日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2023.04.28

スン・ヤナン(孫亜楠)がひざの手術を経て復帰、“強い中国”復活の起爆剤となるか

 

 女子の最軽量級で2016年リオデジャネイロ・オリンピック銅メダル、2021年東京オリンピック銀メダルのスン・ヤナン(孫亜楠=中国)が、ひざの手術を終え、2024年パリ・オリンピックへ向けて選手活動の続行を明らかにした。中国の新華社通信が報じ、世界レスリング連盟(UWW)がホームページでこのニュースを取り上げた。

 2021年東京オリンピック50kg級の決勝で、須﨑優衣(当時早大)のアンクルホールドの猛攻を受けて敗れたスン・ヤナンは試合後、現役続行の意思を問われ、その時は明言しなかった。

▲2021年東京オリンピックで決勝に進出、須﨑優衣と相対したスン・ヤナン(中国)

 昨年5月に両ひざの前十字靭帯の手術を受けた。それから1年近くが経ち、現在もまだリハビリに時間を割いているようだが、長い間更新しなかったSNSを更新。国際舞台のデビュー戦となった2010年アジア・ジュニア選手権に参加した写真を掲載し、「これは私が参加した最初の国際大会です。13年経った今でも、レスリングへの情熱は変わっていません。情熱を持って楽しむことは、時間をより有意義にすることです」との説明をつけ、現役復帰の意思を示した。

 スン・ヤナンは2011年アジア選手権48kg級優勝、2013年世界選手権51kg級優勝などを経て、2016年リオデジャネイロ・オリンピック48kg級に出場。その半年前のアジア選手権では世界チャンピオンの登坂絵莉(当時至学館大)を破った。

 リオデジャネイロでは登坂に3-8で敗れて銅メダル。その後も選手活動を続け、2019年世界選手権では入江ゆき(当時自衛隊)を破るなど、日本選手の行く手に立ちはだかる選手だった。東京オリンピックでは決勝まで進出。須﨑にテークダウンされたあと、足首をがっちり決められて4回転。1分36秒で敗れ、去就が注目されていた。

 オリンピック後は、男子グレコローマン71kg級でアジア選手権3位などの実績を持つリドン・ザンと結婚。スン・ヤナンは「夫は私をとても支えてくれています。私もチャンスをつかみ、夢を追い続けたいと思っています。それは私自身の目標ですが、家族やチームのサポートなしには達成できません」と、夫婦でパリ・オリンピックを目指すことをコメントしている。

 「2016年リオデジャネイロでオリンピックにデビューしたとき、銅メダル獲得を祝うのを忘れていました。東京では銀メダルを獲得するまでに実力を伸ばしましたが、(決勝で敗れ)失望の涙を流さずにはいられませんでした。パリで夢を追い続ける機会があれば、今度は笑顔でマットを下りたい」と目標を話した。

▲2019年世界選手権で入江ゆきを13-12で破ったスン・ヤナン。この勝敗が逆だったなら、その後の日本女子レスリングの歴史は、今と違っていたかもしれない。

 中国はコロナのため、2020年~22年途中までオリンピックと同予選以外の国際大会出場を控えており、出場再開後はかつての勢いがなくなった。しかし、今年2月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)では、50kg級に出場した3選手が表彰台に立ち(優勝は須﨑)、同月の「イブラヒム・ムスタファ国際大会」(エジプト)同級でも1、2位を独占(ともに世界レスリング連盟のランキング大会)。復調の兆しを見せている。

 中国ではまだいないオリンピック3度出場を目指すスン・ヤナンの復帰が、中国の再浮上を後押しするか。







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に