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2022.07.05

【2022年東日本学生選手権・特集】チームは違っても目指すところは同じ…双子兄弟優勝を達成した山路太心(中大)・健心(早大)

 

 2022年東日本学生選手権(春季)の新人戦・男子フリースタイルで、和歌山・和歌山北高から中大と早大に進路が分かれた双子兄弟が、そろって優勝した。70kg級が兄の山路太心(中大)、74kg級が弟の山路健心(早大)

 新人戦での兄弟同時優勝というのは、双子か年子(としご=1歳違い)しかありえないわけで、これまでは2003年春秋に長島正彦(青山学院大)・和幸(早大)の双子兄弟だけが達成しており、珍しい記録になる。

兄弟優勝を達成した山路太心(左=中大)と健心(早大)

JOC杯で負けた相手に雪辱しての優勝…山路太心(中大)

 決勝で先に闘った70kg級の太心は、内山椋太(国士舘大)と大激戦。終了間際に相手の猛攻で技術回避のコーションを取られ、4-4のスコアとされてしまったが、ビッグポイント差でかろうじて勝った。「決勝は4月のJOC杯で負けた相手で、その選手に勝てての優勝には満足しています」と、勝利を喜んだ。

決勝の開始早々、バック投げを決めて優位を取った

 第1シードの選手(有馬鉄太=拓大)が棄権していたので、「優勝がより現実的に考えられた」と気持ちが盛り上がった大会。ただ、決勝の試合内容については「点を取れる場面でしっかり取っておけば、もっと楽に勝てる試合だった。インカレや全日本選手権に向けて、しっかり修正していきたい」と言う。

 中大では、近い階級の選手が多く、練習相手が十分にいるのが高校時代と違うこと。「一人ひとりのレベルが高いので質の高い練習ができています」と言う。1996年アトランタ・オリンピック銅メダリストの太田拓弥コーチの指導の影響も大きく、「経験からくる言葉に重みがあり、心強いです。しっかり受け止めて頑張りたい」と話す。

高校3年夏の経験を飛躍のエネルギーへ変える!

 そんな太心の大きな敵は、過去の嫌な思い出だ。昨年3月の全国高校選抜大会を制し、気持ちが盛り上がって高校最後の年度を迎えたが、インターハイでは決勝で山口叶太(東京・自由ヶ丘学園)に敗れ、1年生王者誕生を許してしまう屈辱を味わった。

昨年3月の全国高校選抜大会で優勝した太心。この5ヶ月後、奈落の底にたたき落された=撮影・保高幸子

 「一番悔しい負けでした。悔いは目茶苦茶残っています」。練習中にフラッシュバックすることもあるそうで、このイップス(動作に支障をきたし、突如自分の思い通りのプレーができなくなる症状=元大リーガーのイチローも高校時代に苦しめられたことがあり、スポーツ選手によくある症状でもある)との闘いに勝たなければならない。

 最近はメンタルトレーニングを受けるなどし、その負けを「プラスにとらえるようにしています」と、立ち直りの兆しがあるもよう。この先、山口と同階級になるかどうか分からないが、「次に闘うときには絶対に勝ちます」という目標を持ち、屈辱をエネルギーに変えて飛躍を目指す。

兄にやや遅れていたが、やっと肩を並べた…山路健心(早大)

 健心は前日行われたグレコローマン77kg級で2位になっており、その悔しさを晴らした優勝だった。大関寛穂(国士舘大)との決勝は8-1で快勝した。「早い時間にポイントを取って点差が開いたので、勝ちは確信できました」と余裕の優勝。決勝以外でも「2回戦と準決勝は、スコアこそ2-1でしたが、思い描いていた試合ができました」と振り返り、満足のいく優勝だったことを強調した。

決勝で勝ち、小さくガッツポーズをした健心

 高校時代から早大レスリング選手への憧れを持っており、「ワセダ一択でした」と、気持ちを貫いた。進学して最初の大会だったJOC杯では、昨年の全日本大学選手権2位の硎屋亮太郎(日大)にテクニカルフォール負けし「大学のレベルを思い知らされました」と、さらなる努力へつながった。

 この優勝が飛躍のきっかけとなるだろうが、「1,2年生だけの大会ですし、日体大の小柴(伊織)選手が出ていなかった。まだまだ頑張らないとなりません」と気を引き締める。「フィジカル面の強化に力を入れたい」と話した。

 兄・太心が優勝した昨年の全国高校選抜大会は5位に終わるなど、高校までの成績は全体的に兄よりやや劣っていた。「太心は太心、自分は自分、という気持ちでした。階級も違いましたし。まあ、いい目標ではありましたね」と話し、気にしないようにしていたそうだが、「やっと並べた」という気持ちもあるのではないか。

■次の兄弟優勝はいつか?

 「インカレでも兄弟優勝して全日本選手権につなげたい」と口をそろえる2人。高校時代は、練習場での雰囲気を家に持ち込まないため、2人が組み合う練習はほとんどやらなかったという。マットの上では当時から別々の道を歩んでいた。チームが違って、生活も別という道で飛躍を目指すことになるが、ラインなどでコミュケーションはとっており、離れていても目指すところは同じ。

 兄弟対決は、「周りからの視線が痛くなると思うので、やりたくないです」(健心)と、あえて階級を別にして上を目指すことになりそう。11日前にキルギスで行われたU17アジア選手権では、和歌山北高校の後輩になる森下大輔が銅メダルを獲得。ひと足先に国際舞台で活躍した。“和歌山北高パワー”が、近い将来、国際舞台で爆発するか。







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