年、東京オリンピックの候補選手だった高橋昭五(日体大卒=男子グレコローマン66kg級)と世界選手権3位の長谷川敏裕(日体大卒=男子フリースタイル57kg級)を採用したのに続き、今月、日大を卒業する学生二冠王者の吉田ケイワンが入社。日体大と日大の強さがミックスされることになり、強力なパワーを持って2024年パリ・オリンピックを目指すことになった。

三恵海運の支援のもと、パリ・オリンピックを目指す長谷川敏裕(右)と吉田ケイワン

 吉田は練習拠点を日体大に移し、オリンピックを目指す同大学の強豪選手と練習に打ち込む。時に長谷川ほかの選手を連れて母校・日大へ向かうことも予想され、2つの強豪チームの融合で、さらなる飛躍が期待されよう。

 日体大の松本慎吾監督は、学生レスリング界では強烈なライバルでもある日大の選手を受け入れることについて、「日体大の練習環境を望む選手なら、大学は関係ありません」ときっぱり。吉田は重量級期待の選手。同大学にはパキスタン代表としてオリンピックを目指すアビッド・ハルーンが残るので、連日の練習ができるのはお互いにとって好環境。「責任をもって強くします」と言う。

 これまでにも青山学院大を卒業した長谷川恒平(男子グレコローマン55kg級=現青山学院大職)を受け入れ、ロンドン・オリンピックの代表に育てた。その過程では、日体大の選手を破ってもいる。現在は、同じ青山学院大から藤井達哉(同82kg級=現後藤回漕店)が練習に参加し、パリ・オリンピックを目指している。「競技人口が少ない中、大学の垣根なしに協力して日本全体の底上げをしていかないとなりません」と話し、大学の枠にこだわる狭量な考えは持っていない。


階級ダウンした直後に全日本王者に輝く!

 長谷川敏裕は昨年の世界選手権(ノルウェー)61kg級で3位に入賞。直後に階級ダウンに挑み、57kg級で全日本チャンピオンに輝いた。キッズ時代から全国王者を経験し、全国中学選抜選手権やインターハイ、全日本学生選手権も制しているほか、2018年アジア選手権3位、同年U23世界選手権優勝(ともに57kg級)などすばらしい実績を持っている。

2018年アジア選手権(キルギス)3位決定戦で韓国選手に快勝、銅メダルを獲得した長谷川敏裕

 それでも存在感が今ひとつだったのは、樋口黎(ミキハウス)高橋侑希(山梨学院大職)らの世界での実績が強烈だったからだろう。シニアの世界3位になったことで、存在をしっかりアピールできたはず。今後は日本軽量級の中心になっていかねばならない立場となっている。

 「通常体重は61~62kgです。65kg級ではきつい。変えるなら57kg級」との判断で、昨年12月の段階で、早々とオリンピック階級の57kg級への階級ダウンを決めた。61kg級で世界王者になるなどの実績をつくってから落とす方法もあるだろうが、「57kg級でどれだけ動けるかを試してみたかった」と言う。

 外国の61kg級の選手は、ふだんは70kg近くある選手もいる。その中で3位入賞を果たせたのは、「減量が少なく思い切りできたからでしょう」と振り返る。やはり、当日計量下では、減量苦は選手のパフォーマンスを落としてしまう。それは全日本選手権でも感じたこと。優勝したとはいえ、準決勝と決勝で自分のレスリングができず、「減量の影響がありました」と振り返る。

世界トップ選手が集まる舞台の雰囲気に魅せられた!

 こうした体験からしても、世界の57kg級で通用するには、根本的な肉体改造をして減量のない状態を作り上げることが必要となってくる。学生時代はほとんど57kg級で闘っていたものの、前日計量のルールだった。当日計量での57kg級にいかに慣れるかが、今後の課題のひとつだ。

初の世界選手権出場で銅メダル獲得。トップ選手が集う舞台に「何度でも来たい」!

 初めての世界選手権で得た大きな収穫は、世界トップ選手が集まる独特の雰囲気の中で闘ったことで、モチベーションが向上したこと。「U23世界選手権とは全然違います。ジョーダン・バローズ(米国=79kg級優勝)とか有名な選手を目の当たりにすると、同じ舞台で闘えることで気持ちが盛り上がるんです。何度でも来たい」

 この実績をもって三恵海運という確固たる基盤ができたことが大きい。大学院時代、その後の日体クラブ時代は親からの支援に頼ることが多かったが、今は社会人として自立できている。「どうしても栄養費とかがかかります。そうした面にしっかりお金を使えます」。生活基盤の安定したこれからが、長谷川の本領発揮の舞台となろう。

東京オリンピック2位の選手を破った実績あり

 4月のアジア選手権(モンゴル)は肉体改造中ということもあって辞退。9月のアジア大会(中国)にかける。世界選手権(セルビア)ではなくアジア大会を選んだのは、「4年に一度の大会の雰囲気を経験してみたい」という理由から。

2018年U23世界選手権ではラビ・クマール(インド=左端)を破って優勝。クマールは東京オリンピックで銀メダルに輝いた=チーム提供

 「どちらも魅力あるんですけどね」と、両大会に出場できないのはちょっぴり寂しそうではあるが(注=日程が接近しているので、どちらかを選ぶことになっている)、軽量級のアジアのレベルは世界トップクラスであることを考えれば、パリへ向けて実力を測る機会としては大差あるまい。

 アジアの強豪と言えば、東京オリンピック57kg級で2位になったラビ・クマール(インド)は、2018年U23世界選手権決勝では6-0からフォール勝ちした相手だ。だが、「過去の話です。いま闘ったら、どうかは分かりません」と気を引き締める。

 昨年の全日本選手権で4人が日本一に輝いた東京・ゴールドキッズの出身。当時はオリンピックへの気持ちは、さほど強くなかったそうだが、東京・自由ヶ丘学園高校で奥山恵二監督(1992年バルセロナ・オリンピック代表)に「洗脳されて」(笑)、オリンピックへの思いが強く芽生えた。

 「当初は東京オリンピックが目標で、そこまでと思っていました。いい成績を残せなかったので…。負けて終わるのは嫌という気持ちから続けています」。日本軽量級のエースへの期待は大きい。

《続く》







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