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2022.06.15

【2022年沼尻直杯全国中学生選手権・特集】目標は「オリンピック4連覇」! 重量級の逸材・リボウィッツ和青(男子110kg級=東京・第六機動隊少年部)が圧勝優勝

 

男子110kg級を圧勝で制したリボウィッツ和青(東京・第六機動隊少年部)。「夢はオリンピック4連覇」と言い切った=撮影・矢吹建夫

 将来の夢や目標を聞かれ、「オリンピック」と答える選手は少なくない。しかし、「オリンピック4連覇」、しかも、聞かれる前からそう言い切る選手は珍しい。「夢は大きい方がいい」ととるか、「まず現実的な夢を考えた方がいい」ととるかは、受けとる人の自由だが、若い選手の可能性は無限にある。

 夢をかなえた人や、歴史に残る偉業を達成した人に共通することは、「そんなことは無理だ」「大言壮語」と言われるような壮大な夢を思い描き、そこに向かって突き進んだこと。大きな夢を持ったから必ずしも現実になるとは限らないものの、夢を持たない人間が偉業にたどりつくことは、絶対にない。

 2022年沼尻直杯全国中学生選手権の男子110kg級で2試合に圧勝し、栄冠をつかだリボウィッツ和青(のあ=東京・第六機動隊少年部)は「ボクの夢はオリンピック4連覇です。その夢を達成するために頑張っています」と言い切った。「4連覇?」という確認の問いに、ちょっぴりはにかみながら、「そうです」と返した。

2試合に圧勝! 原動力は昨秋と今春の黒星

 この日は、オリンピックを目指せる逸材ぶりを存分に発揮した。初戦の準決勝は重量級とは思えないスピードあるタックルを決め、そのままフォール勝ち。時間は28秒。決勝はアンクルホールドの連続攻撃と、最後はプロレス流のバックドロップで、1分2秒、12-0のテクニカルフォール勝ち。2試合だけだったが、豪快な技を連発させた強さはずば抜けていた。

コロナ禍のため、中学進学後、初の大会となった昨年11月の全国中学選抜選手権(東京・駒沢)。決勝で敗れた(青がリボウィッツ)=同

 相手との実力差を十分に見せつけての優勝だったが、それでも試合後は感激の涙をうっすらと見せ、声は震えていた。「去年の全国選抜で2位、今年の4月のJOC杯では3位でした。優勝できて、本当にうれしい」。優勝できない大会が2大会続いただけに、優勝の味は格別だったのだろう。

 優勝を逃したとはいえ、負けた相手はともに年上の選手だ。中学2年生で出場した昨年11月の全国中学選抜選手権は、1学年上で2年前の同大会2位の藤田宝星(当時茨城・牛久一中3/猛禽屋クラブ)に黒星。今年4月のJOC杯は、その時点で14歳にもかかわらずU17に出場し(注=7月に15歳となり、保護者承諾書と医事証明書の提出で出場可の年齢)、2学年上の金澤空大(千葉・日体大柏高)に敗れた。

 この世代は、1学年違えば体力も違うので、年下のリボウィッツが負けてもおかしなことではない。しかし、負けることは悔しかった。特に、金澤戦の黒星はテクニカルフォール負け。屈辱を晴らすためには、より強くなる必要があった。

大学選手とも壮絶スパーリング! 柔道でも全国王者へ

 そこで、年上の強豪を相手に練習を重ねた。チーム練習では、全日本王者を経て全日本コーチを務めている警視庁の小平清貴コーチや1992年バルセロナ・オリンピック代表の花原大介コーチらと積極的に練習。齊藤将士コーチ(前全日本女子チーム・コーチ=2007年アジア選手権優勝)に連れられて同コーチの母校・日大で練習したり、花原コーチの母校・日体大に行ったりしているそうで、大学選手とも多くの練習を積んでいる。

テークダウンのあと、アンクルホールドの連続攻撃=同

 まだ勝つまでには至っていないが、「組み手が強くなっているのが分かります」と収穫は多い。齊藤コーチは「(大学選手相手に)時にポイントを取りますよ」と証言。一段上の環境の中でもまれている肉体と精神で実力は急上昇だ。

 柔道でもすばらしい実績を持っている。2019年9月に東京武道館で開催された「マルちゃん杯全日本少年柔道大会」(団体戦)に神奈川・朝飛道場のメンバーとして出場。見事に全国一に輝いた。オール一本勝ちの選手に贈られるマルちゃん賞を受賞する活躍。体重が60kgくらいしかないにもかかわらず(当時)、100kgの選手にも勝った強さを見せた。

 東京オリンピックの柔道で金メダルを取る前のウルフ・アロン選手(了徳寺大職)が出演したテレビに、「柔道とレスリングの二刀流スーパーキッズ選手」として出演したこともあり、柔道界からも注目を浴びている。今後、柔道を選択すれば、柔道での「オリンピック4連覇」が目標となる。今はレスリングと柔道の両方に同じだけの情熱を燃やしており、両方で頂点にたどりつくことが目標だ。

4歳から日本在住、来年は国内で勝って世界へ出る!

 格闘技に向いている遺伝子が体内に組み込まれているのは間違いない。米国人の父・デービッドさんと日本人の母・繭美さんの間に米国で生まれ、4歳のときから日本で住むようになった。レスリングを始めたのは、父と日本協会の福田富昭・名誉会長(前会長)が懇意で、福田名誉会長が警視庁のキッズ・チームを紹介。兄が先に始め、それに続いた。

バック投げも見せた決勝。柔道でも鍛えられており、スタンド、グラウンドとも攻撃力は十分=同

 父が「格闘技を知らないと、愛する人々を守ることもできない」という教育方針を持っていたことも、格闘技に打ち込む要因だったと言う。

 「レスリングや柔道をやっているときが、本当に楽しいんです」。このあとは、11月の全国中学選抜選手権での優勝を目指し、来年のJOC杯ジュニアオリンピックで優勝して世界へ出ることを描く。国内では世代を問わず重量級の選手が少なく、練習や試合をする相手が限られてしまう現実があるが、幸い、大学選手を含めて年上の選手と数多く練習できる環境にある。実力の伸ばしどころだ。

 光GENJIの「勇気100%」の歌詞に「夢は、でかくなけりゃ、つまらないだろ 胸をたたいて冒険しよう」というフレーズがある。無限の追求こそが若さの特権。日本重量級の新星になりうる逸材、リボウィッツ和青が男子レスリング界ではだれも達成していないオリンピック4連覇の夢へ挑む。







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