日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2022.11.03

【2022年全国社会人オープン選手権・特集】無念の初戦敗退だが、館内からの大拍手に来年の出場も決意か?…61歳で奮戦の鈴木芳晴(山形クラブ)

 

 3年ぶりに開催された2022年全国社会人オープン選手権。初戦敗退に終わったが、館内からひと際大きな拍手が沸き起こったのが、男子フリースタイル70kg級に出場した鈴木芳晴(山形クラブ)の試合。現在61歳。2015年の全日本マスターズ選手権で10回出場の特別表彰を受けており、社会人レスリング界ではちょっとした“有名人”。

 初戦の相手は、やはりこの世界で有名な存在の尾藤広光(京都東山クラブ)。2016年の全日本社会人選手権で、大学卒業後25年以上の出場を続けていることを評価されて特別表彰を受けたベテラン選手。総合格闘技に出場したこともあるマルチ格闘家だ。

▲館内の注目を集めて出場した鈴木芳晴(山形クラブ)。相手も社会人レスリング界での“有名人”尾藤広光(京都東山クラブ)

 ベテラン同士の一騎打ちは、一進一退の攻防となり、第1ピリオドは鈴木が4-2でリード。日ごろの練習の成果か、スタミナ切れをしない両者の闘いは第2ピリオドも接戦となり、鈴木が6-2とリードしながらも尾藤の反撃に遭い、ラスト16秒に逆転を許してしまって6-8で敗れた。

 尾藤と相手セコンドに、握手とともに深々と一礼した鈴木は「コロナ禍の中で練習できませんでした。この大会へ向けて、土曜日を使って3回くらい練習できただけ。年齢も年齢ですし、体力的に続かなかったです。悔しいですけど…」と無念そうだが、流れ落ちる汗に爽快な表情。

 毎年1月に開催されている全日本マスターズ選手権出場が目標で、その前段階として秋に行われているこの大会にも出場を続けている。ただ、新型コロナウィルスのため、社会人選手が出場できる大会の中止が相次ぎ、試合出場は2020年1月の全日本マスターズ選手権以来。

 その約2ヶ月半前にあった全国社会人オープン選手権は、この日闘った尾藤との試合で、「9-20で負けました」と当時の記憶がすらすら。その相手と6-8の接戦を演じられたことは満足か?

▲優勢に試合を進めたが、尾藤広光の粘りに遭い、終了間際に逆転された

「レスリングが好きなんですね。勝ち負けじゃないんですよ」

 昭和50年代の前半に、山形商業高校でレスリングをやっていた。しかし、「インターハイと国体は出ていません。最高は東北大会です」とのこと。高校を卒業後、2年ほどして山形に社会人クラブができ、現在までレスリングを続けている。コロナ禍でクラブの練習はできない状況になったが、地元の高校で若い選手を相手に練習を積んでいるそうだ。

 これまでに、2012年全日本マスターズ選手権(51~55歳58kg級)などでの優勝もあるが、表彰台の一番高いところが遠かった大会もある。それであっても、全日本社会人選手権を含めて数多くの大会に出場してきた。その原動力は「レスリングが好きなんですね。勝ち負けじゃないんですよ」とのこと。

▲2014年全日本社会人選手権マスターズC63kg級で3位入賞(左端が鈴木芳晴)

 元来は「運動音痴なんです」と謙遜する。ただ、レスリングを続けていることで「人並みに動けるんです」と言う。健康診断でいろいろな数値に問題が出てくるのは、年齢を重ねれば仕方ないことだが、これだけ動けるのは「健康である、と思いたいですね」と話した。

 スタミナ切れを感じたからか、この大会は「今回を最後にしようと思っていたんです」と言うが、試合後に館内から大きな拍手が沸いたことで、「もうちょっと続けないといけないかな、なんて思いました」と笑う。

 レスリング界では、米盛勝義さん(中大OB=全日本選手権2度優勝)が2013年全日本マスターズ選手権に「88歳」で出場した記録が残っている。「その年齢まではできないと思いますが…。頑張ります」。とりあえず、来年1月の全日本マスターズ選手権を目標に、まだ練習は続けていく腹積もりだ。







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に