6月10日(土)~11日(日)にシンガポール・シンガポールシティで行われるビーチ・レスリングの2023年ワールドシリーズ第2戦に出場する日本選手団が6月8日、羽田空港発の日本航空で出発した。
3選手は、いずれも5月7~8日に行われた第1戦(アルゼンチン)に続いての参加。昨年の3戦と今年の2戦の累積ポイントによって、10日(木)~11日(金)にインドネシア・バリで行われる第2回世界ビーチ大会(ワールド・ビーチ・ゲームズ)の出場資格を得る。
鎌賀秀夫監督(日本協会)は「8月の世界ビーチ大会に出場できるかどうかは分からないが、こうして出場してくれる選手を大切にし、経験を積ませてビーチ・レスリングを発展させたい」と話す。
ビーチ・レスリングは、福田富昭・日本協会名誉会長が協会の会長になる前に取り組み、国際レスリング連盟(FILA=現UWW)に提案して採用され、日本が発祥国となる。日本は2006年からスタートしたビーチの世界大会に出場した。
しかし、UWWが2019年からワールドシリーズを開催したが、日本からの参加は今年の第1戦が初と、世界の流れの中に取り残されたのが現実。鎌賀監督は「福田名誉会長の遺産をしっかり引き継ぎたい。それが使命だと思う。メダルを取ることも大事だが、参加することで盛り上がりができると思う」と話し、この流れを大きなうねりにつなげたい気持ちを話した。「途切れさせてはなりません」と言う。
第1戦の80kg級で銀メダルを取った阿部宏隆(茨城・水戸市スポーツ少年団)は「シリーズの最終戦は厳しい闘いになると思う。1試合、1試合を大切に闘い、しっかり勝って優勝につなげたい」と言う。前回の帰国の後、砂原での練習はできなかったが、マットの上での練習や筋力トレーニングは十分にやって体力はキープしていると言う。
3選手の中では世界ビーチ大会に出場できる可能性が一番高い選手だが、「それはあまり気にしていません。持っているものをすべて出せば、いい結果がついてくると思います」と話した。
■70kg級・山田義起(立山商事)「前回の反省点をふまえ、全力で闘ってメダルを持って帰りたい。アルゼンチンから帰国してから、砂浜にテントを張り、大学(日体大)の後輩と合宿練習しました。優勝が目標です」
■+90kg級・天野雅之(中央大学職員)「まずメダル圏内を目標とし、そのあと優勝を目指して頑張りたい。この前出場してみて、(強い選手は)ビーチに対応した練習をしていることが分かったので、この1ヶ月間、ビーチを視野に入れた練習をしてきました。2日前に審判長を含めてルールの再確認をしたので、前回よりは戸惑うこともなく、ゆとりを持って試合に臨めると思います」