12.10～11ワールドカップ（米国）出場の男女日本チームが出発

▲谷岡郁子団長（日本協会副会長）の激励を受ける日本チーム

　12月10日（土）～11日（日）に米国・アイオワ州コーラルビルで行われる男子フリースタイルと女子のワールドカップ（Ｗ杯）に出場する日本チームが12月7日、羽田空港発の日本航空で出発した。男女が同時に開催されるのは初めて。両スタイルを統括する赤石光生監督（日本協会・強化本部長）は「刺激し合って頑張ってほしい」と、両スタイルそろっての健闘を期待した。

　2014年以来の6大会連続優勝を目指す女子チームの栄希和コーチ（至学館大職）は「各選手とも所属でしっかり練習してきていると思う。優勝を目指して全力でサポートしたい」と伝統継承を宣言。

　天皇杯全日本選手権が近いこともあって一番手のチームでないのに対し、予選で対戦するモンゴルとウクライナは世界選手権のメダリストを含めた一番手中心のチーム。「実力試しという選手もいるし、メダリスト相手でも勝たなければならない選手もいる。総力では日本は強い」ときっぱり。日本のシングレットを着ているだけで相手がおじけづく現状もあり、「どの選手も、世界のメダリスト相手にも互角に渡り合えると思う」と期待した。

　チーム最年長の坂野結衣主将（警視庁）にとっては、2013年大会（モンゴル）の代表に選ばれながら、けがで棄権して以来、9年ごしに実現するW杯の舞台。帰国してから全日本選手権までの期間が短いが、「出ない、という選択肢はなかった。しっかり経験を積みたい」と、出場できる喜びいっぱいの大会。

　初の舞台に緊張はあるが、「若い選手をまとめて頑張りたい。外国が一番手のチームで、実績ある選手がそろっていても、日本チームには勢いがあります。サッカーのワールドカップの（日本チームの）ように、勢いがあれば勝てます」と話し、ムードづくりに力を注ぐ。

▲女子代表チーム

レスリングの盛んなアイオワ州での大会、コンディショニングが重要

　3大会連続出場となった男子フリースタイル・チームの前田翔吾コーチ（日本オリンピック委員会／クリナップ）は、2018年に同じアイオワ州で開催されたＷ杯に参加。レスリングが盛んな州だけに観客の熱狂がすごいことは経験済み。その中で持っている実力を発揮するには「コンディションを整えることが大事。それによって不安が少なくなる」とし、現地に着いてからの調整に力を注ぐ。

　You tubeなどでしか見たことのない世界トップ選手と闘う場合もあるが、「いつも練習でやっていることをぶつけてほしい。全日本選手権前にもかかわらず参加してくれる選手に感謝し、この機会を生かせるようにサポートしたい」と話した。

　木下貴輪主将（クリナップ）も4年前の同地での大会に出場した選手。「盛り上がります。その中で試合できるのは楽しみでもあります。雰囲気に飲まれないよう、チームを引っ張りたい。試合でも生活でもしっかりして、チームにいい雰囲気をつくりたい」と言う。自身にとっては、74kg級の国際大会は初めて。「強い選手とできるのはいい機会」として、全日本選手権（74kg級にエントリー）で優勝することを前提に、その後のために何らかの収穫を持ち帰る腹積もりだ。

　日本選手団は下記の通り。なお、男子フリースタイル97kg級出場予定だった石黒峻士（新日本プロレス職）が体調不良で参加を取りやめ、品田陽平（法大）が出場する。

▲男子フリースタイル代表チーム

2022年ワールドカップ・日本選手団

【団長】谷岡郁子（日本協会副会長）、【監督】赤石光生（日本オリンピック委員会）

【コーチ】豊田雅俊（警視庁）、▼男子コーチ　前田翔吾（日本オリンピック委員会／クリナップ）、▼女子コーチ　栄希和（至学館大職）

【トレーナー】野呂賢二（スポーツ医科学委員会）、【ドクター】長尾卯乃（スポーツ医科学委員会）

【審判】村田知也（三重・松阪工高教）

　【女子代表選手】
▼50kg級　櫻井はなの（育英大）
▼53kg級　片岡梨乃（早大）
▼55kg級　清岡もえ（育英大）
▼57kg級　屶網瑠夏（至学館大）
▼59kg級　德原姫花（自衛隊）
▼62kg級　坂野結衣（警視庁）
▼65kg級　今井海優（自衛隊）
▼68kg級　小林久美（福岡大）
▼72kg級　藤倉優花（育英大）
▼76kg級　山本和佳（至学館大）

　【男子フリースタイル】
▼57kg級　山口太一（早大）
▼61kg級　森川海舟（拓大）
▼65kg級　安楽龍馬（nobitel）
▼70kg級　大野恵太郎（日体大）
▼74kg級　木下貴輪（クリナップ）
▼79kg級　山﨑弥十朗（サイサン）
▼86kg級　白井達也（日体大）
▼92kg級　三浦哲史（拓大）
▼97kg級　品田陽平（法大）
▼125kg級 二ノ宮寛斗（不二精機）