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2022.07.09

【2022年全日本社会人選手権・特集】オリンピック王者との練習で開眼! 「来年の世界選手権に出場します」…男子フリースタイル74kg級・梅林太朗(金太郎ホーム)

 

 新型コロナウィルス感染防止への引き続きの努力で出場選手を絞る必要があり、今年の明治杯全日本選抜選手権は、前年の全日本選手権4位以内が出場資格となった(コロナ前は8選手)。そのため、従来なら出場できるだけの実力を持っていた強豪の何人かが出場できなくなっていた。その一人が、インターハイ2連覇や2020年全日本選手権3位などの実績を持つ男子フリースタイル74kg級の梅林太朗(金太郎ホーム)

明治杯に出場できなかったうっぷんを晴らした梅林太朗(金太郎ホーム)。フリースタイル74kg級のトップ戦線に浮上するか=撮影・矢吹建夫

 その梅林が、7月2~3日に埼玉・富士見市で行われた全日本社会人選手権で4試合を勝ち抜いて優勝。存在をアピールするとともに、12月の全日本選手権の出場を手中におさめた。

 「明治杯に出場できなかったことが悔しかった。この大会は最低でも優勝が目標だった」。この栄冠でそのうっぷんを晴らし、前向きの言葉が続くと思われたが、「反省点が多く、悔しい大会です」と言葉を振り絞った。

 反省点のひとつが、初日の予選リーグ3回戦でがぶられ、そのまま落とされてしまった(失神してしまう)こと。反則となり、意識を回復して試合再開となって逆転勝利を引き寄せたが、「あんな体勢にされたことが駄目」と言う。意地を出して勝てたことはよかったが、「全試合を通じて無失点」という目標は3失点で達成できず、「反省点の多い大会でした」と言う。

「試合中に時計は見ない」を貫いて最後まで攻撃を続けた

 最終日の決勝は、ワールドカップ出場の経験などを持ちながら、やはり全日本選抜選手権に出場できなかった三輪優翔(ALSOK)との闘い。1点をめぐる激しい攻防の末、最後は6-0で勝ち、「最低の目標」は達成できた。2016年インターハイ優勝仲間(梅林が66kg級、三輪が74kg級)。大学進学後(梅林は早大、三輪は日体大)に何度か闘っているが、梅林によると「一度も勝っていない」と言う。

はからずも同じ境遇となった三輪優翔(ALSOK)を破った梅林=撮影・矢吹建夫

 試合に臨むにあたり、ひとつ決めていたことがあった。それは「試合中に時計を見ないこと」。昨年12月の全日本選手権での三輪との対戦で、4-0とリードしてラスト25秒のときに時計を見てしまったと言う。「勝てる」という気持ちになったが、その後、逆転されてしまった悔しい負けを経験したからだ。

 残り時間を考えてしまうと、逃げの闘いになってしまう。「時間を気にせず、最後まで攻める気持ちを貫く」という闘いが必要と痛感。その気持ち実践しての優勝だった。

 三輪以外にも志賀晃次郎(警視庁クラブ)ら全日本トップレベルの選手が参加しているトーナメントを勝ち抜いたことは大きいはず。しかし、この事実をふられても、満足や喜びの言葉は出てこない。

「殴り合いが始まる?」と思われるほどのロシア選手のスパーリング

 今年初めにロシアに自費遠征し、東京オリンピック74kg級王者のザウルベク・シダコフや、2014年世界選手権70kg級優勝のヘティク・チャボロフ(国籍はセルビアに変更)らと練習し、彼らの実力もさることながら、練習量や練習に取り組む姿勢に接し、自分の甘さを痛感しているからだ。

ロシア・ウラジカフカスで湯元進一コーチとともに=本人提供

 遠征は今年1月終わりから3月初めまで実行し、場所は自衛隊の湯元進一コーチがコーチ留学していたロシア・ウラジカフカス(ロシアのウクライナ侵攻がなければ、もう少し滞在する予定だった)。自分の階級のオリンピック王者がいることが、その地を選んだ決め手。湯元コーチに連絡を取り、向かうことを決めた。

 彼らの練習で一番すごかったのは、打ち込みでの技ひとつをとっても、全エネルギーを使ってやること。日本ではウォーミングアップ的な意味合いでやることも多い打ち込み練習だが、ロシアではテークダウンの最後まで力を抜かない。スパーリングは、本数は少なくとも試合そのものの緊張感の中で行われ、競ると「殴り合いが始まるんじゃないか」と思われるほど意地と意地をぶつけ合う闘いが展開されていた。

 「その姿勢を学び、近づこうと努力したことが、今大会の優勝につながったと思います。それは、素直にうれしいです」。ここで、やっと自分をほめる言葉が出てきたが、「まだ追いついてはいない。1日、1日を大切にして彼らに近づきたい」と、ロシアでの貴重な経験をもとに、全日本選抜選手権に出場できなかった巻き返しを目指す。

男子フリースタイル74kg級の世界の頂点にいるザウルベク・シダコフ(ロシア)。パリでの“再会”なるか

 ふだんの練習は母校の早大で学生選手とやることが多いが、成國大志(70kg級世界選手権代表)のいるゴールドキッズ(東京・杉並区)に、石黒峻士(新日本プロレス職=97kg級世界選手権代表)、山﨑弥十朗(サイサン=79kg級全日本選抜選手権2位)とともに集まり、練習することもある。「力を抜くことができない相手と、あえて間隔を短くして練習したりもする」そうで、ロシアで学んだ集中力を前面に出しての練習を心掛けている。

 ロシアを去るとき、「どこまで本気で言ってくれたかは分かりませんが」と前置きしつつ、現地の強豪選手から「パリで闘おう、と言ってもらいました」とのこと。心にずっしりと響き、パリ・オリンピックへの気持ちにつながっている。「明治杯に出られなかった悔しさが、自分を成長させてくれました。全日本選手権は優勝します。来年の世界選手権に出場して、オリンピック出場枠を取ってきます」と、きっぱり言い切った。







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