日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2023.04.03

【2023年風間杯全国高校選抜大会・特集】圧勝続きで2年連続優勝、日本の重量級を支える存在となるか…92kg級・甫木元起(佐賀・鳥栖工)

 

 2023年風間杯全国高校選抜大会の個人戦で、ひと際輝いた優勝を遂げたのが、92kg級で2年連続優勝を達成した甫木元起(佐賀・鳥栖工)。決勝までの5試合を、すべて第1ピリオド、10-0のテクニカルフォールで快勝。総タイムは426秒(1試合平均85秒)。全試合フォールかテクニカルフォールという優勝は他にもいるが、「すべて第1ピリオド」は甫木だけだ。

 だが、甫木は「もっと強くなれるように頑張ります」と第一声。全試合圧勝という結果を念押しされても、「これから、まだまだ強くなって、オリンピックで優勝したいと思います」と、上を目指す気持ちを表した。

圧勝続きで2年連続優勝を達成した92kg級の甫木元起(佐賀・鳥栖工)。日本の重量級を支える選手に成長するか=撮影・矢吹建夫

 満足のいかなかった点を具体的に聞くと、「落ち着いて試合ができないところがあるんです」と、もっと余裕をもって闘える精神力が必要との答え。「自信をもって闘えるようにならないとなりません」と、外からは快勝続きに見えても、不安との闘いが課題の様子だ。

 個人戦では圧勝続きであっても、学校対抗戦の準決勝(日体大柏戦)では金澤空大に見事なカウンターを受けて4点を失っており、大会全体を振り返ると、100パーセントの満足とはいかないことも、笑顔がない理由なのかもしれない。「ちょっと(の油断)でも、乱れてしまうものです。ああいうことのないようにしたい」と気を引き締めた。

今夏は欧米選手を相手に実力を試せるか

 それでも、昨年は2年生で高校三冠王(全国高校選抜大会、インターハイ、国体)を達成。3大会で闘った12試合中、フルタイムの判定にもつれたのは1試合(4-0)のみで、11試合がフォールかテクニカルフォールでの勝利。そのうち10試合が第1ピリオドでの決着。総失点は3点。記録のすべてが、国内では負ける要素が感じられない数字を示している。

 当然、目線は国際舞台へ向いている。昨年はU17アジア選手権(キルギス)に出場し、1回戦でインド選手に0-8で敗れ、敗者復活戦に回ることができない結果だった。技術や体力の差というより、「言い訳になりますけど、縮こまってしまって全然動けなかったんです」と、気持ちで負けていたと振り返る。この経験があるからこそ、今大会でも、もっと強い自信をもって闘いたかったのだろう。

▲テークダウンを奪い、ローリングかアンクルホールドの連続攻撃が爆発する=撮影・矢吹建夫

 昨年はJOCジュニアオリンピックで優勝していたので、U17世界選手権(イタリア)の出場資格があったが、インターハイと重なったことで、それを辞退してU17アジア選手権に出場した。

 今年はインターハイが例年より早い7月下旬に行われるので、U17世界選手権(7月31日~8月6日、トルコ)のスケジュールが昨年と同じく男子フリースタイルが最後なら(注=同選手権のスケジュールは未発表)、両大会に出場できる。4月のJOC杯を制すれば、ハードスケジュールであっても世界を選び、世界のレスリングに挑む腹積もりだ。

 「パワーが、自分の階級としては全然足りていないと思います。もっと筋肉をつけて体重を増やし、技術も磨いて臨みたい」

 今夏は、国内ではインターハイの個人と学校対抗戦のW優勝を目指し、国際舞台ではインド選手へのリベンジもさることながら、欧米選手を相手に実力を試したいところ。昨年のU23世界選手権(スペイン)では男子フリースタイル86kg級で白井達也(当時日体大)が優勝し、日本の重量級に明るい兆候をもたらした。その流れを受け継ぐだけの活躍が待たれる。







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に