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2022.10.13

【2022年栃木国体・特集】最終日に地元へ金メダル! プレッシャーを力に変えた…少年男子グレコローマン92kg級・植木優斗(栃木・足利大附)

 

 2022年栃木国体の最終日、少年男子グレコローマン92kg級で植木優斗(栃木・足利大附)が優勝し、この大会で、それまで成年男子フリースタイル65kg級・上野裕次郎(栃木県スポーツ協会)の2位が最高だった栃木県勢に唯一の金メダルをもたらした。

 決勝は、地元の声援を背に受け、勢いに乗って1分43秒のテクニカルフォール勝ち。マット上でガッツポーズ&雄叫びを展開して優勝を喜び、マットを降りてから恩師らの祝福を受けた。植木は目に涙を浮かべ、「最高の気持ちです。試合で勝ってうれし泣きしたのは初めてだと思います。今までやってきたこと(の思い)があふれ出てきたような感じです」と話した。

▲地元の期待を受けて闘った決勝戦、勝って喜びを爆発させた植木優斗=撮影・矢吹建夫

 「背中を押してくれるような応援を感じました。支えてくれた人や、携わってくれた人がいなければ、今、ここ(優勝インタビューの場所)にいなかったと思います」と、周囲の人達への感謝の気持ちを話した。得意のローリングが、全試合で最低でも2回決めることができ、それを最大の勝因に挙げた。

準決勝から決勝の間に徹底した“けんか四つ”の対策

 2019年に中学二冠王者(全国中学生選手権、全国中学選抜選手権)に輝いて足利大附高に進学。2021年の全国高校選抜大会で3位に入賞し、最終学年の今年にかけてきた。しかし、全国高校選抜大会、インターハイとも2位。この間のJOCジュニアオリンピックU20でも3位に終わり、タイトルに手が届かなかった。

▲8月のインターハイ決勝で敗れた植木(青)は、年下の相手に両手で握手を求め、深々と一礼。チャンピオンへの敬意を示した=撮影・矢吹建夫

 8月の全国高校生グレコローマン選手権で、初めて取り組んだスタイルであるにもかかわらず優勝。地元国体へ向けて、優勝の可能性が高いスタイルとしてグレコローマンを選んだ。「グレコローマンの練習をやったのは1ヶ月半から2ヶ月くらい。フリースタイルでの得意技をいかすことを考えて、やりました。得意なローリングや腕取りからのタックルは、グレコローマンでもいかせました」と言う。

 決勝の相手は、全国高校生グレコローマン選手権決勝の相手の金澤空大(千葉・日体大柏)ではなく、磯谷輝(滋賀・八幡工)が上って来た。「金澤が負けたのか」と驚くとともに、金澤を破った磯谷の強さに不安も感じた。

 それでも、今夏のインターハイの3回戦でテクニカルフォール勝ちした相手。「決勝まで上がってくるからには強くなっている」と警戒はしたものの、お互いの得意な構えから“けんか四つ”になると予想し、決勝までのわずかの時間にその対策を練った。そのかいもあって、「自分のレスリングを貫けました」と振り返った。

▲決勝戦、最初にグラウンドの攻撃権を取り、ローリング4回転で勝負を決めた=撮影・矢吹建夫

ふだんと違い。大会の2週間前から緊張感に襲われたが…

 栃木県勢の優勝がなかったことでのプレッシャーは感じていた。大会前からも、優勝こそ全国高校生グレコローマン選手権のみだったが、全国大会で上位に行く回数は栃木県の選手の中では一番多いこと、優勝を目標にグレコローマンに照準を定めたことなどが複雑にからまって心に入って来た。

 「普通は、前の日に緊張し、自分で自分を落ち着かせて寝ることができたのですが、今回は2週間くらい前から試合のことが脳裏をよぎってしまいまして…」。ある意味では、その思いが「自分の力になった」とも振り返る。

 すでに関東の大学へ進学することが内定している。「高望みはせず、目の前の大会をひとつずつ勝っていきたい」と希望を話した。

(撮影=保高幸子)







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