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2022.09.07

【特集】世界選手権で活躍し、地元山形県のレスリングを盛り上げる…男子グレコローマン63kg級・池田龍斗(日体クラブ)

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(文=布施鋼治)

 「僕が世界選手権で頑張ることで、地元山形でレスリングのことをもっと知ってもらうことができる。地元のキッズレスラーにとって、大きな励みになると思います」

池田龍斗(日体クラブ)=撮影・保高幸子

 男子グレコローマン63㎏級代表で、さくらんぼの産地として有名な山形県東根市出身の池田龍斗(日体大クラブ)は、地道な努力を積み重ねた末、初めて2022年世界選手権(9月10~11日、セルビア)への出場切符を手にした。

 「大学生のときは、まずインカレ(全日本学生選手権)で優勝することが最大の目標でした。実際に優勝したら、次は天皇杯(全日本選手権)ということになり、ヒュ~ッという感じで(2021年大会で)準優勝することができた。『だったら、6月の明治杯(全日本選抜選手権)で優勝したら世界に行けるかも』という気持ちになりました」

 運も味方につけた。昨年12月の全日本選手権では清水賢亮(自衛隊)が優勝したが、全日本選抜選手権からはオリンピック階級である67㎏級にアップした。全日本選抜選手権を制した池田にプレーオフなしで世界選手権出場の機会がめぐってきた。

 池田は「本音を言えば、この春、日体大卒業と同時に故郷に戻って教員をやるつもりでした」と打ち明ける。「清水選手の階級アップで、自分は日体大クラブ所属として大学に残った感じです」

日体大の中でもまれにもまれ、知らず知らずのうちに強くなっていった

 高校時代の池田はこれといった成績を残していない。日体大に進学した2018年には、2016年リオデジャネイロ・オリンピック銀メダリストの太田忍や、2017年世界王者の文田健一郎(現ミキハウス)に憧れの眼差しを向けていた。

世界選手権へ向け、母校・日体大で練習する池田龍斗(日体クラブ)=8月下旬

 「大学に入学して練習場に来たら、『あっ、文田健一郎さんだ!』みたいに、ほとんどテレビのモニターの向こう側の人を見ているような感じでした(微笑)」

 大学3年になったあたりから文田とスパーリングをするとようになったというが、池田は「世の中にこんな強い人がいるのか」と驚くしかなかった。「当時と比べると、(自分が強くなったので)今はだいぶましになったと思いますけど、文田先輩は(相変わらず)強いですよ」

 日体大の中でもまれにもまれ、池田は知らず知らずのうちに強くなっていく。もちろん、日々の練習ではいつも『今日はここまで頑張ろう』といった意識づけを忘れない。「健一郎先輩だけではなく、同期生とやるときも試合を意識してやるようにしていますね」

オリンピック金メダリストも生まれている山形県だが…

 池田のレスリングのキャリアは小学1年生からスタートしている。「ただ、ちゃんとやり始めたのは小3くらいからですね。小3から小6までは親の転勤で横須賀でやっていました。中学から再び山形に戻りました」

清水賢亮が抜けた今年6月の全日本選抜選手権。3試合に快勝して世界選手権の代表へ=撮影・矢吹建夫

 山形県は、かつては1956年メルボルン・オリンピックで笹原正三(日本協会元会長)が金メダルを取っているが、現在はレスリング途上県。オリンピック代表選手は2000年シドニー大会グレコローマン63kg級の元木康年が最後で4人目(注=笹原も元木も、山形県在住時代は柔道の選手)、ここ十数年、国際舞台で活躍した同県人レスラーは鶴巻宰(現自衛隊コーチ)くらいしかいない。

 だからこそ、池田は愛すべき故郷にレスリングの灯火をつけようとしている。「山形はレスリングがまだ強くない。だからこそ将来、僕が日体大や世界選手権で経験したことを地元に還元することで盛り上げていきたい」

 今回世界選手権には初出場ということで、他国からほとんどノーマークというアドバンテージはある。 63kg級は、2019年世界選手権で太田忍が優勝し、昨年は清水が銅メダルを獲得している。池田は「自分もメダルにからみたい」と願う。「正直、僕は面白いレスリングができるタイプではない。我慢強く、相手のスタミナを削りまくるような泥臭いレスリングで勝負したい」

 日体大で培ったスキルを武器に、山形の一番星候補は羽ばたけるか。







2023年世界選手権/激戦の跡
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