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2023.05.11

【訃報】渡辺長武さん(1964年東京オリンピック金メダリスト)

▲2016年11月の中大70周年記念パーティーであいさつする渡辺さん。中大が生んだ5人のオリンピック金メダリストの一人

 

 【お断り】1964年東京オリンピック金メダリスト、渡辺長武さんの死去につきまして、以前より伝聞はありました。4月15日、読売新聞にて「関係者によると」との情報源にて報じられ、各メディアに報道されましたが、確かな事実が確認できなかったため、記事掲載を控えていました。この度、渡辺さんの孫である小坂ケビン絢太様(福岡県久留米市在住=中大卒)より、確かな情報をいただくことができ、掲載いたします。ご冥福をお祈りいたします。


 1964年東京オリンピックのフェザー級(63kg級)で優勝し、世界選手権でも2度優勝した渡辺長武(おさむ)さんが、昨年10月1日、心臓発作のため死去していたことが分かった。孫の小坂ケビン絢太さんが明らかにした。親族の意向により、そのほかの詳細は非公表。享年81。

 北海道和寒町出身。士別高から中大に進学。1960年に全日本学生選手権を制し、全日本選手権でも優勝。61年のソ連・欧州遠征の全勝を皮切りに、62年の全米オープン選手権、世界選手権、アジア大会、63年の日ソ対抗戦、世界選手権、マンチェスター国際大会、64年のソ連・東欧遠征と、国際大会でも無敗の快進撃を続けた。

 その強さを“アニマル”、技の正確さを“スイス・ウォッチ”と評され、東京オリンピックでの金メダル獲得は「間違いなし」と言われていた。このプレッシャーにもめげず、見事に金メダルを獲得。世界選手権と合わせて3年連続世界一の偉業を達成した。この間にマークした「186連勝」はギネスブックに掲載された。

 電通勤務を経て、1987年に翌年のソウル・オリンピックへの出場を目指して復帰。46歳で全日本社会人選手権に出場したが、準々決勝で敗れて夢ならなかった。2003年には世界ベテランズ選手権(ハンガリー・ブダペスト)E(56歳以上)63kg級に出場して優勝。全日本マスターズ連盟の理事も務めた。

 近年は体の調子を崩し、公の場には出ていなかったが、昨年7月には東京・練馬区の練馬ジュニア谷原クラブを訪れ、キッズ選手の練習を見守った。10月1日に自宅で倒れ、他界されたという。

 小坂さんは「会う度に『何でもいい。何かで世界一になれ』と口ぐせのように言っていた」と思い出を語り、憧れの存在だったと言う。小坂さんはテニスをやっており、「日本一にすらなれませんでしたが、まだ人生少しは残っております。何かの分野で世界一を目指します」と、世界を制した祖父を目標にする気持ちを表した。

        ▲1964年東京オリンピック・チーム。前列右から3人目が渡辺長武さん

▲2003年世界ベテランズ選手権に出場し、見事に優勝

▲2012年1月、東京オリンピックの5人の金メダリストで全日本チームを激励。米満達弘選手(現自衛隊コーチ)を囲む=右から3人目が渡辺さん

▲昨年7月、SSC谷原アルファを訪れキッズ・レスリングの練習を見守る渡辺さん=下の動画とともに同クラブ提供







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