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2022.09.17

【2022年世界選手権・特集】世界女王を撃破! 研究されている中で勝って2階級制覇…女子57kg級・櫻井つぐみ(育英大)

 

 【ベオグラード(セルビア)/文=布施鋼治、撮影=保高幸子】ヘレン・マルーリス(米国)は年齢も上がってきている。ここは一発勝負だ」

ヘレン・マルーリス(米国)との決戦のマットへ向かう櫻井つぐみ(育英大)

 2022年世界選手権の決勝戦当日(9月15日)の朝、育英大の柳川美麿監督は櫻井つぐみと一緒に朝食をとりながらゲキを飛ばした。

 果たして、櫻井はリオデジャネイロ・オリンピックで吉田沙保里を破り、東京オリンピック準決勝で川井梨紗子と激闘を繰り広げたマルーリスを3-0で撃破。昨年の55㎏級に続き、57㎏級でも世界一の座についた。

 試合後、ミックスゾーンに現れた櫻井はいつになく饒舌だった。

 「相手はオリンピック・チャンピオンで、今も世界のトップで闘っている選手。強いことは分かっていました。しっかりと勝ち切れたのでうれしい」

減量の少ない分、スタミナでまさって勝利を引き寄せた

 櫻井は、勝因として自分のレスリングを徹底してやり抜いたことを挙げた。

先制し、常に主導権を握ったマルーリスとの決勝

 「向こうはたくさんのテクニックを持っているけど、私にはテクニカルフォールで勝つような力はない。6分間で、取り切れるところで取り切る。プレッシャーのかけ方などは海外の選手にも負けないように練習してきた。それが私のレスリングです」

 クライマックスは第2ピリオドに訪れた。「自分は減量してない分、後半になってもスタミナは落ちない。対照的にマルーリス選手の方は落ちているなと思いました。そもそも、海外の選手に比べると日本の選手はスタミナで勝っているという傾向が強い。その差で勝てたのかなと思いますね」

 階級こそ違えど、ディフェンディング・チャンピオンということで、櫻井は初戦から「自分がマークされている」ことに気づいた。

 「研究されているな、と思ったけど、そういう中で勝ち抜いてこそ真のチャンピオン」と自分に言い聞かせた。決戦直前、柳川監督から「いつも通りにアップをしっかりして」という指示が飛ぶと、櫻井は深くうなずいた。

 「私も、いつも通りにできれば勝てると思っていました」

12月の全日本選手権は大激戦になるか

 昨年の世界選手権は、育英大からの出場は櫻井ひとりだった。今回は59㎏級の元木咲良や68㎏級の石井亜海も一緒だったので心強かった。「大学の仲間がそばにいてくれたり、帯同合宿で自分の後輩がいたり、柳川先生も観客席から見てくれたり…。やっぱり、いろいろな人たちが現地で応援してくれたおかげで勝てたというのもあると思う」

2年連続で金メダルを掲げる

 優勝後、柳川監督は「実は櫻井の調子は悪かった」と打ち明けた。「1ヶ月ほど前、あまりにも調子が悪くて、地元(高知県)に戻してリセットしました」

 体調不良が原因だったが、追い込みによる調整でなんとか世界選手権に間に合った。柳川監督は愛弟子の成長に目を細める。「櫻井は本番(試合)に強いと思いましたね」

 2024年パリ・オリンピック出場を狙う櫻井は、今年12月の天皇杯全日本選手権に目を向ける。「オリンピックにつなげるためにも、国内で勝つことが重要だと思います」

 この階級でパリに出場するためには、リオデジャネイロ大会に続いて東京大会でも金メダルを獲得した金城梨紗子(旧姓川井)を破らないといけない。パリを見据え、金城は10月の全日本女子オープン選手権で東京オリンピック以来、1年2ヶ月ぶりの復活を果たす。

 昨年の世界選手権で3位に入賞した南條早映(東新住建)も黙ってはいまい。櫻井は世界選手権に続き、全日本選手権でも世代交代をアピールすることができるのか。







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