オレッグ・ボルチン（カザフスタン）がプロレス入りを正式発表

　山梨学院大の最重量級選手として、同大学の東日本学生リーグ戦4連覇に貢献し、個人戦でも数多くのタイトルを取ったオレッグ・ボルチン（カザフスタン＝新日本プロレス職）が10月10日、同社レスリングクラブ「TEAM NEW JAPAN」の永田裕志監督とともに東京・両国国技館のリングに上がり、プロレス入りを正式発表した。ボルチンは「世界チャンピオンを目指して頑張ります」と、あいさつした（関連記事）。

▲新日本プロレス両国大会のリングからプロレス入りのあいさつをしたオレッグ・ボルチン。右は「TEAM NEW JAPAN」の永田裕志監督＝新日本プロレス提供

　先月、セルビアで行われた世界選手権のあとカザフスタンに帰国し、数日前に再来日。この日の午前、新日本プロレスの道場で初練習したという。カザフスタンにプロレス団体はなく、日本でも実際に会場へ見に行くことは少なかったそうだが、テレビで海外の試合は見ていたと言う。目標とする選手を聞かれ、ザ・ロックやブロック・レスナー（米国NCAA王者からプロレス入り）ら、世界最高のプロレス団体WWEで活躍したスターの名前を挙げた。

　報道陣から“身近な選手”を催促されて、慌てて「永田さん」と答え、新日本プロレス最高のIWGP王者として東京ドームなどの大会場で何度もメーンイベントを闘った永田監督の名前を挙げた。

　永田監督はデビューの時期を問われ、「この体を見れば分かるでしょ。レスリングの選手はプロレスラーに必要な体力や身体能力を持っています。プロレスの受け身など基礎を身につけてもらい、できるだけ早くデビューさせたい」と話す。レスリングでアジア王者、世界5位と実績十分なだけに、デビュー戦は「強豪をぶつけてもいいですよね」とのこと。いきなりメインイベント級の位置での試合もありえそう。

　会場では、10月1日に死去した同団体の創始者、アントニオ猪木さんをしのぶ10カウント・ゴングが行われ、ボルチンは新日プロの一員として参列。猪木さんの勇姿がビジョンに流れ、大歓声が沸き上がったシーンに接して気持ちが高揚した様子だった。

▲永田裕志監督のトレードマークとなっている敬礼ポーズをとったオレッグ・ボルチン

　同選手は2017年3月の大学卒業後、「TEAM NEW JAPAN」の前身の「ブシロードクラブ」に所属。東京オリンピック出場を目指した。2019年に地元で行われた世界選手権のカザフスタン代表となり、2021年にはアジア選手権（カザフスタン）で優勝したものの、同オリンピック出場はならなかった。

　同年10月の世界選手権（ノルウェー）に出場してプロレス入りの予定だったが、ワーキングビザの取得に手間取り、先月の世界選手権（セルビア）に出場して5位に入賞。これを機に、リングへ戦場を求めた。

　「TEAM NEW JAPAN」には現在、男子フリースタイル97kg級世界選手権代表の石黒峻士（日大OB）が在籍しており、2024年パリ・オリンピックを目指している。永田監督は「ボルチンがプロで活躍して話題になってくれれば、チームがより発展し、プロとアマの交流が活性化する」と話し、ボルチンを通じて「TEAM NEW JAPAN」と日本レスリング界の発展を願った。