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2022.05.14

【特集】大同団結で知名度アップへ! 地味ながら着実な努力でレスリングの普及と啓蒙活動に尽力…井上智裕選手(FUJIOH)

 

(文・撮影=布施鋼治)

 パドルテニス、ピックルボール、おはじきサッカー、リアル野球盤…。確かに知らない競技ばかりだ。「50種類以上のマイナー競技を実際に体験できる!」をうたい文句とした『マイナー競技認知度爆上祭』が、5月4~5日、日本薬科大学さいたまキャンパスで行なわれた。

一人でも多くの人にレスリングを知らせるイベントで、井上智裕選手による技の紹介

 昨年からこのイベントを主催する株式会社BAKUAGE代表の渡邉史郎さんは「もともと僕はボートの選手だった。教え子が日本チャンピオンだったり、国際大会でメダルを取ったりしています。それでも、競技名をカヌーと間違われたりする」と開催のきっかけを訴え始めた。

 「いま、女子フェンシングにトレーナーとして関わらせてもらっていますけど、海外でメダルを取っても報道すらされない。みんな10~20年というスパンで努力しているけど、しばしば、世間に知られることなく引退していく。そういう事例はすごく多いと思う。だったらマイナー競技を知られる機会を作りたい。そう思ったことが動機ですね」

 レスリングは同大体育館にブースを設置。マットを敷き、2016年リオデジャネイロ・オリンピック男子グレコローマン66㎏級5位の井上智裕選手(FUJIOH)を中心に実体験会に臨んだ。井上選手は昨年2月、町田で開催された第1回大会に続いての参加だ(関連記事)。

レスリングは、なぜ背中をつけないように粘るの?

 「前回は緊急事態宣言の最中での開催だったので、紹介だけに終わった。今回はぜひレスリングを直接体験してもらいたかった」(井上選手)

ダミーを相手にタックルを実際に経験してもらった

 体験者はスポーツ経験者が多かったが、意外にもレスリングのルールをきちんと把握している人は少なかった。「なぜレスリングではもつれたときに背中をつけないように粘っているんですか?」と質問する人がいて、井上は「両肩を1秒つけたらフォールになる」と丁寧に説明していた。

 「このイベントでは競技名ではなく、ルールを知ってもらいたい」(同)

 ITFテコンドーやドッジボールの経験者という女性の二人組はタックルバック(ダミー)を相手に生まれて初めてタックルに挑戦。繰り返すたびに、当たるタイミングをつかんでいた。「楽しかったです。ストレス解消になりました」(テコンドー経験者)

実体験教室とデモンストレーションでレスリングのルールを広める

 4日夕方にはブースを離れ、体育館の中央、50名ほどのギャラリーの前で井上選手が柔道出身のMMAファイターの奈部ゆかり選手やタックルバックを相手に、がぶり返しなどレスリングならではのダイナミックなテクニックを次々と披露。そり投げ十連発を試みたときには大きなどよめきが起こっていた。

そり投げを披露した井上選手

 「オリンピック代表だった井上さんの技を体験できてよかった。個人的にはそり投げで投げられた場面が印象に残っています」(奈部)

 デモンストレーション後、井上選手は「試合と違って、レスリングを何も分からない状況で見てもらっているので、反応が気になりました」と振り返った。

 「試合会場と違い、こういう場所では『ああ、そんな技があるんだ!』という感じのリアクションでした。僕が技を仕掛け、全国少年少女連盟の白井正良・強化委員長がマイクで補足説明してくれたので、関節技や打撃のないレスリングという格闘技をしっかり知ってもらえたと思います」

 実体験教室とデモンストレーションで井上は確かな手応えをつかんだ様子だった。

 「今回、レスリングを初めて認知したことで、次回接したときには『ああ、あのときの!』という感じで以前よりも親しみやすくなっていると思いますからね」

 マイナー競技もみんなで手を組めば、大きな力になる。







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