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2022.09.12

【2022年世界選手権・特集】目指した色のメダルではなかったことは悔しいが、最低限の成績は確保…男子グレコローマン55kg級・塩谷優(拓大)

 

 【ベオグラード(セルビア)/文=布施鋼治、撮影=保高幸子】「やるからには、しっかり勝ち切って帰ろうと思いました」

3位決定戦のマットに向かう塩谷優(拓大)。手堅く勝って銅メダルを獲得

 セルビアの首都ベオグラードで開催されている2022年世界選手権の第2日(9月11日)。男子グレコローマン55㎏級の塩谷優(拓大)ジョバンニ・フレニ(イタリア)との敗者復活戦を9-0のテクニカルフォールで難なく勝ち上がり、3位決定戦ではマックス・ノウリー(米国)と激突。第1ピリオドで取った7ポイントを第2ピリオドも守り通し、そのままのスコアで勝利を得た。

 「自分的には第1ピリオドのグラウンドで投げて終わらせたいという思いもあったけど、第2ピリオドは(無理に)取りにいって、取られてしまうより、勝ち切ることが大切と思いました。もったいないという思いもあるけど、勝ち切るという思いで、ああいう闘いになりました」

 今年6月の全日本選抜選手権終了直後に行なわれた世界選手権代表決定プレーオフで、前年の世界王者である松井謙(日体大)を撃破。初めて世界への出場切符に手にした。この階級は、2019年には小川翔太(当時日体大)が3位に入賞している。つまり3大会連続で日本代表がメダルを獲得したことになる。

言い訳はNG!負けたのは「実力が劣っていたから」

 塩谷は「銅メダルだったので、最低限だったと思う。自分が目指した色のメダルではなかったので、すごく悔しいけど、一応取れたことはよかった」と振り返った。

第1ピリオドは積極的に攻め、第2ピリオドは強固な防御を見せた

 塩谷にとって、今大会で最も収穫のあった一戦はテクニカルフォール負けを喫したエルダニズ・アジズリ(アゼルバイジャン)との3回戦だろう。アジズリは昨年の世界選手権では松井に敗れているので、“打倒日本”に燃えていたのだろうか。塩谷は途中、「体に何かを塗っている」とアピールする場面もあったが、レフェリーは塗布の有無を確認することなく試合続行を命じた。

 第三者から見れば大きな勝負の分かれ目になった場面だが、塩谷は「負けてしまった以上、それは言い訳にしかならない」と言い切る。「グラウンドを取られて返させてしまったというだけで自分の実力が劣っていたと思う。まあ、ヌルヌルで多少の影響があったとしても、それ以上に自分のよくないところが出てしまった試合だと思います」

大きな差はないアジアと欧米のグレコローマン

 初めての世界選手権で塩谷は、「自分の攻撃力が世界で通用する」という手応えをつかんだ。「緊張することは全然なかったし、自分のレスリングができていたと思う。負けた試合もディフェンス面で課題があることがわかった。収穫はあったと思います」

3位決定戦に勝ち、インタビューを受ける塩谷

 すでにアジア選手権では2度優勝している。アジアと世界の差は?

 「ヨーロッパの選手だったり、3位決定戦で当たったアメリカの選手だったり、アジアとはちょっと違った感覚がありました。それでも、大きな差はないと感じました」

 最後は、勝つと負けるでは評価に大きな違いが出てくる闘い。塩谷は「途中(3回戦)で負けてしまったので何ともいえない部分もあるけど、日本の軽量級の強さを少しは出せたんじゃないか」と総括する。

 今年12月の天皇杯全日本選手権からは2024年パリ・オリンピックに向けての代表争いがスタートする。このまま非オリンピック階級にとどまるのか。それとも60㎏級にアップするのか。塩谷は「コーチと相談してから」と明言を避けた。拓大の先輩では、高谷兄弟(惣亮=監督、大地)、園田新、清水賢亮らがパリを目指す。

 塩谷も続くのか。このままでは終われない。







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