日本レスリング協会公式サイト
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2023.03.04

【特集】70周年を迎えた岡山県協会、行動力抜群の横山茂嘉・新理事長(おかやま山陽高部長)が飛躍を目指す(前編)

 

 創立70周年を迎えた岡山県レスリング協会。3月19日には岡山市で記念式典が予定されている。その直後の風間杯全国高校選抜(3月27~29日、新潟市)には、親子の“タッグ”でチームを育てている「おかやま山陽高」が出場する。

 同校の横山茂嘉部長横山太監督とも日体大のOB。父・茂嘉部長は高校時代までは陸上・やり投げの選手。インターハイ出場を決めた一投で、致命的となる右ひじを負傷。インターハイには出場して夢はかなえたものの、競技は高校で断念。日体大入学後にレスリングに取り組み、1982年の全日本選手権・男子グレコローマン62kg級で4位までいった努力家。

 長男・太は、父の運営するキッズ教室でレスリングを学び、日体大~自衛隊でレスリングを続け、全日本選抜選手権2位(2012年・2014年=男子フリースタイル74・70kg級)の実績。国際大会は4度出場している。

 今年1月下旬の中国高校選抜大会では、決勝で豊浦高校(山口)に敗れて2位。しかし、個人戦ではチャンピオン1選手(125kg級・三宅茂)を出し、5選手が全国大会の出場権を取った。学校創立100周年を迎える来年度は、4人の男子入部が内定。横山茂嘉部長が自宅にある合宿所で選手を預かり、食生活を含めてこれまで以上の面倒を見ることになっている。県協会の理事長にも内定しており、県をあげての強化に取り組む予定だ。

https://www.okayama-sanyo-hs.ed.jp/

▲中国予選を2位で通過し、全国高校選抜大会に出場するおかやま山陽高チーム

指導者として41年間、「欠席、遅刻、早退なし」を継続

 横山部長は、陸上部の顧問を任されていた️20年間に全国水準の選手を多数育成。マラソンの岡山県人歴代最高の記録を持つ監物稔浩選手(NTT西日本)を育てた。レスリングの指導は21年間で中国高校大会の学校対抗戦優勝10回、全国大会ではベスト8まで育てた手腕を持つ。

 レスリングでの指導方針は「逃げるな、休むな、完成はない」-。マットが四角形から円形になった理念を主眼に置き、1984年に自宅にレスリング道場をつくってスタートしたキッズ教室(浅口レスリングスポーツ少年団)から一貫して教えている。

 現在、技術指導は長男の太監督に託し、自らは生活指導の面で尽力している。教師になってから41年間、太監督も9年間、「欠席、遅刻、早退なし」をキープ。コロナとも無縁。当然、部員の私生活にも自己管理を徹底。「正しい生活をおくらなければ、選手としての成長もない」と伝えている(関連記事)。

▲キッズのためのレスリング場がある自宅。右側が高校選手の合宿所となる

「高校からレスリングを始めても、全国大会で活躍できる」

 岡山県レスリング界の歴史は古く、1951(昭和26)年に三笠宮殿下と八田一朗日本レスリング協会会長を迎えて早慶対抗のエキシビションマッチを実施したのを機に設立された。1958(昭和33)年に高体連に加盟。その後、明大で活躍し、1961年全日本王者(男子グレコローマン52kg級)の梶川政文氏(岡山県協会・現会長)が、東和タクシーの社長として地域経済発展に努力しつつレスリング界の発展にも尽力。

 1972(昭和47)年に、岡山日大高(現倉敷高)を指揮した名将・古川興幸監督(岡山県協会副会長=4月から会長に就任)の指導で清水一夫(岡山日大高)がインターハイを制覇。大東大へ進んで成長を遂げ、1976年モントリオール・オリンピック・フリースタイル100kg級で6位入賞という輝かしい成績を残した。他に、岡山での高校時代は柔道の選手だったが、全日本選手権の男子最多優勝の記録(14度)を持つ森山泰年(自衛隊)も輩出している。

 しかし、ご多聞にもれず、競技人口の低下は悩みの種。1980年代の第二次ベビーブームの頃は、県内でレスリングの実施校が10校あり、部員総数は200選手に近かったが、2000年代に入ってからは100選手ほどへ。その数字が最近まで続いたが、今は1・2年生で約40人。まず部員の確保へ取り組まねばならない。

 キッズ・レスリング全盛の現在、「高校入学後にレスリングに取り組むのでは遅い」との声もあるが、自身が格闘技経験のない中から大学入学後にレスリングを始め、全日本4位までいった経験から、「高校から始めても全国大会で活躍できる」と強調。キッズあがりでない生徒の入部も歓迎する。

▲2012年明治杯全日本選抜選手権のフリースタイル74kg級決勝で闘う横山太監督(当時自衛隊)。おかやま山陽高校の教員となったあとの2014年同大会70kg級でも決勝進出を果たした。現在は、父とともに岡山県レスリング界の飛躍を目指す

《続く》







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