日本レスリング協会公式サイト
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2022.12.29

【2022年全日本選手権・特集】4方向からのビデオとズーム付きの再生機能で、より正確な判定を導き出す

 

 判定への不満が激減-。12月22~25日に東京・駒沢体育館で行われた2022年天皇杯全日本選手権は、2面マットの双方で、新技術の再生装置をそなえた4台のカメラが熱戦を追い、ビデオチェックに活用された。

 ビデオチェック要求である「チャレンジ」は、2009年から採用されたルールで、微妙な判定のシーンをビデオでチェックし、正しい判定を導き出すルール。ビデオによって技術展開を検証し、最終判定を下していた。ビデオカメラの設置台数の規定はなく、当初は各マット1台が普通だった。

 しかし、一方向からだけだと重要な部分が死角になってしまうケースや、ビデオのある場所の反対側のゾーン際で足が出たかどうかなどが見えづらいシーンがあったのも事実。世界レスリング連盟(UWW)では正確さを期するため、現在は複数台のカメラによって多くの角度から試合を撮影。ビデオチェックに役立てている。

 国内では、西日本学生連盟が昨年の西日本学生秋季リーグ戦で初めて双方向からのビデオチェックを実施した。今大会では4方向からの撮影を実施。さらに画期的なことは、ズームによる再生が簡単にできること。肩が返っているシーンや、足が場外に出ているシーンが、会場内のビジョンにズームされて大きく映し出されることで、選手やセコンドのみならず、応援の観客も納得せざるをえないケースが続出した。

▲4ヶ所にカメラを設置し(黄緑○印)、チャレンジに対応した全日本選手権

 日本協会の斎藤修審判委員長は「一番いい撮影ポジションからの映像を見られるので、ビデオチェックの精度が上がりました。正確な判定ができるので、選手にとってだけでなく、審判にとっても、とてもありがたいシステム導入でした」と振り返る。

 これまでの大会に比べてチャレンジが出される回数が減ったそうで、「精度が上がった影響もあるのではないか」と見ている。チャレンジ失敗は1失点になるので、「4方向からのチェックでは判定が覆らない可能性が高い」と思い、チャレンジを出さないケースが増えているのかもしれない。

 数年前から、チャレンジの判定のあとに場内アナウンスで結果と経過を説明するようなっているが、今大会ではビジョンに映し出されるシーンに合わせて、「ビジョンをご覧ください。赤の選手の足が場外に出ているのが分かります」といった、より細かな説明もあった。観客にもしっかりと理解してもらうことがレスリングの発展につながるとの観点からの行動。

 「ルールが分からない、難しい」という声も少なくないレスリングで、「肩が返っていますので2点」「スタンドから一気にデンジャーポジションに持ち込んでいますので4点」といった説明で、その解消にいくらかでも役立ちそう。

 国際舞台でホイッスルを吹いている審判員も、ここまで鮮明な画像で、ズームが簡単にできる機材を使用していた大会は経験したことがないという。斎藤審判長は全日本選手権だけではなく、協会主催の大会ではすべて導入してもらうことを要望したいという。

▲体育館のビジョンに上映されるチャレンジのシーン。観客も理解できるようなアナウンスが付く







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