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2022.12.31

【2022年全日本選手権・特集】国内外で無敗だった2022年、このままパリまで駆け抜ける!…男子フリースタイル57kg級・樋口黎(ミキハウス)

 

(文=布施鋼治)

 「今年1年、国内外で一度も負けることなく終えることができた。このままパリまで無敗で駆け抜けていけるように頑張りたい」

 2022年全日本選手権第2・3日に行われた男子フリースタイル57㎏級は、樋口黎(ミキハウス)が決勝で新井陸人(自衛隊)を8-4で破り、この階級では3年ぶり通算3度目の優勝を果たした。

 決勝では、第2ピリオドに新井にローリングなどを決められ、一時は6-4まで追い上げられたが、その後は第1ピリオド同様、相手を長時間ニアフォールの状態で“生殺し”にして勝ち名乗りを受けた。日体大では樋口の後輩にあたる新井は「2度もフォール体勢に入られてしまい、時間をつぶされてしまった」と悔しがる。「おかげで自分が思うような展開にもっていけなかった」

▲階級を落としても強さを発揮した樋口黎(ミキハウス)=撮影・矢吹建夫

エントリーした全選手の映像をチェック

 第三者から見ると、勝負のキーポイントは東京オリンピックの代表権をプレーオフまで争った高橋侑希(山梨学院大職)との準決勝と思いたくなるが、樋口は自称「ビビり屋」。この階級にエントリーした全選手の映像をチェックする念の入れようで、警戒していたのは高橋だけではなかった。

 「2ヶ月くらい前から、誰が勝ち上がってきてもいいようにずっと準備をしてきました。初戦は高校生(U20世界選手権優勝の西内悠人)と当たったけど、ものすごく緊張していました。僕は誰とやっても気持ち的には変わらない」

▲高校生の期待のホープと対戦した樋口(青)。全日本トップレベルの強さを見せつけた=撮影・矢吹建夫

 今年61㎏級世界チャンピオンにもなっている樋口の胸を借りた西内は、樋口の底知れぬ強さに舌を巻くしかなかった。

 「樋口選手は相手を動かさせる組み手がうまい。いまの僕は相手の足に向かって入る感じだけど、樋口選手は相手に足を動かさせてから入る。相手をコントロールする技術に長けていると思いました。安定感も違いましたね。僕は不用意に足が前に出たりするけど、そこを狙われたと思う」

対戦相手と闘う前の“もうひとつの敵”

 もっとも、樋口は対戦相手と闘う前に“もうひとつの敵”と対峙しなければならなかった。過酷な減量だ。昨年4月、カザフスタンで行われた東京オリンピック・アジア予選で計量失格という失敗があるだけに、ナーバスにならざるをえなかった。案の定、大会初日(12月23日)の計量では、微量ながら2度も計量に失敗している。

 「もともと僕は57㎏級では力が強い方で、この階級では相手(の身体のサイズ)が小さいと感じる。世界選手権で(一階級上の)61㎏級で闘ったときもパワーでは圧倒的に自分の方が上だった。そういうポテンシャルを実際の試合でも出せるように、身体作りをしっかりとやっていかないといけない」

 減量の方法は、いまだ試行錯誤中だ。

▲東京オリンピック出場を阻まれた宿敵(高橋侑希)にも快勝した樋口。もうひとつの敵との闘いがある=撮影・矢吹建夫

 「試合直前の水抜きであったり、大会第2日の体重の戻しであったり、もう少しうまくできるんじゃないかという部分もある。半年後の明治杯全日本選抜選手権まで、もっと工夫をしていきたい」

 同じ失敗は二度と繰り返さない-。







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