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2022.04.14

【2020年ジュニアクイーンズカップ・特集】受け継がれる“猪木イズム最後の遺伝子”、日本女子重量級の星となるか…藤田眞妃琉(千葉・チームリバーサル)

 

昨年11月のリベンジを達成、レスリング生活初めての優勝を勝ち取った藤田眞妃琉(千葉・チームリバーサル)

 海外のレベルアップにより、体格やパワーで劣る日本は女子でも重量級の今後に危機感を持たねばならなくなった中、不安を吹き飛ばしてくれそうな“超大型新星”が誕生した。2022年ジュニアクイーンズカップのU15-73kg級で優勝した藤田眞妃琉(まひる=千葉・チームリバーサル)

 今月30日に14歳となるチャンピオンは「クラブの先生や練習をやってくれたチームメート、家族のおかげで、最後まであきらめずに闘うことができました。チームの皆さんに感謝です」と、真っ先に周囲への感謝の言葉を口にし、初めて経験する優勝を振り返った。

 父親はパワーファイターとしてならし、男子フリースタイル90kg級などで全日本王者に輝いた藤田和之さん(日大~新日本プロレス職=現プロレスリング・ノア)。父親譲りの骨太な体型は、すでにシニアの重量級でも通用するのでは、とさえ感じられるほど。レスリングのキャリアは3年。技はまだ粗削りであっても、「体格」という面で大きなアドバンテージを持った選手の出現だ。

父・藤田和之さんが見守る中、粘って終了間際に逆転勝ちした藤田眞妃琉

 初戦の準決勝を柔道で言う大外刈りであっさり勝ったあと、決勝は昨年11月の全国中学生選抜選手権の3位決定戦で敗れた小沼彩倭(栃木・下野サンダーキッズ)との再戦。圧力をかけて相手の攻撃を許さず、脚をさわられることがあってもパワーとスピードでカット。第2ピリオド、自滅気味に2ポイントを2度取られて4-4の相手優勢の状況になったが、ラスト30秒、相手のタックルをカウンターで返して逆転。優勝を引き寄せた。

 小沼との小学校時代の初対戦では勝ったものの、約4ヶ月半前に負けていた相手だと言う。「今回は絶対に勝つ」という気持ちを持ち続けたそうで、それが終盤の逆転につながり、「勝ててよかった」とホッとした表情。

アテネ王者を一蹴した父・藤田和之(日大OB)

 父は1996年アトランタ・オリンピック出場を逃したあと、新日本プロレスへ進み、プロレス、さらには総合格闘技の世界で大活躍。日本人離れしたパワーで強豪外国選手と真っ向からやりあった。2004年アテネ・オリンピックを制したイブラヒム・カラム(エジプト)が、しっかりと準備もせず総合格闘技に挑んだが(2004年大みそか=大阪ドーム)、わずか1分7秒、KOで破ってプロの厳しさを見せつけたりもした。

パワーファイターでならした藤田さんの現役時代。オリンピック出場は惜しくも逃す=1996年アジア選手権

 その強さに、つけられたニックネームが「野獣」であり、「日本最強の格闘家」「猪木イズム最後の遺伝子」など。豪快なイメージを持つファンは多く、ジュニアクイーンズカップの前日にもノアの後楽園ホール大会で、ケンドー・カシン(石沢常光=早大OB)杉浦貴(自衛隊OB)らレスリング出身選手らと破天荒なファイトを展開していた。

 しかし、3人の子供(女・男・女)には“優しい父親”として接していた。レスリングを強制することもなく、スパルタ教育でもない。眞妃琉は「優しい父です」と話す。そもそも、プロレスや格闘技をやっていることを伝えられたこともなかった。マスコミで扱われるから学校で自然に知ったのであり、格闘技とは縁のない生活をおくっていた。

 父によると、いつの間にか柔術をやっていて、レスリングをやり始めたという。一度、長男が「プロレスラーになりたい」と言ったことがあって、そのときは「やめろ!」と言ったそうだが、それ以外に子供たちに何かを強制した記憶はないという。「無言でオヤジの背中を見せる教育ですか?」との問いには、「背中見せたら、ポイント取られるでしょ。見せていないですよ」と笑った。

強さだけではなく、周囲への感謝と思いやりを指導

 眞妃琉がレスリングをやることになった後も、指導は同い年の元総合格闘家、鶴屋浩氏が運営する「チームリバーサル」に任せている。セコンドにこそついたが、ふだん余計な口出しはなし。その鶴屋代表は「教えたことが、すぐできる。普通の選手とは違いますね」と言う。「父親譲りのパワーは?」との問いには、「パワーより頭(がいい)ですよ。理解し、考える力があります」とのこと。

指導するチームリバーサルの鶴屋浩代表(右)も藤田眞妃琉の将来に太鼓判

 コロナの影響と住んでいる場所の問題で、決して十分な練習は積めていないというが、「それでこの実力。びっくりしています。お父さんは照れて言わないけど、将来はオリンピックを目指せます。いずれ下2人(弟・妹)も出てきますよ」と言う。

 父は「本人にやる気があれば、どこまででも強くなれるだろうけど、本人次第。親が何を言っても仕方ない。何も言いません」と、今後については素知らぬ顔をする。一方、眞妃琉がチームメートのいる場所で優勝の取材を受けようすると、「負けて悔しがっている選手もいる。ここでは駄目だ」と場所を移動させる教育的指導を見せた。

 強さだけではなく、周囲への感謝と思いやりを大事にする教育の下、日本女子重量級を支える期待を受ける逸材は「今回の結果を自信にして、これからも頑張っていきたい」と話した。







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