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2022.12.14

【2022年西日本学生秋季リーグ戦・特集】予選は3試合を21戦全勝で通過、決勝も4連勝で優勝を決める…3季連続優勝・周南公立大

 

 春季は第7試合まで勝負がもつれた周南公立大近大の決勝戦。2022年西日本秋季リーグ戦の決勝も同じ顔合わせとなった。今度は、周南公立大がスタートから4連勝。早々と勝負を決め、最後は5-2で勝って春秋連覇を達成。大学名変更前の「徳山大」から通算して3季連続21度目の優勝を達成した。同大学の春秋制覇は4度目だが、3季連続優勝は初めて。

 熱狂に包まれた中での優勝だった春季。今回は、最後の試合終了後、バツの悪さに包まれた優勝だった(後述)。だが、余裕をもって優勝を決めたゆえの“愛嬌”だろう。予選リーグは、春季は4-3の試合もあったが、今回は全3試合が7-0の圧勝。西日本の常勝軍団への道を歩み始めたと言っていい。

▲選手をねぎらう守田泰弘監督(左端)。常勝軍団を目指して闘いは続く

 3季連続でその体が宙を舞った守田泰弘監督は「春はウチも近大もけが人がいて、お互いに万全な状態ではない中での試合でした。今回はともにベストメンバー。ここが勝負どころでした。第1試合の森東大樹(86kg級)が勝ってくれて流れを作ってくれました」と、団体戦特有の流れに乗れたことを勝因に挙げた。

リーグ戦よりも高い目標に向かって練習を積んだ

 「4連勝は予想していた?」との問いには、謙遜なのかもしれないが、「もうちょっと苦しむことになるかな、と思いましたが…」との答え。春季は最終試合で決着がついたことを指摘し、「実力アップの差と解釈できるのでは?」との質問には、「試合順の問題もありますので(注=軽量級からではなく、抽選で試合順が決まる)」と、またも謙遜(?)しながら、「そういう練習をしてきました」ときっぱり。

 リーグ戦で勝つことは大事だが、「目標はそこじゃないよ」という方針のもとで強化にあたってきたことを強調。「もっと高いところを見ての練習が、要所、要所に出てくれたと思います。一生懸命にやっていた選手は、きちんと結果に出ていますね」と話した。

▲まだ第1試合に勝っただけだが、全身で選手を祝福する守田泰弘監督。優勝の原動力は、この熱さか

 大会に臨むにあたって選手に伝えてきたのは、「4年生に頼るチームにするな」ということ。4年生が踏ん張るのは当然だが、頼るだけでは来年につながらない。「2年生、3年生が頑張ってほしかった。その通りの結果になりました」と振り返り、下級生の奮戦に満足そう。「選手にこの言葉を送りたいと思います、ブラボー(「すばらしい」「見事だ」の意味のイタリア語=サッカー、森保ジャパンの長友佑都主将が発して話題となった)」と口調も滑らか。

勝負は「最後の1秒まで」ではなく、「0.01秒まで」!

 バツの悪さに包まれた最後の“アクシデント”とは、70kg級で飯田蓮の試合終了直前で展開された。2-2の飯田有利で試合が進み、応援の選手からカウントダウン。電光掲示板の秒数字が「1」から「0」に変わったときに、「ゼロ!」と叫んだ。その声に、飯田は勝ったと思って力を抜いたが、残り時間は「0.99秒」-。その間に、相手(小林雄泰)がゴービハインド。貴重な2点が入った。チャレンジでも勝敗は覆らず、飯田の負けとなってしまった。

▲「3、2、1、ゼロ!」の声に試合が終わったと思った飯田(赤)。1秒を切っても試合をあきらめなかった小林にゴービハインドを決められ、痛恨の逆転負け!

 4勝した段階で優勝は決まっていたわけだが、1秒でも早く優勝を確定させたいという選手の気持ちが、「ゼロ」を1秒早く叫んでしまい、逆転劇につながってしまった。「すまん!」「おまえは悪くない!」という声が飛び交い、何とも言えない表情をした何人もの選手が飯田を励ます。

 3勝3敗の後の試合だったら、悔やんでも悔やみきれない悲劇となったが、苦笑いで済まされたのも、早々と4勝をマークした強さだったからほかなるまい。

 守田監督は「最後、舞い上がってしまったんでしょうかね…。結局、いかに冷静に試合を進められるかなんですよ」と話し、勝負は終了のホイッスルが鳴るまで続いていることを訴えた。小数点2けたまで表示されるデジタル・タイマーが普通となった現在、勝負は「最後の1秒まで」ではなく、「0.01秒まで」ということを心するべき結果となった。

 公立大に変わって推薦制度の変更もあったが、廃止されたわけではない。「公立大学に変わったことをプラスととらえ、新しい制度の中でいい選手を集め、上を目指したい」と話し、来季の4連覇、5連覇を目指す腹積もりだ。

▲最後に“アクシデント”があったものの、優勝を決めて喜ぶ周南公立大の選手たち







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