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2023.05.02

早大レスリング場に“日本レスリングの父”八田一朗氏の肖像画、あらためて飛躍を誓う

 

 日本にレスリングを根づかせた早大レスリング部の創設者・八田一朗氏(のちに日本協会第3代会長)の功績を後世に伝えるため、米国在住の次男・八田忠朗氏の描画よる肖像画がレスリング場に飾られることになり、4月29日、除幕式が行われた。

 早大レスリング部は,柔道選手として米国へ遠征した八田氏によって、1931年に日本初のレスリング・チームとして創部され、2021年に90周年を迎えた。本来なら大勢の来賓を招いて盛大な記念祝賀会が行われるはずだったが、コロナ禍で開催できず、昨年もコロナが終息しておらず実現しなかった。90年の節目を祝うべく行事としてレスリング場に飾る肖像画の贈呈を行うこととし、稲門レスリング倶楽部(OB会)の定時総会後にお披露目することになった。

▲稲門会の定時総会のあと披露された“日本レスリングの父”八田一朗氏の肖像画

 忠朗氏が以前、米国の高校で美術教師を務めており、絵画の専門家であることで依頼。快諾を得て実現した。早稲田カラーのえんじ色をバックに、和服姿の八田一朗氏が描かれ、顔の周りに炎が燃えているイメージで描かれている。

 頭の上には、講道館柔道の創始者・嘉納治五郎氏が指針として掲げた「精力善用」という言葉が書かれている。「その力を使って相手をねじ伏せたり、威圧したりすることに使わず、世の中の役に立つことのために能力を使いなさい」という教え。八田一朗氏も嘉納氏の教えを信奉していた。

 除幕式のあとあいさつした稲門レスリング倶楽部の平野敦彦会長は、忠朗氏の「精力善用という言葉を用いたのは、この言葉の真の意味を次の世代に伝えるため」とのメッセージを読み上げ。学生選手に意味を伝え、世の中に役立つ人間となることを望んだ。

 同会長は「創部100周年へ向けての礎として、肖像画という形で歴史を残しました。学生選手は日本レスリングの歴史の重みを知ってほしい」と要望。銅像ではなく肖像画にしたのは、忠朗氏が絵画の専門家であることと、道場に置いて学生選手を見守るには肖像画の方が適しているという判断から。「100周年までの間に、もう一度、リーグ戦の優勝と大学日本一に返り咲きたい。その先にはオリンピック選手の輩出があります」と話し、チームの奮起を願った。

 早大レスリング部は、日本レスリングの発祥大学として八田一朗自身が1932年ロサンゼルス・オリンピックに出場し、風間栄一が1936年ベルリン・オリンピック5位入賞など日本のレスリングを押し上げた。関東学生リーグ戦でも、戦争をはさんで1948年秋季までに5度の優勝を遂げた。

▲創部90周年を機に、再び学生日本一を目指す早大選手とOB

 その後は、個人ではオリンピック選手を輩出する一方、学生リーグ戦では優勝から見離された。2000年に1996年アトランタ・オリンピック銅メダルの太田拓弥氏をコーチに招いて復活を目指し、2008年の全日本学生王座決定戦での優勝を経て、2010年の東日本学生リーグ戦で62年ぶりに優勝。翌11年も勝ち、2年連続で東京・駒沢体育館に校歌「都の西北」が響いた。2013年には全日本大学選手権で初優勝を遂げている。

 最近は優勝が遠のき、昨年の東日本学生リーグ戦では4位、全日本大学選手権は5位だったが、女子では須﨑優衣(現キッツ)が2021年東京オリンピックで優勝し、伊藤海が昨年のU20世界選手権で優勝するなど、世界への飛躍を始めている。

 除幕式に参加した深田雄智主将は「八田先生だけでなく、多くの人に支えられている早大レスリング部の伝統をあらためて感じました」と、気持ちを新たにした様子。このあと、団体戦として今年度最初の大会となる東日本学生リーグ戦(5月16~18日、東京・駒沢屋内球技場)では、最低でも昨年の成績を上回ることを目標に掲げ、伝統復活を誓った。







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