2月1日(水)~5日(日)にクロアチア・ザグレブで行われる世界レスリング連盟(UWW)のランキング・シリーズ大会「ザグレブ・オープン」に出場する男子フリースタイル・チームが1月29日、羽田空港から出発した。
湯元進一コーチ(自衛隊)は「世界選手権並みの選手が出てくる大会。世界選手権の前哨戦と考えてもいいと思う。ランキング大会なので、世界選手権のシードにもかかわってくる」と気を引き締める。結果は二の次で内容を、という段階ではなく、結果が重要な意味を持つ大会。「結果にこだわってほしい」と力をこめた。
グレコローマン・チームは、大会のあと、クロアチア協会が主催する合宿に参加するが、フリースタイルは合宿が組まれておらず、大会参加のみ。「ちょっと残念ですね。グレコローマンがうらやましい」と、試合のほかにも海外選手と数多く闘いたかったようだが、その分、「各選手に収穫と反省点を持ち帰ってもらい、国内でしっかり強化したい」と話した。
チーム最年長でリーダー役となる74kg級の木下貴輪(クリナップ)は「強い選手が多くエントリーしている。やるからには、強い選手とやりたいので、勝ち進みたい」と意欲十分。74kg級での国際大会は経験が少ないので、数多くの試合を経験したいという気持ちが強いようで、「試合を通じて実力をアップしたい」と、1試合でも多くの試合を求めて遠征に臨む。
冬の全日本チーム遠征には、高校生として初めて参加する57kg級3位の西内悠人(高知・高知南高)は「世界トップレベルの選手と遠征に行けるのは、とても貴重な経験です」と緊張気味。昨年8月にはU20で世界王者に輝いているが、シニアの国際大会は初となる。「期待と不安の比率は?」との問いに、「50対50くらいですかね」と返し、さすがに不安も大きいようだが、「楽しみでもあります」と付け加えることも忘れなかった。
「(U20世界より)2つくらい上のレベルだと思います」というランキング大会の闘い。結果が大事だが、「攻めるレスリング、後半までしっかり闘うという自分のレスリングを貫くことを考えたい。そうすれば結果につながると思う」と話し、全力で挑むことを誓った。
男子フリースタイル・チームは下記の通り。女子チームは30日、男子グレコローマン・チームは31日に出発する。
【強化委員長】赤石光生(日本オリンピック委員会)、【強化副委員長】豊田雅俊(警視庁)
【男子フリースタイル・コーチ】湯元進一(自衛隊)、前田翔吾(日本オリンピック委員会/クリナップ)
【トレーナー】野呂賢二(スポーツ医科学委員会)
《男子フリースタイル代表選手》
▼57kg級 新井陸人(自衛隊)
〃 西内悠人(高知・高知南高)
▼65kg級 安楽龍馬(nobitel)
〃 荻野海志(山梨学院大)
▼74kg級 木下貴輪(クリナップ)
〃 志賀晃次郎(警視庁福生警察署)
▼86kg級 石黒隼士(自衛隊)
▼97kg級 石黒峻士(新日本プロレス職)
▼125kg級 山本泰輝(自衛隊)