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2022.05.16

【2022年東日本学生リーグ戦にかける】「うまいレスラー」より「強いレスラー」の育成を目指し、高谷惣亮・拓大新監督が初の団体戦に挑む!

 

(文・撮影=布施鋼治)

 オリンピック3度連続出場の高谷惣亮選手(ALSOK)が今年4月、母校・拓大のレスリング部監督に就任した。指揮官になって挑む初めて団体戦が、2022年東日本学生リーグ戦(5月18~20日、東京・駒沢体育館)。拓大は2009年の優勝を最後にリーグ戦の優勝から見放されているが、2015・17~19年には2位に食い込んでおり、あと一歩及ばない状況が続いている。その壁を破れるか。

2位が続いた拓大、現状を打破して王座奪取なるか

 これまでの高谷の肩書はALSOK所属の選手&同大学コーチ。すでに現役続行宣言もしているので、選手として2024年パリ・オリンピックを目指しながら、母校のレスリング部をまとめることになった。

 「やることは、基本的にコーチ時代と変わらない。ただ、選手たちを勝たせなければならないという責任は以前より重くのしかかっている。コーチ時代は、西口先生(茂樹=部長)に遠慮して言わない部分もあったので、学生たちへの発言は増えてきたと思います」

 新監督としてのスローガンは「うまいレスラーより強いレスラーの育成」だ。「強いレスラーを育てるとなると、フィジカル面の向上が重要になってくる。最近の高校生はうまいタイプのレスラーが多い。好きな選手の動きを映像ですぐチェックできる時代になりましたからね。でも、僕の目から見て、強いレスラーはなかなかいない」

 強いレスラーの例として、高谷監督は1976年モントリオール・オリンピック男子フリースタイル74㎏級で、7試合中6試合でフォール勝ちという圧倒的な強さで金メダルを獲得した伊達治一郎さん(故人)の名前を挙げた。

京都・網野高の後輩と壮絶スパーリング

 「昔の人はやっぱり強い。伊達さんなんて、現役時代は死ぬほど練習したと思う。今の学生選手も伊達さんくらいの練習を目指してやっていれば、体も仕上がっていく。そうしたら余裕でチャンピオンになれると思う」

高谷惣亮・新監督に挑む三浦哲史

 立場としてはプレーイングマネージャーであるだけに、今回の取材では自らの体を張って学生相手にスパーリングに励む姿が印象的だった。

 そんな高谷監督とガンガンやり合っていた選手もいた。2年の三浦哲史だ。一昨年の全日本選手権では、当時高校生(京都・網野高)ながら同級で4位に入賞。昨年の全日本学生選手権では男子フリースタイル92㎏級で1年生王者に輝き、先月行なわれたJOC杯U20の部でも優勝した有望株だ。

 高谷監督は「三浦は網野高の後輩」と紹介する。「幼少の頃から面倒を見ています。ルックスは本当の年齢よりずっと上なんですけど(笑)、体はもうできているし、まだ伸びしろはあると思う」と言う。ただ、リーグ戦は86kg級の上が125kg級なので、彼の適正階級がない。それでも「高校のときに125kg級で優勝しているので、この階級での闘い方は分かっている」と心配していない。

“令和の新人類”塩谷優がフリースタイルでどこまでやるか

 主将を務める4年で65㎏級の森川海斗はポイントゲッターとして期待している。「拓大に高校五冠で入ってきた選手だったので期待されたけど、最初の頃はけがが多かった。今はけがを乗り越え、ようやく地力をつけてきた。最近は構えも安定してきたので、今回のリーグ戦は本当に期待できる」

57kg級の塩谷(右)と125kg級の三浦も練習では手を合わせる

 エースは、シニアのアジア選手権の男子グレコローマン55㎏級で2年連続優勝を果たし、今大会は57kg級で闘う塩谷優。フリースタイルへの挑戦は昨年11月の全日本大学選手権(2位入賞)以来。塩谷は「チームのために闘うだけ」と意気込む。

 高谷監督は、パリ・オリンピックでの活躍も期待されるグレコローマンの逸材を“令和の新人類”と呼ぶ。「昔は自分も新人類と呼ばれていた。それに近いものを感じます。理解不能な部分もあるけど、レスリング的な思考に関しては僕と似ているところがある。どんな局面になっても『何とかなる』とプラス思考だし、肝っ玉も座っている。場外際とか体の使い方は天才的なものを感じます」

 今大会から試合順は抽選で決定という部分にも、高谷監督は注目する。

 「今までだと57㎏級の選手はいつもトップで緊張していた。抽選で試合順が決まるメリットとして、軽量級の選手の負担が少なくなるんじゃないかと思います。こういう試みがあってもいいと思いますね」

 理論派が実践する強いレスリングで、拓大レスリング部はさらに飛躍するか。

▲チームを牽引する森川海舟主将

▲男子グレコローマン130kg級で全日本V8の園田新も熱烈指導で母校の発展に貢献

▲どんな指導力を見魅せるか、“平成の新人類”高谷惣亮

▲ウエートトレーニングでも親身に指導する高谷惣亮・新監督







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