監督・コーチ 田中弘済
【役員】
監督・コーチ 田中弘済(大神工業株式会社/同志社大学卒)
【選手】
黒崎辰馬(兵庫・神戸医療未来大学講師/福岡大学卒)
天野雅之(中央大学職員/中央大学卒)
福井裕士(天理大コーチ/天理大学卒)
中村淳志(奈良・大和広陵高校教/拓殖大学卒)
【出場種目】
■アリシュ(キルギスの民族格闘技)⇒腰に帯を巻いて投げ合う競技で、足を使えないクラシックスタイルと足を使えるフリースタイルがある。
■ベルボグリクラシュ(ウズベキスタンの民族格闘技)⇒アリシュ・クラシックスタイルと同じようなルールだが、点数の入り方が違う。
■カザフクレシュ(カザフスタンの民族格闘技)⇒半そで短パンで、柔道とレスリングのグレコローマンスタイルを合わせたような競技。
【大会日程】
《5月22日:アリシュ・クラシックスタイル》
70kg級 黒崎辰馬
100kg級 天野雅之
+100kg級 中村淳志
《5月23日:アリシュ・フリースタイル》
70kg級 黒崎辰馬
100kg級 天野雅之 準優勝
+100kg級 福井裕士
《5月24日:ベルボグリクラシュ》
75kg級 黒崎辰馬
100kg級 天野雅之 準優勝
+100kg級 中村淳志
《5月25日:カザフクレシュ》
74kg級 黒崎辰馬
100kg級 天野雅之
+100kg級 福井裕士 3位
5月22日(月)~25日(木)にウズベキスタン・ジザフで行われたベルト・レスリングのアジア選手権に出場した日本チームが5月27日、成田空港と関西空港にそれぞれ帰国しました。
アリシュ・フリースタイル100kg級とベルボグリクラシュ100kg級で天野雅之(中央大学職員)が銀メダルを取り、べルト・レスリング日本男子勢として14年ぶりに表彰台に立ちました。また。カザフクレシュ100kg超級でも福井裕士(天理大コーチ)が銅メダルを取り、世界レスリング連盟(UWW)がノンオリンピック・スタイルの種目としてカザフクレシュを認定して以来、この種目で日本勢として初の表彰台入りすることができました。
スケジュールの急な変更や日本チーム初挑戦のベルボグリクラシュの細かいルール説明がなかったこと等、通常では考えられないトラブルもあった中、ベルト・レスリング初挑戦の天野選手と福井選手はレスリングの経験を十分にいかし、またベテランらしい考えられた試合展開で、日本チームとして久々のメダルを獲得してくれました。
ベルト・レスリング経験者の黒崎選手、中村選手がルールや競技の特性をしっかり伝えてくれ、支えてくれたたこと、また、現地のボランティアスタッフが献身的に日本チームを支えてくれたことによるチーム全員で獲得したメダルだと思います。
私はベルト・レスリングがレスリングとルールが違っても、レスリング技術の応用で勝てると考えております。この結果を見て、一人でも多くのレスリング選手が「ベルト・レスリングに挑戦してみたい」と思ってくれたらうれしいです。
メダル獲得は、自身が出場し銀メダルを取った2009年アジア・インドアゲームズ(ベトナム・ハノイ)以来です。今回の入賞で、他の国が日本チームに脅威を感じているのがよく分かりました。UWWに対しても、日本がノンオリンピック・スタイルに力を入れてきているとアピールできたと思います。次こそは、今回の経験を活かし優勝者を出します。それが日本レスリング発展につながると信じています。
■アリシュ・フリースタイル100kg級準優勝/ベルボグリクラシュ100kg級準優勝/カザフクレシュ100kg級出場・天野雅之(中央大学職員)「初めてのベルト・レスリング参加ということで、いつものレスリングでの遠征とは違った緊張はありました。ただ、いつまでも挑戦者でありたいという気持ちです。今回の遠征に挑戦し、この思いが誰かの支えと勇気につながればと思っています。
中央アジアの国々は、レスリングでも強豪です。それらの各国のレベルがなぜ高いのか、国技とよばれるこの競技がどうレスリングと結びつくかなど興味津々でした。大会スケジュールなどトラブルが多々あり、今までの遠征では味わったことのない経験でした。
ただ、各国同じ条件下であり、その中で優勝する選手は、そのような環境でも結果を出しています。たゆまぬ努力で、技術・体力とともにぶれない精神力をもっとつける必要があると感じました。今回はメダルを獲得することができましたが、さらに高みを目指し、今後も頑張っていきたいと思います。この経験を次の世代に引き継げるよう頑張りたいと思います」
■カザフクレシュ+100kg級3位/アリシュ・フリースタイル+100kg級出場・福井裕士(天理大コーチ)「今回、初めてベルト・レスリングのアジア選手権に出場させて頂き、その中でも柔道の要素が大きいカザフクレシュをメインに大会に向けてレスリングと柔道の両面で準備してきました。100kg超級ということもありレスリングでは対戦することのない150kg前後の選手達と闘い、今まで感じたことのないパワーに驚きました。
イラン選手から場外下にたたき落とされ、あわや大けがになるようなラフファイトを受けた時に、自分の中の戦闘スイッチが入り、激闘を制することができたことが銅メダル獲得に繋がりました。観客の人々からこんなにも大きな歓声と祝福を浴びたのは初めてであり、アスリートとして最高の瞬間を味あわさせて頂きました。これからカザフクレシュの世界大会入賞も目指して鍛錬していきたいと思います」
■アリシュ・クラシック+100kg級/ベルボグリクラシュ+100kg級出場・中村淳志(奈良・大和広陵高校教)「今回、アリシュ・クラシックスタイルとベルボグリクラッシュの2種目に出場しました。昨年の反省をいかし、組み手争いを意識して試合に臨みましたが、体格差を埋めることができず、それぞれ1回戦負けという不甲斐ない内容になってしまいました。
その中でも、新たな組み手やテクニックなどの情報を他国の選手やコーチから直接教わることができたので、改善を行い、今後の競技活動にいかしたいと思います。最後に、大会参加にあたりご尽力いただいた関係各所の皆様に深く感謝いたします。ありがとうございました」
■アリシュ・クラシック70kg級/アリシュ・フリースタイル70kg級/ベルボグリクラシュ75kg級/カザフクレシュ74kg級出場・黒崎辰馬(兵庫・神戸医療未来大学講師)「今回はアリシュ・クラシックスタイル、アリシュ・フリースタイル、ベルボグリクラシュ、カザフクレシュの4種目に出場しました。これまでの経験から組み際の執拗なポジショニングや積極的な攻めの姿勢を意識して望みましたが、勝利につなげることはできませんでした。
強豪選手を観察していると、常にプレッシャーをかけ、相手がしびれを切らして攻撃を仕掛けてきたところに技を合わせたり、崩しを入れていたりしていました。攻撃的な姿勢に我慢強さを掛け合わせたスタイルといった印象を受けました。今後は上記の点を念頭に置いて競技に取り組み、さらなる強化に努めます。」