2023.04.10

【展望】2023年アジア選手権・男子フリースタイル／13日実施階級（57・65・70・79・97kg級）

　4月9日（日）～14日（金）にカザフスタン・アスタナで行われる2023年アジア選手権の男子フリースタイルは、65kg級で世界王者のラフマン・アモウザドハリリ（イラン）が出場。アモウザドハリリと86kg級のアザマト・ダウレトベコフ（カザフスタン）が昨年に続く優勝を目指す。

　各階級の見どころを探った。

《大会サイト》　／　《男子フリースタイル・14日実施階級展望》

※東京とアスタナの時差は3時間。日本時間午後2時30分に試合が始まり、ファイナル開始は午後9時予定（変更される場合もあります）。

13日実施階級／57・65・70・79・97kg級

　【57kg級】

　昨年3度目の優勝を遂げたラビ・クマール（インド）は負傷で欠場するが、同国からはU23世界選手権を制したアマンが出場。優勝候補の一角を占めるだろう。昨年2位のラハト・カルジャン（カザフスタン）、同3位の新井陸人（自衛隊）とアルマズ・スマンベコフ（キルギス）が、優勝を勝ち取れるか。

　実績的には、前記の選手より一昨年2位で同年の世界選手権2位のアリレザ・サーラク（イラン）、昨年は5位だったが世界選手権で銅メダルを獲得したザナバザール・ザンダンブド（モンゴル）の方が上。

　この中からだれが決勝に残るか。

《57kg級エントリー》
Wanhao ZOU（中国）
AMAN（インド）
Alireza SARLAK（イラン）
新井陸人（日本）
Rakhat KALZHAN（カザフスタン）
Almaz SMANBEKOV（キルギス）
Sunggwon KIM（韓国）
Zanabazar ZANDANBUD（モンゴル）
Muhammad BILAL（パキスタン）
Ali M M ABURUMAILA（パレスチナ）
Ekanayaka MUDIYANSELAGE（スリランカ）
Sunatullo BOBOEV（タジキスタン）
Nodirjon SAFAROV（ウズベキスタン）

▲インドから新たな台頭選手となるか、U23世界王者のアマン＝UWWサイトより

　【65kg級】

　昨年優勝で世界選手権も制したラフマン・アモウザドハリリ（イラン）の連覇を阻止できる選手はいるか。アモウザドハリリは2018・19年世界カデット（現U17）選手権、2021年世界ジュニア（現U20）選手権を制してシニアの世界一に昇り詰めた20歳。世界の若手選手の中で注目を集める一人だ。

　2021年世界選手権3位で、今年2月の「ザグレブ・オープン」（クロアチア）を制したツルガ・ツムリオチル（モンゴル）、昨年のU20世界選手権優勝のウミジョン・ジャロロフ（ウズベキスタン）、2020年優勝で昨年3位のウルクベク・ジョルドシュベコフ（キルギス）、昨年のU23世界選手権3位の安楽龍馬（Nobitel）らが、その牙城を崩せるか。

《65kg級エントリー》
Shaohua YUAN（中国）
Anuj KUMAR（インド）
Rahman AMOUZAD（イラン）
Mohammed KAREEM（イラク）
安楽龍馬（日本）
Sanzhar MUKHTAR（カザフスタン）
Ulukbek ZHOLDOSHBEKOV（キルギス）
Changsu KIM（韓国）
Tulga TUMUR OCHIR（モンゴル）
Zi Xyan LIM（シンガポール）
Divoshan CHARLES FERNANDO（スリランカ）
Ahmad DIRKI（シリア）
Abdulmazhid KUDIEV（タジキスタン）
Gurbanmuhammet CHARYYEV（トルクメニスタン）
Umidjon JALOLOV（ウズベキスタン）

▲昨年のアジア＆世界王者のラフマン・アモウザドハリリ（イラン）。今年もアジアを制するか＝UWWサイトより

　【70kg級】

　昨年の1～3位の4選手は不出場。最多の17選手がエントリーしている中、だれが抜け出すか。東京オリンピック65kg級代表（8位）のモルテザ・ハッサナリ・ギアシ・チェカ（イラン）が実績的には抜けているが、初となる70kg級の国際大会ではどうか。

　昨年のU20世界選手権3位のムレイム・ヤダフ（インド）、U23アジア選手権優勝のオロゾベク・トクトマムベトフ（キルギス）、U20世界選手権65kg級3位の青柳善の輔（山梨学院大）らにとっては、シニアの世界で台頭するチャンスと言えよう。

《70kg級エントリー》
Agudamu AGUDAMU（中国）
Mulaym YADAV（インド）
Morteza GHIASI CHEKA（イラン）
Ali AL OBAIDI（イラク）
Orts ISAKOV（ヨルダン）
青柳善の輔（日本）
Sanzhar DOSZHANOV（カザフスタン）
Orozobek TOKTOMAMBETOV（キルギス）
Suhyeon PARK（韓国）
Mohammed ABDULKAREEM（クウェート）
Khanburged GANKHUYAG（モンゴル）
Inayat ULLAH（パキスタン）
Mohamed BIN ABDULLAH（シンガポール）
Karuna PELI GEDARA（スリランカ）
Mustafo AKHMEDOV（タジキスタン）
Perman HOMMADOV（トルクメニスタン）
Zafarbek OTAKHONOV（ウズベキスタン）

▲2021年アジア選手権で乙黒拓斗と闘うモルテザ・ハッサナリ・ギアシ・チェカ（イラン）＝ネット中継より

　【79kg級】

　2021年東京オリンピック74kg級3位のベクゾド・アブデュラモノフ（ウズベキスタン）がエントリー。2024年パリ・オリンピックに向けて階級を上げるか下げるかすると思われるが、現在は79kg級。昨年の世界選手権5位の実力を発揮して、70・74kg級を合わせて5度目のアジアの頂点（選手権・大会）なるか。

　イランからは、アジア・ジュニア（現U20）選手権優勝の実績を持つアミール・ホセイン・コボウシ（イラン）がエントリー。アブデュラモノフの行く手に立ちふさがるか。山﨑弥十朗（サイサン）が、昨年12月のワールドカップ出場の経験を生かして上位へ食い込めるか。

《79kg級エントリー》
Khidir SAIPUDINOV（バーレーン）
Peilong LI（中国）
DEEPAK（インド）
Amirhossein KAVOUSI（イラン）
山﨑弥十朗（日本）
Bolat SAKAYEV（カザフスタン）
Adilet MARATBAEV（キルギス）
Gunwoo LEE（韓国）
Byambadorj BAT ERDENE（モンゴル）
Shuhrat BOZOROV（タジキスタン）
Vepa HEMENEKOV（トルクメニスタン）
Bekzod ABDURAKHMONOV（ウズベキスタン）

▲2014年アジア大会で初のアジア王者となったベクゾド・アブデュラモノフ（ウズベキスタン）。4年ぶり5度目のアジアの頂点を目指す

　【97kg級】

　2020年優勝のモジタバ・モハマドシャフィ・ゴレイジ（イラン）が、昨年の世界選手権3位などを経て再出場。アジア王者への返り咲きを目指す。

　あとは、今年2月の「ザグレブ・オープン」（クロアチア）3位のアウサイマン・ハビラ（中国）が目立つ程度で、発展途上の選手。石黒峻士（新日本プロレス職）を含め、だれにでもメダル争いに加わる可能性は十分にある。

《97kg級エントリー》
Akhmed TAZHUDINOV（バーレーン）
Awusayiman HABILA（中国）
DEEPAK（インド）
Mojtaba GOLEIJ（イラン）
石黒峻士（日本）
Bekzat URKIMBAY（カザフスタン）
Arslanbek TURDUBEKOV（キルギス）
Juhwan SEO（韓国）
Ulziisaikhan BAASANTSOGT（モンゴル）
Shatlyk HEMELYAYEV（トルクメニスタン）
Makhsud VEYSALOV（ウズベキスタン）