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2022.05.18

【2022年西日本学生春季リーグ戦・特集】“逆王手”をかけられながら、その黒星から大きなエネルギー! 永松麗主将が締めて周南公立大が2連覇達成

 

優勝を決め、応援席にあいさつする周南公立大。日常が少し戻ってきた中で2連覇を達成

 久しぶりに応援のある大会となった2022年西日本学生春季リーグ戦。感染防止には万全を尽くし、マスクなしの声援には、しばしば警告のアナウンスや直接の注意がなされた。その度に会場は静まり、まだ以前の光景は戻っていない。それでも、優勝決定戦はリーグ戦ならではの熱狂に包まれた。

 昨年秋季優勝の徳山大が「周南公立大」と変わり、連覇を目指した大会。近大との優勝決定戦は、チームスコア3勝3敗となる大激戦の末、周南公立大が優勝を勝ち取った。守田泰弘監督は「けがでレギュラー選手、しかもポイントゲッターが抜ける状況でした。それは言い訳にしない、と選手にも言い聞かせて臨みました。本当によくやってくれました」と、激戦を勝ち抜いた選手をねぎらった。

 優勝をかけた闘いは、第1試合(61kg級)で微妙な判定でのチャレンジが通るなど、際どい判定を乗り越えて3勝1敗とリードしながら、ここから2連敗。第5試合が0-4、第6試合がテクニカルフォール負けと、流れは近大に行ったかにも思えた。

 最後の74kg級。周南公立大の期待を背負って登場したのが、昨年の全日本学生選手権(インカレ)2位の永松麗主将。ひとつ前の試合で、負傷で最後は力を出し切れず、悔しさいっぱいで戻ってきた義田省悟(61kg級)に駆け寄り、一言、二言、声をかけた。両陣営の熱狂にかき消され、周囲に聞こえることはなかったが、「よくやった。後は任せろ」などという言葉だったのではないだろうか。

 永松は、義田から「大きなパワーをもらった」と振り返る。この試合、第2ピリオド前半に近大の吉永光輝のバック投げがさく裂し、義田は左ひざを強打。ドクターが入って応急処置をしたが、試合ができるような状況ではなかった。その時点でのスコアは3-12と9点差。勝敗の行方は明らかだった。

わずかの可能性であっても、勝つことを目指した義田省悟(4年)

 それでも義田は試合を捨てず、マット中央に戻って再開のホイッスルを聞いた。吉永は「相手の弱点を狙う」という勝負の鉄則に従って義田の左脚へタックル。簡単にテークダウンを奪い、勝負を決めた。

守田監督のあと、胴上げを受けた永松麗主将

 一見、義田の完敗に見えた試合。だが、前半は競り合い、最後はわずかの可能性であっても、勝つことを目指した義田の闘志に永松が燃えた。「(義田は)同期です。肩をけがして、1年半くらい試合に出られなかったんです。それを横から見ていました。一緒に試合に出られるようになったことがうれしかったし、彼の敵(かたき)を討つと言うか、彼の分まで頑張るという気持ちが、あのシーンで芽生えました」と、義田の勝利への執念を見たことで闘志が連鎖したことを打ち明けた。

 相手の畔上洸輝とは初顔合わせだが、新人選手権で見たときに「背が高く、距離が詰めづらい選手」という特徴を覚えており、攻略方法は描けていた。抽選で自分が最後の試合になると分かったとき、3勝3敗で自分の番になるかもと思っていたので、「緊張はなかった」と言う。

「リーグ戦がゴールではない」…守田泰弘監督

 試合は、インカレ2位の地力を発揮して7-2で勝利。チーム・ナンバーワンの“パフォーマー”らしく、マット上で雄叫びとガッツポーズを何度も披露し、優勝の喜びを表現した。「去年の優勝は(1学年上の)4年生がいての優勝でした。今回は、自分は全勝できると思っても、チームとして勝てるかどうかの不安があった」という中での栄冠。「下級生に厳しいことも言いましたが、理解してくれたかな、と思います」と、安堵の表情を浮かべた。

優勝後のミーティング。守田監督(奥の中央)の定める目標はまだ先にある

 守田監督は「去年秋の優勝は忘れ、初優勝を目指す気持ちを持ったことがよかったのだと思います。終始一貫して言い続けてきたことは、『相手が誰であっても、自分のレスリングをしよう』。それができたことが、優勝につながったのではないでしょうか」と振り返る。

 一方で、第1試合の最後のチャレンジが通らなかったら、計算上、チームの勝利はなかった。全体の流れが変わって大敗した可能性もある。「ひとつ(ボタンを)掛け違えると、どうなっていたか分からない」という気持ちも持っている。2連覇したとはいえ、安閑とできる状況ではない。

 「学生には、いつも『ここ(リーグ戦)がゴールではない』と言っています。全国で勝つことが目標」との方針のもと、今後も全国を目指した強化に取り組む腹積もりだ。「選手は、この優勝を自信にして新人戦やインカレに臨んでほしい。この優勝を糧に成長してほしい。最後は、本人がどう考えて取り組むかです」と話し、各選手に自覚を求めた。







2023年世界選手権/激戦の跡
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