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2022.10.09

【特集】世界王者も輩出したグラップリング、4年ぶりに男女6選手が世界へ挑む…10.12~15世界グラップリング選手権(スペイン)

 

(文・撮影=布施鋼治)

 グラップリングは、世界レスリング連盟(UWW)が認めたレスリングのスタイル。2008年にスイスで第1回世界選手権が開催され、鶴屋浩(現パラエストラ・チームリバーサル代表)が銅メダルを獲得。以来、日本はコンスタントに選手を派遣し、2010年には久能孝徳が世界チャンピオンへ。2011・13年にも世界王者が生まれた。

 今回は2018年以来、4年ぶりの選手派遣となる。2013年開催の同選手権No-Gi(道着なし)62kg級で優勝した渡部修斗(栃木・足工大附高レスリング部OB=父は日大主将)と、2017年同選手権No-Gi女子53kg級で3位に入賞した青野ひかる(静岡・焼津中央高~日大レスリング部OG)は今年8月26日、グラップリングが取り持つ縁によって結婚したことを、SNSを通じて報告している。現在、2人はともに総合格闘技で活躍している。

▲スペインで行われる2022年世界グラップリング選手権に出場する日本チーム=後列左端が白井正良コーチ

 今年は10月12~15日にスペイン・ポンテベドラでNo-GiとGi(道衣着用)の2スタイルの開催となる。ちなみに、この大会会場では、直後にU23世界選手権が開催される。

 10月1日には東京品川区の「ハコビースポーツクラブ」で日本代表有志による公開練習が行われた。鎌賀秀夫監督(日本協会)とともに選手を引率する白井正良コーチ兼審判(ハコビースポーツ1)は、UWWグラップリングにおけるコーションのとられ方などの詳細を集まった選手たちに説明していた。

 今年6月には選考会と練習会を開催したうえで代表を選出し、男子4名、女子2名の計6名が出場することになった(当初は92kg級で田中大成=IGLOO=も出場する予定だったが、ケガで出場を見送った)。

「本当に強ければ、どのルールでも勝てる」…平澤寛樹(ALMA LIFE)

 2022年日本ブラジリアン柔術連盟主催の全日本選手権黒帯ライトフェザー級優勝の米倉大貴(IGLDO)は「UWWが主催するグラップリングの世界選手権は、僕ら柔術専門でやっている人の間では、まだ知られていない」と証言する。「出場するきっかけは、ここのジムに通っている知人から『こういう大会があるけど、どうですか?』と誘われ、選考会に出場したことですね」

▲柔術の全日本選手権黒帯ライトフェザー級王者の米倉大貴(IGLDO)

 ルールがどうなっているかといえば、マットの規格は通常のレスリングと一緒で、試合時間は5分1ピリオド。延長戦になった場合、1分間のサドンデスで勝負を争う。基本ルールは絞め技を含む関節技による一本、あるいはポイントで決するケースが多い。

 ポイントはテークダウンで2点、サイドポジションで3点、マウントポジションやバックマウントは4点となっている。

 他のグラップリング大会とは異なるルールもあるが、米倉の誘いで66㎏級の代表として出場することになった今年度の全日本ブラジリアン柔術連盟主催の全日本No-Gi選手権青帯70㎏級優勝の平澤寛樹(ALMA LIFE)は「本当に強ければ、どのルールでも勝てる」と主張する。

 「僕が目指しているのはどのルールでもトップレベルの強さを身につけること。そういう意味でルールの違いは気にしていない。今回も出るからには優勝したい」

柔道引退後、趣味でサンボに取り組み、闘争心が燃えた…平林るい(SKアカデミー)

 昨年度の全日本マスター柔術選手権女子マスター1青帯ライトフェザー級優勝の平林るい(SKアカデミー)は、東海大柔道部出身(3段)。大学卒業後は格闘技と離れ、公務員として穏やかな生活を送っていたという。グラップリングとの出合いは、今回の遠征に審判として帯同する吉澤昌(MCアブソリュート) が勤めるサンボスクールに1年前から通い始め、大会出場を誘われたことだという。

▲一度は格闘技を離れた平林るい(SKアカデミー)。格闘家の血が騒ぎ、世界へ挑戦する

 「柔道を引退してからは、格闘技はもう一切やらないと思っていたんですけど、趣味で再開して大会に出るうちに、また勝ちたいと思うようになってしまいました。今回も、最初は出場は無理、と諦めていたけど、職場に相談したら快く背中を押してくださった。目標? 順位というより、目の前の試合にひとつひとつ勝っていきたい」

 UWWの方針によりロシアとベラルーシの選手除外は継続される中、今回はスペイン、フランス、ポーランド、ハンガリー、イタリア、ブルガリア、ウクライナ、米国、カナダ、インドの出場が有力視される。日増しにレベルがアップしている世界のグラップリング界で、日本代表は爪痕を残すことができるか。


役員

【監督】鎌賀秀夫(日本協会)、【コーチ兼審判】白井正良(ハコビースポーツ1)

【帯同審判】吉澤昌(MCアブソリュート)


男子選手

▼62kg級 米倉大貴(IGLOO)=2022年JBJJF全日本選手権黒帯ライトフェザー級優勝

▼66kg級 平澤宏樹(ALMA LIFE)=2022JBJJF全日本ノーギ選手権青帯70㎏級優勝

▼71kg級 矢野晃トミ(IGLOO)=2021JBJJF 全日本ノーギアドバンスフェザー級優勝

▼77kg級 清水健之介(今成柔術)=2022年61㎏級グラップリングトーナメント準優勝


女子選手

▼53kg級 平林るい(SKアカデミー)=2021年全日本マスター柔術選手権女子マスター1青帯ライトフェザー級優勝

▼53kg級 池田海南江(IGLOO)=2022年IBJJF世界柔術選手権紫帯3位







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