日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2022.06.29

【2022年明治杯全日本選抜選手権・特集】志土地の名に誇りを持ち、夫婦で世界、そしてパリ・オリンピックへ!…女子55kg級・志土地真優(ジェイテクト)

 

(文=粟野仁雄)

復帰戦で4試合に快勝、世界選手権へ出場する志土地真優(ジェイテクト)=撮影・矢吹建夫

 昨夏の東京オリンピック女子53kg級で劇的な逆転優勝を果たしたあと、コーチの志土地翔大氏と結婚した志土地真優(旧姓向田=ジェイテクト)が、新しい姓で初の優勝を達成した。

 2022年明治杯全日本選抜選手権・女子55kg級。初戦の2回戦と準決勝を学生相手にいずれも第1ピリオド、10-0のテクニカルフォール勝ち。相手に息をもつかせぬ躍動感あふれる動きを見せた。

 強敵と見られた昨年の全日本選手権と今年のアジア選手権の覇者、今井佑海(日大)と全日本選手権2位の田村生吹(日体大)は敗退し、決勝に上がってきたのは育英大1年生の清岡もえ。4月のジュニアクイーンズカップU20を制した成長株だが、志土地はアンクルホールドで何度も転がして圧勝した。

12月はオリンピック階級の53kg級に復帰を明言!

 この優勝で、今井とのプレーオフに臨む。2-0としたが片足を取られるピンチ。「足を下げて! 足を下げて!」というセコンドの夫の声に応えて踏ん張り、難を逃れた。今井は両足タックルで攻めるが、これも素早くかわす。着実に加点し4-0で勝利した。久しぶりの試合と思えないほど動きがよかった。

セコンドで志土地真優を支える夫・翔大コーチ=筆者撮影

 翔大コーチとうれしそうに歩く姿に、報道カメラが群がる。会見では「東京オリンピックの後、久しぶりの試合でしたが、足もよく動いて勝つことができました。オリンピックの時は1年半も空いたけど、今回はそんなにあかなかったし」などと振り返った。「志土地」の名で勝ったことについて「お世話になっているので恩返しできたかな」と喜んだ。

 そして「まずは世界選手権ですが、12月(全日本選手権)からは53kg級でと考えています。体も作り直したい」と話した。

 53kg級での試合となれば、前日に優勝した藤波朱理(日体大)とオリンピック切符を争うことになりそうだ。「手足が長くて強いけど、倒さなきゃいけない存在」と照準を定めた。

「パリ・オリンピックでも一緒に喜べるように頑張りたい」

 至学館大では主将として強豪たちを引っ張った。卒業し、東京オリンピックの前年に志土地コーチと婚約を明らかにし、拠点を東京に移して独自のトレーニングを積んだ。

東京オリンピックで金メダルを取り、喜び合う志土地(当時向田)真優と志土地翔大コーチ

 日体大出身の志土地コーチも全日本大学選手権で2位に入るなどの実績がある。東京オリンピックの決勝では、中国選手に0-4とされたが、ピリオドの合間に志土地コーチから「ここで行かなきゃ後悔する」と檄を飛ばされて奮起。必死に追いつき土壇場で5-4と逆転、最後は相手の足首を“死んでも離さない”という意地と粘りを見せ、涙の初優勝となった。

 まだ24歳と若いが、筆者は「オリンピックの金メダルを取って、しんどいことも多くて、燃え尽きてしまったかもな…」と、勝手に想像していた。その懸念は今回、吹っ飛んだ。コロナが収まり、マット練習ができるようになってからは、夫と東京・安部学院高校などで練習を重ねてきたという。

 「 パリ・オリンピックまで、マットサイドは翔大さんでなくては駄目ですか?」と尋ねると、ちょっと恥ずかしそうに「そうですね。やっぱり、支えてもらっている人にセコンドについてもらって力になりましたし、パリ・オリンピックでも一緒に喜べるように頑張りたい」とうなずいた。

 彼女のユニフォームの背中には「SHIDOCHI」と書かれていた。







2023年世界選手権/激戦の跡
JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に